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ぱにちゃんのゆやたまご

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Comments

らーむう@ Re:せくしぃはんがあ(12/20) これ、ほんとに「セクシー」を狙っている…
ぱにぽに・ゆやたま@ ミッフィーママさんへ >てっきり、ボンキュッボーンなトルソー…
ぱにぽに・ゆやたま@ カラクリさんへ >脚の何処にグッと来るかが問題だ~(∩∇`…
ぱにぽに・ゆやたま@ るーりんごさんへ >よく気づきましたね~! でしょ、で…
2008.07.30
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カテゴリ:カテゴリ未分類
みなさま、ごぶさたしております。

夏休みに入り、リスザルの、塾に、部活(事情があって理科部に代わりました)に、剣道の道場通いにと忙しい毎日に、すっかり振り回されております。

十日あまりほったらかしなので、何か更新せねばと、かつて応募して落選した駄作を掲載します(苦肉の策)。

読み流してやって下さいませ。
「生きてまっせ」のお知らせ代わりです。

「他人のそら似」

 高井くんと上橋くんは、「他人のそら似」の見本だ。

長丸い顔に、細いタレ目とメガネ。

柔道一直線な体型を学ランに包んだら、担任教師から親友までもが、一度は間違う。

 ある日、英語の教師が二人に言った。

「おまえら、実は双子でしたとかいうんじゃないだろうな」

高井くんと上橋くんは、顔を見合わせる。

お互い、見えないキズに触られた瞬間の顔で。

 「あ、いや、実はちょっと」と高井くん。

「内緒にしてたんですけど、事情があるっつーか」と上橋くん。

「そ、そうか、いや、すまん」

教師は、詫びの言葉とともに、慌てて片手を上げた。

 すたこらと廊下を去ってゆく教師の後ろ姿を見ながら、ふたりはにんまりと顔を見合わせる。

「センセー騙すなよ、悪いヤツ」

「すぐ嘘だってわかるって」

肘で突き合いながら、ふたりの笑い声がリンクした。

 放課後。

 校長室では、緊急に招集された研究機関の職員が、教師達と額を突き合わせていた。

「これはヒジョーにマズイです」と、研究機関の職員。

「彼らはいつ、事情を知ったのでしょうか」

「私たちも彼らのご両親も、機密に関する内容は一切表に出ないよう、それは厳重な管理を、はぁ」

校長が、額の汗をハンカチで拭う。

「記憶の処理に何か不手際でも……」

「問題はない!」

研究機関の職員は、気色ばんだ。

 上橋くんは、十歳の時、列車事故に遭っていた。

折り重なる遺体や電車の残骸の中、彼は右手をもぎとられた状態で救出されたが、その右手は、発見されなかった。

 その翌日、同じ場所から、なんと、上橋くんを等身大コピーしたような少年が救出されたのだ。

もちろん、彼に一卵性双生児の兄弟などいない。

 同じ頃、上橋くんには見事な右手が生えていた。

 彼らは体の隅々まで研究された。

そうして、もう一人の上橋くんは記憶を操作され、同じ事故で子どもを亡くした、高井さん夫妻に引き取られたのだ。

 「プラナリアの再生能力を持つ少年、ですか」

「まさか、同じ高校に来るとは思いませんでしたが」

「もとは同じ人間だったわけですからな」

その時、職員室の電話が激しく鳴った。

 受話器の向こうから、ノイズ混じりの緊迫した声が告げる。
「こちら警察ですが、そちらの生徒とおぼしき少年が、爆発事故で重傷を……あ、名前は高井……えぇ、左手の指を三本吹き飛ばされまして、病院へ搬送ちゅ……あの、もしもし?」

〈了〉

弟の高校時代の友達関係からヒントを得たのですが、あまりにも説明的な文章になっちゃいましたね。

字数制限もさることながら、難しいです。





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Last updated  2008.07.31 10:19:39
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