|
カテゴリ:うれし楽し
『ヒカルの碁』という漫画が人気だと、何年も前に聞いたことがある。
色んな漫画があるけど、碁ってのも珍しいよな~。 日本で碁やってる人、身近にはほとんどいなかったわ。 サザエ姉のお舅さんが囲碁がお好きで、でも対戦相手がなかなかいないので 1年のうち、何回かしか打たないのだそう。 パンダも囲碁が大好きで、パソコンで毎晩パチンパチン対局している。 TVも囲碁チャンネル 全く地味なのに飽きないのかね~?? まあ、エロいサイトやTVよかいいけどさ。。。 そんでもって、春から子パンダにも習わせてるのよ。 「囲碁が出来るようになったら、 日本でも中国でも台湾でも楽しめるから。」 というのが理由らしいが、週に一度の囲碁教室、女の子は子パンダのみ。 毎回毎回 「お母さん、もう囲碁辞めますって、先生に言ってよ~」 と泣きついてくる。 難しいんだって。 そりゃそうよね、わたしがやろうと思ってもちんぷんかんぷんだもの。 どうしたもんかなあ・・・と思っていたところに 「市の囲碁大会がありますので、参加してください。」 いや~、うちの子はまともに打てるわけじゃないし、無理無理。 「小さい子は小さい子だけでやりますから。 うまい下手ないですから、子パンダもぜひ」 そうなの、教室の先生はすごくいい感じの先生なんだよね。 同じ教室の男の子2人も出ると聞いて、子パンダも出てみる気になったらしい。 そのうちの一人、ミンジュンはパソコンで毎日対戦するくらい囲碁が好きなんだそう。 ミンジュンのお母さんは以前パン教室で一緒だったし、気さくでいい人なんだけど、 でも、普通の会話にも息子自慢がちりばめられるので、ちょっと、ちょっとなのよね。 もう一人はボムジュン。 ちょっと気弱そうな優しそうな可愛い男の子。 教室からはミンジュン、ボムジュン、子パンダの3人が参加した。 となり町の大学の体育館で、ずらっと机の上に碁盤と碁石が並んでいる。 一番前のステージには、これまたずらっと賞品や参加賞が並んでいた。 わたしは1回戦で負けたらとっとと帰って、 なんか美味しいもんでも食べようと思っていたのだけど、 なんと、勝っても負けても一人5試合あるという。 1回戦勝った人同士また2回戦。負けた人は負けた人同士対局。 次は2勝の人同士3回戦・・・ スイス式トーナメントと呼ばれてるらしいよ。 ヨ~ロレイホ~~~♪ え~?5試合??? 子パンダ一局最後までやったことすら無いんじゃないかな・・・??? 大丈夫なの??? と、わたしはすごく心配になってしまったのだが、 当の本人はボムジュンと練習を始めてる。 もう一つの碁盤では、ミンジュンとどっかの知らない子が打ってる。 それがさ、そのどっかの知らない子、ホヒョン君。 ホヒョン君はどうやらお父さんに囲碁を習ってるようで、お父さんが横付けで ああでもない、こうでもない、どこに打て、そこに打て、 とず~~~~っとコーチしている。 教室っ子3人はあっけにとられている。 お父さんコーチは教室っ子3人にもあれこれ説明を始めて、 なんだ、そんなことも知らんのか、ふんっ=3 みたいな雰囲気が漂っている。 一言で言えば、感じの悪い親父だ。 親父がそんなんだから、ホヒョン君まで教室っ子たちをバカにしたような目で見ている。 悔しいけれど、囲碁の実力はホヒョン君の方が上だから、 思い上がってしまうもんなんだろう、子供だし・・・ 試合が始まり、進行や審判、囲碁協会会員以外は全員2階で観戦。 2階の柵から、子パンダの試合を見ていた。 最後まで打てるのかなあ?? 子パンダがパンダ以外の人と対局するのを見るのは初めてだ。 よくはわからんけど、相手が打ったら子パンダも打ってるので 一応試合にはなってるんだろうか・・・ 第一試合が終わった。 進行係のお兄さんが勝った子に手を上げさせている。 あらら、子パンダの手は上がらない。 おや・・・? ホヒョン君の手も上がってないぞ??? わたしの横で、お父さんコーチが歯軋りしているのが見える。 こぶしも握り締めている。 ぎゃ~、怖いよ~~~。 子パンダ、ドンマイ。 5戦5敗でもお母さんはほめてあげるよ~。 そして、第二戦目。 1回戦負けた子同士の対局で、子パンダはホヒョン君とあたってしまった。 あらら~~~・・・ 2階席から見てもわかるくらい子パンダの黒い石が少ない。 かわいそうなことをしてしまったのか、あたし・・・??? ちょっと見てるのもしんどくなってきたので、ミンジョンのお母さんたちと お茶飲みながらおしゃべりして気を紛らわせていた。 ふと下をのぞくと審判のお兄さんが石を数えている。 ひょっとして接戦だったのか??!! そしてなんと、子パンダが手を上げている。 