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テーマ:たわごと(26785)
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喫茶のバイトは続いている。
梅雨に入って少し、お客さんが少なくなっているような気がする。 週3日営業の喫茶。 私がバイトするようになって3回目の夏がやってくる。 毎日お勤めのように来てくれていたSさん。 最初の頃は日に2回も来ていた。 毎日、コーヒー時々ジュース。 雨の日も風の日も雪の日も・・・ 朝の始まりにSさんがいるのが日常だった。 Sさんはお店の近所のおっちゃん。 年齢は60歳になっていたかなぁ。。。 会話が得意ではない。 話しかけても無視されることもあった。 でも許される人。悪気はない。 たばこで煙もくもくにしていた。 糖尿病をもっていた。 アイスコーヒーのシロップを入れていた。 ホットコーヒーにもお砂糖をたくさん入れていた。 それがSさんの楽しみだった。 ここ1年のうちに仕事をやめたようで日に1回しか来なくなった。 節約してるんだろうかってみんなで話していた。 時々店で眠っているので、しんどいのかなぁって思っていた。 咳き込むことも多くて・・・ 自分の父親を思い出してしまった。 父も糖尿病だった。 よく咳をしながらたばこを吸っていたっけか・・・ 肺ガンもあったので。。。 Sさんをみながら私はなくなった父をだぶらせていた。 食事もまともにとっていないように思った。 なんでも身体の悪いお母さんと2人暮らしだったらしい。 一度だけお母さんを店に連れてきたと聞いた。 親孝行な話しに感動した。 一番の常連さん。 最近来てないことに不安を感じていた。 入院しちゃったかなぁ・・・ 大丈夫なんだろうか・・・ 胸騒ぎはしていた。 そしてSさんの元同僚がたまたまあらわれた。 2週間ほど前に亡くなっていたと言っていた。 血を吐いて窒息していたのを兄弟がみつけたらしい。 お母さんが入院していて心配させたくなかった兄弟が気を遣って新聞に載せなかったらしい。 やっぱりそうだったのか・・・・ Sさん、きっとお店に挨拶にきてたんだろうなぁ。 お疲れ様だったね・・・ 身体も楽になってよかったね。 心の底から思った。 最後にオーダーをとったときのことを思い出す。 あんまり長居をしなくて、ジュースを飲んでスッと帰っていった。 あのあとかもしれない・・・ 最近、私は厨房にいたのだが、その時だけなぜか私がフロアーにでた。 少し気になっていた。 どっかでSさんはわかっていたのだろうなぁ。 もしかして私に最後の挨拶をしてくれたんだろうか。 もちろん、亡くなってからも来てくれていたと思うが。 ありがとう、Sさん。 ご冥福をお祈りします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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