北里研究所病院のHPが更新されています。
北里研究所病院のHPが更新されています。- - - - - - - - - - - - - -アレルギー科・臨床環境医学センター(化学物質過敏症外来) 外来運営の変更の経緯について 平成11年5月の北里研究所病院新棟の開設にともない、2階外来スペースの一角に、クリーンルームを備えた化学物質過敏症外来をオープンしました。「化学物質過敏症」「シックハウス症候群」という疾患は、今でこそよく知られるようになりましたが、開院当時には一般の人々にはもちろん、医療関係者のあいだでも、この病態が医学的な診断や治療の対象となることを知る人はほとんどいないと言ってもよい状況でありました。 中規模の急性期一般病院として、一般への認知が十分になされていない新たな疾患を取り扱うことは、特殊な設備や医療機器のための費用、人材の配置、教育などへの負担とともに大きな冒険でありましたが、私たちは、創始者北里柴三郎が、終世重んじていた「北里精神(開拓・報恩・叡智と実践・不撓不屈)」を継承する施設として、その開拓(フロンティア)の精神に基づき、この未知の領域の診療を開始するに至りました。 開設後、当外来における診療実績が重ねられた結果、メディアそして厚生労働省を含む広い範囲でこの病態が認知されるようになりました。そして、一部ながら健康保険の適応にもなり、それに従ってクリーンルームを有する同種の診療形態をもつ施設が、首都圏内でも数か所開設される状況になっています。特に国家的援助のある国立病院にこのような施設が設置されたことは、まことに喜ばしいことであったと考えます。 そこで、開設後10年の歳月を経た現在、クリーンルームを使用する診療形態については、当院は一定の使命を果たし終えたと私たちは認識いたしました。診療形態は変更されますが、院内の別の部屋において診療は継続されます。このたびの診療形態の変更は、環境医学関連の疾患が、特殊な設備を持つ限られた施設のみが診療できる特殊な疾患ではなく、通常の環境でも診療を行なうことのできる、広い概念にたつものとして受け止められるための一歩であると捉え、このことがフロンティアとしての私たちの新たな挑戦と考えました。また、従来使用されていた外来スペースなどにおいては、新たな形態のがん診療や新規治療法を開拓する治験・臨床試験など、国家として、あるいは昨年発足の新たな学校法人全体として推進されている事業等を行なうことになっており、合わせて当院の社会的使命を全うする方策であると判断いたしました。 当院をご利用の皆様方には、この変更によるご不便が最小限になるよう、他の施設との連携など、十分な対応・措置をとるべく努力いたします。どうかご理解とご協力をお願い申し上げます。アレルギー科・臨床環境医学センター(化学物質過敏症外来) 外来運営に関するお知らせ 化学物質過敏症外来は、平成11年の開設時よりクリーンルームにおいて外来診療を行なって参りましたが、今後の化学物質過敏症外来の診療は、当院3階にある一般診察室(通常の診察室に空気清浄機を設置)で行なうこととなりました。 現在のクリーンルームでの診療は平成21年2月20日(金)で終了となります。3階一般診察室での診療は、平成21年3月2日(月)より開始いたします。診察室院内移転の準備のため、2月第4週(23日(月)~27日(金))は休診とさせていただきます。予約方法に関しましては、外来予定表のページをご覧ください。アレルギー科・臨床環境医学センター(化学物質過敏症外来) 診療紹介1.対象疾患シックハウス症候群をはじめとする環境起因性疾患2.特徴環境に対する健康障害にお悩みの患者様の診療・研究を行い、診断・治療を目的としております。(1)診療について詳細な問診や神経学的眼科検査(中枢神経・自律神経機能評価)、採血などでの総合的な身体評価にて診断をしております。シックハウス症候群が疑われる場合には、事前に室内空気環境測定(ホルムアルデヒド・VOC(トルエン、キシレンなどの揮発性有機化合物)など)をして、受診日に結果をお持ちいただくようご協力をお願いいたします。室内空気環境測定につきましては、お近くの保健所などにお問い合わせ下さい。また、近年問い合わせが多い電磁波に対する過敏症状については、電磁波負荷検査および確定診断をしておりませんのでご注意下さい。(2)神経学的眼科検査について滑動性眼球追従運動検査(眼球電位図):中枢神経機能評価測定専用のゴーグルをつけてパソコン画面上の動く目標物を追従する検査です。シックハウス症候群や化学物質過敏症では、衝動性運動の成分である階段状波形が高頻度に検出されることがわかっています。瞳孔対光反応検査(電子瞳孔計):自律神経機能評価暗室で安静後、測定専用のゴーグルをつけて数秒眼に弱い光を当てた時の瞳孔の縮み具合や戻り具合を測定する検査です。この検査を行うことで交感神経と副交感神経の機能バランスを評価します。シックハウス症候群や化学物質過敏症では、自律神経系に異常を認める傾向にあることがわかっています。当外来では、以下の項目につきましては検査しておりませんのでご注意下さい。 ・症状悪化の原因となる化学物質の特定や体内の残留化学物質の測定 ・種々の化学物質のアレルギー検査や薬剤のアレルギー検査 ・歯科治療における金属や麻酔薬、抗生剤などのアレルギー検査(3)治療方針について治療は生活環境改善のための指導や栄養指導、運動指導が主となります。医師が必要であると判断した場合には、マルチビタミン剤、ミネラル類、解毒剤等の点滴療法や酸素療法を行うこともあります。点滴療法や酸素療法は自費となります。(4)診察室について診察室は、活性炭カートリッジ使用の空気清浄機を設置してあります。個人で不快と感じる臭いに差がございますので、患者様は診察室の空気清浄度維持のために可能な限り、におい対策(化粧品、香水、整髪剤、喫煙などを控える)にご協力下さい。(5)診察費用について初診は、健康保険適応となります。診察と検査費用は、3割負担の方で合計6,000~7,000円程度(神経学的検査料込み)になります。再診(2回目以降)につきましては、傷病名や治療内容により診察費用が異なりますので、受診時に医師へご確認下さい。点滴や酸素療法は自費なりますのでご注意下さい。http://www.kitasato-u.ac.jp/hokken-hp/consultation/guide/diagnosis/allergy/index.html