うわ~~~~~勝ったんだ~~~~~~!!! ってことは・・・と横を見ると、お父さんコーチのこめかみに ←こんなのが浮かび上がっている。 わなわなと震えるというのは、こういうのを言うんだなあ・・・ あら・・・? コーチ・・・どちらへ・・・? 父兄は会場立ち入り禁止なんですけど・・・ うわ~。お父さんコーチったら、ホヒョン君を連れ出して 帰ってしまった。 すげ~~~~~ え?なんで? 負けたから? でもあと3試合も残ってるんだよ?? 負けた子供がかわいそうだから??? とわたしは全く理解不能だったんだけど、さすが韓国オンマたちは違うね。 わかるんだ、その心情が。 「お父さんさ、もしも3敗したらもう自分が抑えられなくなるから、 その前に帰っちゃったんだよ。きっと。」 そんなもんなんですか??? でも、パンダも言ってた。 「5敗もしたら子パンダがかわいそうだから、 1,2試合だけやって帰っておいで。」 いいじゃないの。試合なんだから、必ず誰かが勝てば、負ける人だっているんだよ。 こんなんでいちいち傷ついてたらこの国でやっていけないわよ。 それに、全敗だからかわいそうなんじゃなくて、 かわいそうって思ってしまうのがかわいそうなの!!! 負けるのが嫌なら、また練習すりゃいいの!!! と、わたしなんかは思うんだけど。。。 とは言え、3試合目で子パンダはちょっと小賢しい男の子と対戦し、 ちょっと考えていると、すぐに早く打て、ここに打てとせかされて、 何も考えずに打っては、がばっと食われていた。 上から見てても気の毒だった。 そんでもって最後の最後に大泣き。 ボムジュンのお母さんが 「わ~、子パンダとやった子、さっきうちの子ともあたったのよ。 あーだこーだってうるさい上に、反則してたし、 挙句の果てに頭まで叩かれたのよ 子パンダは女の子だし我慢できなかったんだと思うよ~。」 あ~あ~。 幸いこの後すぐに昼食だったので、外に連れ出せたけど、 子パンダは長い間泣いていて、ご飯を食べた後も 「もう家に帰る」 とグズグズだった。 けど、お昼休みに外で走り回って気分も良くなったのか、 「あともう2つだけだから、最後までやってみようよ。」 と言うと、気乗りしてない様子ではあったが、会場に戻っていった。 4試合目にもなると、もうどうでもいいやって感じで適当に打つ子パンダ。 それは相手も同じこと。 そりゃそうよね、幼稚園児だもんね。 お?子パンダの手が上がってない。 3敗目か~。 しょうがないよね、勝てるような練習してないもんね。 さ、最後あと1試合だけだよ。がんばれ~~~ すると・・・ すると・・・ どうしたことでしょう。 子パンダの前には誰も座っていないわ。 あら、審判のお兄さんが子パンダの対戦表シールに何か書き込んだわ。 不戦勝 そして、2勝3敗となった子パンダは、まともに戦って2勝3敗だったミンジョンと共に 銅メダルをいただいた。 え?三位? と思ったらそうではなくて、リーグ戦だからか、 銅メダルが8人くらいいて、銀メダルも6人くらいいた。 金メダルは、あの小憎たらしい男の子だった。 ボムジュンは5戦全敗だった。 でも、えらかったね。最後まで。 子パンダはメダルが嬉しくて、すぐに首からかけていた。 「ボムジュン元気ないから、 メダルは見えないようにしたほうがいいよ。」 と言うと、ジャンバーの中に隠していた。 最後の最後に玄関のところで、教室の先生にばったりお会いした。 先生がボムジュンに 「ボムジュンもまた1年一生懸命練習したら、来年メダル取れるからな。」 と声をかけた途端、こらえていたボムジュンがぽろぽろと涙をこぼした。 帰り道、子パンダが 「メダル取れたから気分いいわ~♪」 と浮かれてるので、意地悪かなとは思ったけど 「でもさ、子パンダは運も良かったんだよ。 ボムジュンの気持ちもちゃんと考えてあげなさいよ。」 とちくっと言っといた。 浮かれ子パンダは 「子パンダ来年も囲碁大会に出る~」 「え?じゃ、囲碁教室続ける??」 「ううん、教室は辞めたい。」 「でも大会には出たいの??」 「うん。」 「練習もしないのに大会出たって負けるだけだよ。 そんなんなら教室も大会も辞めたほうがいいよ。 大会出たいのなら、教室も続けたほうがいいし。 どうする?教室辞める?大会出ない??」 「教室続ける。。。」 「そう?じゃ、がんばろうね。 今日はえらかったね。最後までがんばったからいいこともあったんだよね。」 ふぅ~ こんなアメとムチがいつまで続くんだろうか。 親って勝手よね お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|