カント哲学の入門書
清水書院からでている”人と思想シリーズ”の「カント」を読んで、心に触れたので、カント哲学の入門書と言われる「道徳形而上学原論」を読んだ。入門書らしく岩波文庫の薄い本だった。しかし内容は難しい言葉の羅列。哲学ってこんなに難解なのかと閉口しながら読んだ。「意志の自律、他律」「定言的命法」「理性的存在者」「格律」「目的の国」う~~む、難解だぁ。しかし所々に心に触れる言葉もあり、そこには赤線を引いた。読み終わり、「訳者後記」を読むと、なんと、わかりやすく解説している。訳者の解説で、ばらばらなジクゾーパズルがはまった感じ。道徳的生き方こそ、人間のしるしであるとカントは言う。それは人間の心の奥底から湧きあふれるのだ。神様の教えだから従うというのは「他律」であり、価値がないのである。キリストの律法に従うボクたちとしては、随分考えさせられる。「目的の国」とは、道徳的生き方を真心から志す人々が集まる一種のユートピアか?