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テーマ:たわごと(26793)
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父、熱がでて入院して今日で4日目。
肺ガンの父。熱はそこが原因だろうと言われた。 毎日、朝ご飯、昼ご飯、夕飯の時に顔を出していた私。 バイトの日は朝と晩だけ。 薬の管理を自分でできないので、それを飲ませたくて行っていた。 「暖かくていいでしょ?」と私が聞くと 「そうだなぁ・・・」 しばらくすると 「もうそろそろ退院やと思うが・・・」と父。 でたっ!!とうとうきたか・・・ 木曜日の夕方に入院した。 母は金曜、土曜の朝にだけ顔をだした。 ったく・・・ そして今日、朝に顔を出したときにもいなかった。 それでも、来て病院内にいるのかなぁ・・・そういう気もした。 「婆ちゃん、来た?」と父に聞く。 「来てない・・・ような・・・」 認知症の父の答えだからなんとも言えない。 「ここはどこの寮かなぁ・・・」と父。 「ここは病院よ!」 「病気でもないのに、ここにおる資格がない・・・・」と父。 立派な病気ですから!!!Σ( ̄□ ̄汗…) あ~、忘れるってすばらしい! 「今日辺り退院だと思う・・・」 「あら~、木曜日に検査するって言ってたよ。」 「え~?!」 なんでかなと首をかしげる父。 脳に癌が転移してるかしらべるんだって・・・ 朝ご飯を食べ終わって薬をのませてバイトにむかった私。 そしてバイト中に電話が入った。 主治医からだった。 「あ、お父さんのことですが・・・ ご飯もよく食べられることだし、家にも帰りたそうなので退院されたらどうでしょう?」 「・・・・」言葉が出ない私。 実家は冬場は寒いし、雪も降る。 出来れば暖かい病院で過ごさせたいと思っていた。 食事も栄養を考えてあるし・・・・ 母だとそうはいかない。 私が乗り気でないのが分かったようで医師はすかさず付け足した。 「実はお父さん、何度も部屋からぬけだして徘徊されてるんです。」 え?!そうなん?! 「この前は1階にいたそうです。看護師が探したんですよ・・・そういうことが 何度もあったらしいのです。」 そうか・・・ 静かにしていると思っていた。 私がなだめると、いつも納得したような顔をしていたのに・・・ 帰りたかったか・・・・ 「分かりました。申し訳ありませんでした。明日にでも退院させていただきます。」 またいつ熱がでるかもしれない父を連れてかえるのか・・・ 夕方、バイトが終わって父の顔を見にいく。 「おう!明日、退院らしい。」 それはあっている・・・ そのあと看護師さんが来られた。 「聞かれましたか?退院のこと・・・」 「はい。先生から、お電話いただきました。」 「実はお父さん、家に帰りたかったようで夜中に外に出て行かれたんです。」 うそっ! 「私たちもあせって探して、みつからなくて捜索願いをだそうかと思ったくらいでした。」 「すみません・・・」 「でね、お父さん、バス停で座っておられたみたいです。」 相当迷惑だったみたいだ。 驚いたのは、そんなにしてまで帰りたかったのかということだ。 私にはそこまで言わなかった。 いつも聞き分けが良かった。 でも本当は帰りたかったんだね・・・ 父が突然口を開いた。 「婆はこの世にいないんだろう・・・?」 「いるよっ!!家にいるよ、多分!」 「婆がいなくなって、わしはここに預けられたんだろ・・・?」 ちがうって~~っ!!Σ( ̄□ ̄汗…) 今日一日、母がこなかっただけで母が死んでしまったと思い、ずっとどうしようかと思っていたらしい。 否定すると安心したような顔をして言った。 「よかった・・・生きてるのか・・・ これで安心して寝られる。」 父はずっと心配していたらしい。 母のこなかった一日、父には一週間くらいに思えたのかもしれない。 ウトウト寝て、目が覚める度に一日が終わっているような気がしているのかも・・・ 時間がわからない。 心細かったようだ。 「あんなに怒りん坊の婆ちゃんがいいの?」 「うん。」 「あんなに寒いところに帰るの?」 「おうおう・・・帰る。婆、おるんやろ?」 私がどんなに父の心配をしていても、父には母の姿がみえないことが悲しいらしい。 母はそれほど、あなたのことを思ってはいないよ・・・ 思っていても父には言えない。 母は自分がかわいい人だ。 このところ、母は物忘れもはげしくて前にも増して自分のことでいっぱいになっている。 帰っても病院みたいな快適な暮らしはできないんだよ。。。 私ではだめなのだ。 そう思った瞬間、涙が頬を伝わった。 なんなんだ・・・ これって・・・ 私が父を想う気持ちは父にとってさほどでもないのか・・・ もう2人で出来るだけがんばってもらおうと思った。 私は無理なく私の生活をしようと思った。 私が行くと母は私に甘える。 それだけ愛されているんだもの。 最後くらい、しっかり父の面倒をみてもらおうじゃないの。 また父は私にメッセージをくれたのだろうか・・・ お前はお前の道を行きなさい 少し、冷静になれた。 長年つれそった夫婦だもの。 それでいいのかもしれない。 私は一歩はなれてながめることにする。 母よ・・・ あなたがこの話を聞いて、どれだけ心を動かしてくれるか期待してしまう。 でもいつも母には裏切られた。 今度こそ、頼むよ。 そう願わずにはいられない私だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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