テーマ:心のままに独り言(8833)
カテゴリ:パン以外の日常
ヘレンド(ハンガリー)のばらのモチーフの小箱。
高島屋でふと振り向いたとき、そこにあった。 手にとって、ばらを見てるうちに胸がいっぱいになってきた。 祖父には、私がまだ小さい頃、いろんなところに連れて行ってもらった。 夏の旅行、年末年始の旅行。家族同伴のパーティー。。 両親兄弟をさしおいて、私だけいつもくっついて出かけていた。 三歳のころ、ロータリーのクリスマス会に連れていってもらったとき、 (私には記憶はないが、)舞台に(勝手に)さっさと上がって、司会のおねえさんのマイクをぶんどり、 「ばーらがさいた、ばーらがさいた、まっかなばーらーがー」と唄い始めた(らしい)。 証拠写真も残ってる(笑)←もちろん白黒写真(笑) 祖父のお葬式のときに親戚の人が、私の子どもに「あなたたちのおかあさんはね、昔、舞台にあがって『ばらがさいた』って唄ったんだよ(笑)」って暴露するので、思い出した(^-^; 「ばーらが咲いた」のことは、私がオトナになっても時々祖父に笑われてたなあ。 小箱のばらのモチーフを見た瞬間、そういうことも思い出して もうこれしかないと思った。 包んでもらうあいだ、他の陶器を見ていた。 そしてそのヘレンドがハンガリーのメーカーと知る。 私が初めて行った海外は、ハンガリー。 祖父が学会のときに連れてってくれた。 ブダペストのチェーンブリッジ。 パプリカの料理。 戦争の砲弾のあとの残る門。 ネオンのきらめきのない、美しいドナウ。 そのあと北欧(ノルウェー、デンマーク、スウェーデン)を回って帰ってきた。 だから、小箱を探すとき、ロイヤルコペンハーゲンから、探してみた。 マイセンもリヤドロもウェッジウッドもジノリ、オールドノリタケも見たけど、いまひとつだった。 そして引き寄せられるように出あったヘレンドだった。 そのヘレンドがハンガリーだった。 涙をこぼしながら、バラの小箱を受け取った。 高島屋のお姉さんはどう思っただろう。 祖父が他界してから10日を越えていた。 それまで居てもたってもいられないような 落ち着かなかった気持ちが、すっと静まっていった。 祖父の思い出はこの小箱の中に 静かに積もらせて、眠らせて、傍に置いていく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[パン以外の日常] カテゴリの最新記事
|
|