「パスカルとその妹」モーリヤック
「パスカルとその妹」モーリヤック著オークションサイトをあさっていて、この本を見つけたとき絶対に読んでみたい! と思った。欲しい人がほかに無かったので、無競争で買えた。モーリヤックの著書は、若い頃「イエスの生涯」を呼んだ記憶がある。この著者は、少年の頃から「パンセ」を繰返し読んできたようだ。同じフランス人同じカトリック教徒パスカルについて記すにはこれほどふさわしい人はいない。痛みと共に生きた病者パスカルを最後まで支え続けた姉ある時は弟子、ある時は師のようにパスカルと向き合った妹手に負いがたい烈しく一徹なパスカルの性格モーリヤックはパスカルへの強い愛情と、同国人の誇りと文学者らしい性格分析をもって筆を進めている。読みながら何度か心熱くした。「科学者であり哲学者である彼は、身体の秩序や精神の秩序よりも無限に高い秩序、愛の秩序に近づこうとしつつあった。」(モーリヤック)