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2008年05月23日
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カテゴリ:ショパン
すみれにローズマリーさんのブログにg-moll=ト短調のことと、
g-mollの曲ということで、ショパンのバラード第1番作品23のことなどがあったので、
今日はそこから多少、専門的な内容を書いてみようと思います。

:::::::::::::::::::::

バラード第1番の出だしは、オクターヴのユニゾンで、
ナポリの6という和声で構成されています。
少しわかりやすく説明すると・・・

ユニゾンとは、(ここではピアノ用に便宜的に)高さの違う同じ音を同時に奏でることで、
ナポリの6の和音とは、音階の2番目の音を根音に3和音をつくり、
それを第1転回形にしてから、短調の場合は、最上部の音を半音下げる・・・

つまりト短調の場合は、ソから始まる短音階の2番目の音、ラの上にラ・ド・ミ♭
の和音をつくり、位置をド・ミ♭・ラに移し、そのラを半音下げて、
ド・ミ♭・ラ♭に変えるということになります。

::::::::::::::::::::::

ナポリの6とは、スカルラッティなどのナポリ楽派が好んで使ったということから
名づけられているという説がありますが、これは不明で・・・
ただ、ナポリの6というのは、やはりそう命名されるだけの力をもった響きなのです。

その響きは、ある種の暗さを秘めていて、私たちに潜むマイナス面を暗示する・・・
そんなところがあります。つまりこの響きは、例えて言えば、不吉なものを予感させたり、
死というものをほのめかしたりします。

そしてユニゾンですが、これはショパンの曲に時折出てくるもので、
緊迫した瞬間を表す場合が多いように思われます。
このようにしてバラード第1番を考えると・・・

::::::::::::::::::::::

ナポリの6のユニゾン・オクターヴで始まり、曲の最後には、再びユニゾンの上がる音階、
そして両手オクターヴの下がる音階が出てくるという曲の構成に・・・
何か特別な意味を感じてもいいのではないかと思います。

ショパンの音楽は、大抵メロディーがあって伴奏があるという形をとっていますが、
曲中には、ふとメロディーだけになったり、そのメロディーはユニゾンだったり、
ということがあります。

例を挙げると、第2番のコンチェルトのソロ冒頭、スケルツォ第2番の出だし、
マズルカ作品24-4の中間に出てくるもの・・・
英雄ポロネーズの再現部手前等々・・・そしてこのバラード第1番の始まり方です。

::::::::::::::::::::::

どれも張りつめたような緊張感があり、弾き手にとっては集中力が問われ、
聴き手にも特別アピールしてくるものがあるのではないでしょうか。
そして・・・最後の和音以外 全部ユニゾン という第2番ソナタの終楽章・・・

あれは・・・
やはりショパンが、ユニゾンにとても意味を感じていたということなのか?
そのことをご本人に伺うことができたらと思いますが・・・

それは無理でも、私たちは、彼の作ってくれた作品からいろいろなことを感じ取り、
自分の思いと重ね合わせてみたり・・・
そうやって時を過ごしていくに従い、何かを体得したりするのでしょうね。





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最終更新日  2008年05月23日 08時21分41秒
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