今日の1冊は吉原昌宏「ライカの帰還/完全版」、元朝日新聞社のカメラマン船山克氏がモデルのコミック、数週間前、朝日新聞の書評欄で見てタイトルがずっと気になっていて、書店で見かけたのでつい買ってしまいました。
作者の「吉原昌宏」も知らなかったし、あまり期待はしていませんでしが、読み始めると、これがハッキリ言って面白い!!
今まで読んだ、カメラマン物(どんなものを読んだのか記憶にありませんが)の中でベスト1、と言うより、一人の青年の戦後史として楽しめました。
独創的なアイデアで主人公「楠勝平」はシャッターチャンスを求め、傑作を次々にモノにして行きます。印象的だったのが、第二話「空中写真」で復興し始めた東京を空撮するために埼玉県川口市にあった高さ312メートルの放送塔(放送塔とは名ばかりのただの鉄のハシゴです)のてっぺん立った時に呟いた言葉です。
「これが俺の手に入れたシャッターチャンスだ!」「この光景は…今…俺のためにだけある!!」
カメラマンになるって、これぐらいの覚悟や自負がいるんですね…。