ディジェリドゥー
1友だち(牧師)が楽器を自作している。海岸に流れ着いた木の端くれを磨いて打楽器にする。裏山の竹を伐って「尺八」を作る。細い竹を横につなげて「パンの笛」。タヌキの死骸を見つけてきて、皮を剥いで太鼓を作ったと。オカリナもたくさん作っている。石でもステキな楽器を作るらしい。息子に言わせると、「あの人は何からでも、音を出せる」 2その日も、楽器を、次から次へと出してきて見せてくれたが、最後に、象の鼻のように長い楽器を出してきた。「ディジェリドゥー」という名前だそうです。オーストラリア、アボリジニの民族楽器。もちろん彼が作った。聴くと、地底からわき起こってくるような低音・・・・思わず、感嘆の声を上げた。「もう1本あるよ」と出してきて、「これきみにやるよ」え~~っそんなに大切なものをいただけるの! 3家に持ち帰って、懸命に練習、どうしても音が出ない。しかし次の日、音を出せるようになって、さっそく娘に披露した。「豚がおならをしているような、そんな音じゃなかったよ!」