パンダの奥さん日記

ソル(旧正月)の法事、墓参り、親戚回りも無事済んで、

やれやれ、と帰宅すると、今度は大きいお義姉さん家族が来られた。

また朝と昼と全く同じ法事料理で夕飯。

さすがのわたしも、親戚んちで食べたばっかりだったので、パス。

兄嫁さんはしっかり食べてた。

すごいわぁ～



それから、お義姉さんたちとゴロゴロしてたら、子パンダが


｢子パンダ、カラオケ行きたいんだけど～｣


あ～・・・先月、パンダがパーティーに行ったのよ。

友達のお父さんの喜寿のお祝い。

で、そのときに、カラオケと生バンドが来てたらしいの。

そんで、どうしたことか、子パンダが前出て、マイク持って歌ったんだって

会場のお客さんたちは、てっきりお孫ちゃんが、

おじいちゃんのために、一生懸命歌ってるもんだと思ったらしいけど、

赤の他人だよ(笑)

どうなってんの？

で、拍手浴びて、どっかのアジョシから１万ウォンのおひねりが・・・

多分、わたしが思うに、年末の芸術祭の舞台が

気持ちよかったんだろうねえ・・・

わたしはめっちゃ恥ずかしがりだったから、発表会って嫌いだったんだけど。

パンダの家系かねえ～？



で、お義姉さん夫婦、パンダ親子でお向かいのカラオケ屋に。

すると、パンダ母も一緒に門を出た。

あれ？お義母さん、お正月なのにケ(契)の集金ですか？

と思ったら、パンダ母もカラオケに。

合計６人で、あやしげな廊下の突き当たりの部屋に吸い込まれていった。



まずは子パンダ。

芸術祭で踊った歌を歌うと言い出し、

わたしが

｢なんか日本のも歌ってよ～｣

とリクエストしても無視

ああ、やっぱりＮＨＫが映らないって寂しいわ・・・



イントロが流れてきたはいいけど、めっちゃ大音声。

その音のでかさに、奥さん激怒


｢ちょっと～～～！！！何よ、このでかい音？！

　ボリューム下げてよ！！！｣


パンダが慌ててリモコンに手を伸ばしたけど、

なんと、カラオケもマイクも音量調節のボタンが無い・・・

んなわきゃないだろ？！

と、わたしも見たけど、

無い。

無い。

無い。



子パンダは大音量で歌い続ける。

頭割れそう・・・


｢ちょっと、店の人に言って、音量下げてもらってよ！！！｣


しばらくすると、店の人が、やってきて、カラオケの機械ガチャガチャやって、

首かしげながら、出て行ったよ。


音量そのまんま据え置き(怒)


そのあほみたいにでかい音量のまま、パンダ母が歌い、お義姉さんが歌い・・・

横からパンダがわたしに聞いてくる。


｢奥さん、なんか韓国語で歌えるのないの？｣


｢あたしが韓国語で歌えるっていったら・・・

　『釜山港へ帰れ』・・・｣

　

｢・・・・・｣


｢・・・・・あ！そうだ！あれ、あれ・・・

　『おじゃぱめ～ん・な・にが・しろ～じょっそ～♪』｣

　　


｢・・・・かなり昔のだろ？｣


｢・・・(『釜山港』よか新しいとは思うけど・・・)｣


結局、パンダが日本にいた頃好きだった『さくら』を一緒に歌っといたよ。

チョーヨンピルでも、パンダ母にはウケたと思うんだけど・・・

でも、日本の実家のみんなとカラオケ行って、

パンダが北島三郎歌うようなもんか・・・

じゃ、やっぱり止めて正解だったか。


自分が１曲歌ったら、もうでかい音量も耳障りじゃなくなったわ。

あはは。なぜ～？


でも、わたしゃ内心どきどきだったのよね。

なんでかっていうと、

実は年末・・・


忘年会と思われるカラオケ大会があったのよ。

この店で。

で、このボリュームでしょう？

夜９時回ってたのよね。

１０時過ぎても、ガンガンやってるし、

ちょうど、夫婦喧嘩の後、ふて寝した奥さんが起きてしまうくらいだったのよ。

当然、噴火よねえ・・・


｢んぎゃ～～～うるさいっ！！！今何時だと思ってんのよっ？！！

　警察！

　警察呼ばんかいっ！！！｣


と、パンダに当たり散らし、また布団かぶってたの。

そしたら、隣の部屋でパンダのぼそぼそ言う声が・・・


｢あ～、警察署ですか？こちら、○○洞○○通りの住人なんですけど、

　向かいのカラオケがめちゃくちゃうるさくて眠れません。

　どうにかしてください。｣


ガチャッ


ひぃぃぃぃぃぃ～～～～～！！！

ほんとに、警察呼んでくれちゃったよ・・・

いいの？

いいの？

こんなんでも呼んでいいの？


耳をすませて待つこと３分。

バタン！

(え？サイレンは無いんだ・・・)


｢＠＃＄％＊▼□凸凹〒＆％＄！！！！｣


そして、大音量も歌声も嘘のようにピタ～～～～～っと止まったのよ。

おお～、これぞお上の力よのぅ～

と、面白かったんだけど。。。



けど、今度はいつパンダ一家が通報されるかと、

小心者のわたしは気が気じゃなかったわ。


幸い、２時間の間、警察も店の人も乗り込んでくることはなかった。


子パンダは、一度だけ１００点を出して、お義姉さんから


｢はい～！１万ウォンちょうだい～～～♪｣


とおねだりされてしまったわ。

韓国じゃ、１００点出したら、みんなに１万ウォン(１２００円)ずつあげないといけないのよね。

でも、お年玉ですっからかんのパンダ夫婦。

目合わさないようにして、選曲に夢中になったふり。

顔上げたら、逆に子パンダがお義姉さんから１万ウォンもらってた

でかした！子パンダ！



　　　　




こうして、ソル後夜祭も終わり、

今年の正月は無事過ぎた。




この調子で１年健康で明るく過ごせたらいいな。