「第6章 ドスランボス討伐(後編)」
「いた!」密林の奥を探索している時、突然それは現れた。ランボスの群れの中に、一際大きなランボスがいるのだ。頭には真っ赤なとさかをつけて、青い色が鮮やかな二足歩行をするトカゲのような生物だ。「ギャオ~~」私の方に向かって威嚇の声を上げる。その生物こそ、私達が狩ろうと探していたランボスの親玉、「ドスランボス」だ。私は、仲間に連絡をしようとしたが、なかなか声が出ない。この世界では、狩りの最中に話をするのは非常に困難なのだ。もし、ちょっとタイミングを失敗すると、モンスターの餌食になってしまうからだ。そこで私は、手元に持っていた「ペイント玉」をドスランボスに投げつけた。このアイテムは、モンスターがどこにいるか、各自が持っている探索機に知らせることができるのだ。この合図は、一瞬にして狩りの仲間に伝わる。仲間がそのうち集まってくるだろう。それまでに、なんとか一人で1匹のドスランボスと、取り巻きの4匹ぐらいいるランボスを相手にしなければならない。「ザク!・・・・」「ウッ」少し気を抜くだけで、モンスターから攻撃を受けてしまう。私は仕方なく、仲間が来るまでモンスターに攻撃を与えるのを諦め、逃げることに徹した。しばらくすると、他の3人の狩り仲間が集まってきた。これからが本番だ。「いけ~~~」「ザシュ。ザシュ」片手剣の私は、攻撃を加えては、盾で防ぎ、危ない時には、回避行動をとることを心がけた。仲間は、大刀と、弓、そしてハンマーだ。私とは武器の勝手が違う。大刀は攻撃にかかるタイミングが遅いが、当れば大きなダメージを与えられる。弓は、遠距離からの攻撃だ。そしてハンマーは、大刀よりさらに遅い攻撃だが、モンスターの頭に当れば、モンスターを気絶させることができるのだ。「ザシュ」「ザク!」「ヒューン」「ドン」4人が4人とも各自の武器を思い存分ドスランボスにぶつける。数分後・・・ドスランボスが私達の前から逃げていった。「あと少しだ」モンスターは弱ってくると、逃げたり、足を引きずったりするようになるのだ。そして、となりの場所に行った私達は、またもやドスランボスを攻撃し続けた。「ジャジャ~~ン」ファンファーレがなると共に、ギルドから「目的を達成しました」と探索機に案内が届いた。そう、ようやく私達は、始めての獲物「ドスランボス」を倒したのだ。「おつかれさま~」私は、仲間をねぎらった。「おつ~」「おつかれさまでした~」「おつかれ~」みんなも互いに健闘を称えねぎらう。その後は、楽しみの「剥ぎタイム」だ。倒したモンスターから、皮や骨、ウロコやキバなどをはぐのだ。これがどこの部分が剥げるのかわからないから、ドキドキだ。物によっては、めったに出ないモノもあるからだ。剥ぎが終わると、もうこの場所にいる必要はない。私達は、もといたドンドルマの街に戻っていった。 あとはギルドから報酬をもらうだけだ。そうして、私の始めてのボス討伐は誰一人死者を出すことなく、無事に終了した。