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テーマ:癌(3518)
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2日前、床ずれのできた父に防止用のマットを設置してもらった。
「寝心地はどう~?」と聞くと 「おう、いいよ。」と答える父。 これで床ずれがひどくならなければ良いが・・・ 私はその日、買い物をしてきて父の好物ののり巻きを買ってきていた。 「ご飯、食べた?」 「いや、まだ・・・」 認知症の父には聞いても無駄だ!Σ( ̄□ ̄汗…) 「本当に食べてないんだよ。」と母。 え?!もう3時ですよ・・・ 母はきっと、他人が家に来るってことで掃除して雪かきまでして・・・ ご飯を父にあげてなかったのだろう・・・ 朝ご飯も遅かったらしいが。 お客さんがきたので食べそびれたのか・・・ 父に食べさせていると、なんだか父の様子がおかしい。 はしをもつ右手が小刻みに震えだした。 「寒いならふとんに入ろうか?」 布団にはいるが一向におさまる気配なし。 これはおかしい・・・ 往診の先生に電話した。 運悪く、その日は往診の休みの日。 「診てはいただけないでしょうか?」 「うちはお休みだしねぇ・・・検査とかできないので救急車よんでもらえないかな。」 救急車・・・ 仕方ない。 「せんせいは来てくれるのか?」と父。 ガタガタ震えている。 「お休みだから救急車だね。」 父がそんなことを言うのはめずらしい。 よほどつらかったのだと思う。 初めて救急車を呼ぶ。 息子が大型電器店で発作をおこして倒れたときには店の人がいつの間にか呼んでたもんな。 「どうされました?」 「えっと・・・77歳の私の父ですが、ご飯を食べたあとからガタガタ震えだしまして・・」 とは言ったものの、今までの病気の経緯も言わなければならんか? どこから話せばいいやら・・・ あせってはいないのだが、どう言うべきなのか悩んだ。 「病気をもっていて○○病院にかかっていたのですが△△医院に往診をしてもらうように 最近手続きしたんですけど・・・」 「△△病院には連絡しましたか?」 「はい・・・救急車を呼んでくださいってことでした。」 なんとかむかってくれることになった。 「もしかして雪・・・ありますか?」 「はい。けっこう積もってます。」 もしやタイヤ交換から?!(≧∇≦) 電話を切って父の方をみると・・・ あれ?!震え、おさまってる? 少し良くなったようだ。 やばい! いや、おさまるのはいいが・・・ あとで何で呼んだの?! なんて責められたりしないか? うっわ~ また大きく震えだした。 その間、母に入院の準備をするように促した。 母はおろおろするばかり。 なんでか自分の着替えを用意している。 「爺ちゃんのものを準備して!!」 母は自分も寝泊まりするつもりでいたのだと思うが・・・ 前回の入院では帰りたがる父の見張り番だった。 今回も入院となれば父は帰るというだろう。 なんだか頭が痛い。 でも、実家は寒すぎる。 病人には過酷である。 救急車、おっそ~ 本当にこういう時は時間が長く感じられる。 サイレンの音がした! あれ、とまった・・・?! でも外にはきてない。 どっかで道をきいているのかもしれない。 きたきた!! 「患者さんの意識はありますかっ!!」 「あります。」 「何か大きい病気はしてますか?」 「えっと、肺ガンです。それと糖尿病です。」 「ご飯は食べられましたかっ?」 「あ~、食べおわると同時に具合がわるくなったんです。」 「では低血糖ではありませんねぇ・・・」 「熱は?」 体温計のない家だと言えなかった・・・ 「計ってません・・・」 「じゃ、いいですよ、計りますから。」 37度代・・・ 熱があがっているようだった。 悪寒か・・・・ 病院について先生から説明をうける。 肺からくる熱だろうとのこと。 「今後、どうされますか?」と先生。 いつもの担当医師ではない。 「このまま薬で熱を下げることが出来ます。でも、また上がって同じようなことがあるでしょう。 その度に救急車で来ていただいてもかまいません。」 うんうん・・・ 「でも、なんども入ったり出たり・・・そういうのが大変だと思うなら入院もありです。」 うんうん・・・ 「でもこの方、熱が下がったら帰りそうな感じですねぇ・・」 すでに点滴しはじめたら元気になってベッドから降りようとしている。 まぁね・・・ 前の時もそうだった。 そこにじっとしてくれないだろうな。 悩むところ・・・ 「ここは暖かいなぁ・・・」と父。 「そうだね。爺ちゃん、暖かくていいやろ? ちょっと入院しようか?熱が下がるまで。」 「うん。。。しばらく泊まろうかなぁ・・・」 え?!まじで?! よほど実家が寒くてつらかったのだろう。 このところ、おしっこもあまり行かなくなって完全おむつだもんね。 この際、介護疲れの母を解放してやらないと・・・ 「病院にお断りされるまでおいていただいてよろしいでしょうか?」 先生、苦笑。 「じゃ、そういうことでいいですか。」 「おねがいします。」 今日で2日目。 ご飯もひとりで食べられる。 暴れるわけでもない。 なんともおとなしい。 ただひとつ心配なのは認知症がすすむこと。 歩かなくなれば、そうなる。 でも、実家の寒い中で母も大変なのがわかる。 私としては父に病院にいてもらう方が近くてたすかるのだが・・・ これも身勝手だと思う。 母の付き添いもいらない。 「ひとりで寂しくない?」 「そんなことはない。おまえたち、気をつけて帰れや・・・」 まだ、私たちの心配をしてくれるのか?! そして母が帰ったあとで私に言った。 「婆は寒いところでかわいそうだなぁ・・・」と。 母は父のことで余裕もなかった。むしろ、今、喜んでいると思うが・・・ 「婆ちゃんは、自分ひとりだったら何とでもなるから気にしなくて良いよ。」と私。 どことなく寂しそうな父。 その点、母は自分の時間ができたとばかりに出掛けている。 それもいいとする。 母にはこれから、ひとりの生活をしてもらってひとりの寂しさや、父のありがたみを 感じてもらいたいのだ。 なんでも自分だけでやってきたと思ってもらいたくはない。 「明日、婆、くるやろう・・・」と父。 「来なくても、私が朝晩来るから・・・安心して。 婆ちゃんも、来られない日もあるかもね。」 「そうだな。。。そんなこともあるかもなぁ。」 このところ、父の会話は本当にまともである。 今度は脳の検査がある。 転移していたとしても不思議ではない。 まともなことを言う父。 それって本人はつらくないか・・・ 分からなくなっている方が本人には幸せなのでは?! できるだけ父と話したいと思う。 忘れていることも多いけど。 母が孤独に耐えられるか・・・ その様子で今後、父亡き後の生活が決まってくるであろう。 どうなることやら・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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