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カテゴリ:気づき
父が退院して一週間がたつ。
父の母に対する愛情の深さを思い知った私。 子どもの私には身をゆだねることも甘えることもでいないらしい。 と言うなら・・・ もう母にがんばってもらうしかない。 ってことで母にはっぱをかけた。 「もう、婆ちゃん命!に思ってるんだから、あなたしかできないんだよ! 寒くて大変だけど、頼んだよ!」 その時の母は、仕方あるまいという顔ではあったがまんざらでもなさそうだった。 先週は2回、実家に顔をだした。 いつもなら暗~い顔をして、歩き方も父よりも病人な感じ。 「頭がいたい・・・腰が・・・お前も歳をとってみればわかる!」 なんてことばかり言っていた。 「来たのかい?」 そう言って私を出迎えた母。 おや?! なんか顔つきがちがう・・・?! 行ったらさっそく父のおむつ替えだった。 いつもなら・・・ 「手伝って!!腰が痛くて、ひとりでかえられない!」 なんてものすごい形相で言っていた。 それが、さっさっさ~と 取り替えてしまった。 まあ、父も多少腰があがるので楽ではあるが・・・ 意外にやるじゃん~ そして今度はなにやら手帳をみせだした。 「体温、はかってあるんだよ。」 おお~っ! 誰にもつけろなんて言われてないのにぃ? 朝昼晩と記録してあった。 父の熱は命取りになるもんな・・・ 少し見直した。 「爺ちゃんには婆ちゃんしかいないもんねぇ!」 ま~ね~とばかりに嬉しそうな母。 「1日見なかっただけで、婆ちゃんが死んだと思って悲しんでたらしいよ。」 「自分が明日は来なくて良いって言ったんだよ。」 ちょっと照れているような母。 家に帰りたいあまりに徘徊して気がついたらきっとバス停に座っていたのだと思う。 寒い夜中に薄着で・・・ 母も愛しく感じたのだろう。 私も母には介護なんて無理だと思っていた。 父にすれば完璧な介護なんて求めてはいなかった。 母が側にいてくれればよかったのだ。 話しをしなくても・・・ いると思うだけで安心できるようだ。 夜中にいつも父が寝ていてキョロキョロするらしい。 「ここにいるよ!」 そう言って母が声をかけると安心して眠りにつくという・・・ 母もまた自分が必要とされていることに気がついた。 仕方なしの介護から何かが変わった。 数日間、ひとりで過ごすことが寂しいと感じたのであろう。 どんなに寝たきりでも、いてくれればちがう。 父の5日間の入院は、本当に意味があったように思う。 私も少し、夫婦の中にはいりすぎていたのに気がついた。 娘だけど、時々行って父にベタベタしていたのは母にはおもしろくなかっただろう。 母は24時間、父から目が離せないのだから・・・ たまに来て少しだけ話しをして帰っていくのなら誰でもできると思ったのかもね。 今は母にまかせようと思う。 父の深い愛情で母も愛されている自信をもった。 しょうがなくいるのではなくて、父が自分を必要としてくれているとわかった。 母もまた、私と同様、愛されていなかったと思いこんでいた人だったのだ。 父の暖かい心が凍った心をとかしていく・・・ ありがとう。 こんな歳になるまでわからなかった。 もう12月。 この1年、いろいろあったなぁ・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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