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「爺が免許の更新できなかったんだよ。」
母からそんな電話をもらった。 聞けば視力がたりなかったというのだが・・・・ 「もう車に乗るなってことなのかと思ったわ。」 母は数年前に父の運転する車にのり事故をおこしあやうく寝たきりになるところだった。 それ以来父の運転する車にはのらなくなった。 父今年で76歳。 昔は大工をしていた。それと農業。 大工は50歳をすぎてやめ、それからは農業と家で新しく仕事を始めた。 もともと人づきあいも得意なほうではない。 そして酒癖が悪い。 どう考えてもサラリーマンは無理。 なので自分でこつこつ出来る仕事をやっていたわけである。 好きなことは酒、たばこ。 最近は母がケガをしてから農業も減らし、収入も減り少ない国民年金と母の年金で生活をしている。 過疎に住んでいるために車なしの生活は考えられない。 一応バスは通っているが本数は少ない。 そこで車に乗れなくなるってことは・・・・ 農業もできないってことかぁ。 となると家にいる。 そして酒、たばこ・・・・ そして・・・・ 酒、たばこ・・・ 趣味もない。 それしかないのか?! 身体が弱るばかりではないか!! 「本人の反応はどうなの?」と聞くと 「しょんぼりしてるよ。」と母。 私も高齢者の運転はいただけないとは思っていたさ。 でも、車がなくなることによってかなり生活かわってしまう。 ハッキリ言って生き甲斐もないわけだ。 農業はけっして儲かっているとは思えないがジムに通って身体を鍛えているのと同じだと私は思っている。 いつか、そんな日がやってくるとは思っていたが。。。。 そこから何か他の楽しみを見いだしてくれればいいのだが。 その時、母が言った。 「春から勤めに出るって登録をしに行ってたのに・・・」 勤めにでる~っ?! 父はシルバー人材派遣に登録をして、すでに何回か話しを聞きにいっているというのだ。 76歳で就職?! 若いときに勤まらなかったのに今さら勤まるのか?! ま、でも車の運転ができないとなるとその話しももうなしだね。 かわいそうだけど。 76歳なんてご隠居生活するときだよな・・・ 自分が本当は養わなければいかんのだろうが、あちらもこちらも同居には賛成ではない。 2人の力でがんばれるだけがんばってくれ! それが本音。 でもそれが崩れるときがきたか・・・・ しかし父の目が気になる。 糖尿病から目がみえなくなっている? 目の病気なのか? 警察は病院に行ってこいと言ったらしい。 うちの母親もいいかげんなところがあるし、どうもハッキリ話しが見えない。 父はその時、家にいなかったので本人とは話せなかった。 悶々としていても仕方ない。 と言うことで警察に連絡してみた。 高齢者は地元の警察署で運転免許の更新が出来るのだという事実にも驚いた。 しかし電話で聞いてこたえてくれるだろうか・・・ そして私は父の視力の異常さをたずねてみた。 「えっと~。今日は数名視力がたりなかった方々がおられましたね。」 「はい、そのうちのひとりですが、まったくたりなかったということでしょうか?」 「いえ・・・そういう方はおられません。たしか○○さんは少したりなかったんですよ。」 ってことは・・・・ 「では眼鏡で矯正すれば問題ないってことなんですね?」 「ええ。それで病院で調べてもらってくださいって伝えたんです。」 やられた・・・・ 母に。 本当に驚かせやがって・・・ でもよかった。 そして実家にもう一度電話して心配せぬように母につたえた。 父も側にいるということで話した。 「眼鏡つくったら見えるだろうから心配しなさんな!」 そう私が言うと 「0.1たりなかったんだよ~。こんど行ったら見えるような気がするから、またいってみるよ。」 「眼鏡、つくりなさいっ!!」 思わず怒鳴ってしまった。 父は少し視力が足りないことがわかっていたらしい。 母には視力でだめだったと伝えたところ、盲目の人にさせられるところだった。 楽天家の父と悪い方に考える母。 おめーら!ちゃんと会話しやがれっ!! しかし76歳で就職かぁ・・・ そう思うと私なんてまだまだいけそうな気がしてくる。 あんな年寄りがねぇ・・・ 家で酒を飲んでゴロゴロするくらいなら、そうやって本人のしたいようにさせるほうがいいであろう・・・ 何よりも本人が働こうとすることに驚いた。 しかし・・・父、気がつくのが遅いよ・・・・ こんなふざけた親から生まれた私。 自分、心配性のなまけもの。 DNAはうらぎらない。 妙に納得してしまう出来事であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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