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一昨日、母が退院してそのまま現在の家に来た。
姉夫婦が大まかな掃除をしてくれた。 そして必要なベッドや、母の着替えなんかを夫と姉で運んできてもらった。 先に10日間ほど生活していた父。 すっかりぼけてしまって、私にも他人行儀である。 ごはんをだせば 「いただきます。」 おわると 「ごちそうさまでした。」 頭をさげる。 なんだか、少しせつなかった。 母が来てからは少し嬉しそうだった。 少しずつ記憶もよみがえってきた?! そして昨日は父のケアマネージャーさんが我が家にやってきた。 父母は寝ていたので、隣の部屋でこっそり話しをしていた。 叔父の母への癌告知には呆れていた。 そして、今後の母の状態もいろいろ気にしてくれていた。 在宅で看るということは大変なんだなぁ・・・ まあ、いろいろ聞かされてはいたけどね。 父も癌で、あまり手がかからなかったので母も大丈夫か?! なんて甘く見ていたが・・・ 膵臓、肝臓の癌では痛みがやってくるだろうと言われた。 そうなったときに考える。 夫や子ども達がいるときには母はわりと穏やだ。 私とふたりになると・・・ 「あ~、もうどっちが先かわからんわ・・・」 などと言ったり、突然大声をだしたりする。 昨日は母からとってきて欲しいものがあると言われたのでひとりで行ってきた。 今まで帰っていた家だけど、何かがちがう。 誰も住んでいない家。 ああ・・・ 私が生まれた家だ。 私が育った家。 思いでの家だ。 何年も住まいをしていなかったけど帰れると思うから特別何も思っていなかった。 もう誰もいなくなるのだと思うと涙がこぼれた。 これで帰る家がなくなってしまう・・・ あんなに家に行くのが嫌だったのに。 なぜ私はこんなに胸がはりさけそうになるくらいつらいんだろう・・・ こうやって人は捨て去るときがくるんだな・・・ 私もいつかすべてを手放すときがくるのだ。 そして今日、ほとんど1日眠り続けている父が起きて言った。 「そろそろ、いっしょに帰るか・・・」と。 「爺ちゃん、無理だよ。婆ちゃんは爺ちゃんのお世話できないからね・・・」 「婆、おまえ、病院いってこい・・・」 早く治せと言いたいらしい。 父にすれば、自分は病気だという意識はないのだから・・・ 「孫もいるし、いいじゃない・・・」 頷く父。 「今、薬飲んで元気になるから・・・ そしたら一緒に帰ろうな。」 母が父に声をかける。 そんなやさしい言葉、母の口からでるなんて思わなかった。 母は目頭を押さえていた。 母は父が長くいられないと思っているのか・・・ それとも自分が先だと思っているのか・・・ どちらにしても、もう家には帰ることが出来ないと悟っている。 母も身体がしんどいのだ。 そんな母を見守るしかできない。 もしかしたら母が歩くこともできなくなる日は近いのかもしれない。 父は一年間、寝てすごした。 やっぱり母を待っていたようにしか思えないのである。 母にはもっと優しく接したいと思う。 カバンの中味も整理していた。 「私が死んだら、この時計、叔母ちゃんにあげてね。」 「そんなん、誰が先なんてわかんないよ~。」 はぐらかす私。 「昨日、お坊さんがこっちにおいでって手招きしている夢みたからね~。」 「あっ、そう!でも、まだ来るなって言ってたでしょ!」 「いろいろお世話になりました~。」 「はいはい、いろいろお世話しました~。」 「何をお世話したって言うのさ!」 「だって、そう言うから言ったのよ!」 いかんいかん・・・ 優しくどころか、やはりケンカになってしまう。 難しい。 普通通りでいいのかな。 今に心の底から何でもしてあげたいって思うかもしれない。 その時、母は母でなくなっているかもしれない。 子どもとしてのつとめだ。 がんばりすぎず、がんばる。 それで許してください。 実家に戻りたいと言われるとつらい。 戻れない現実。 私の心も寂しい。 とても・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年02月19日 17時58分41秒
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