NHK朝ドラに寄せて
テレビが来て以来、朝ドラを見ることは欠かさなかった気がする。見ている時は、楽しく見たが、うっすらでも今でも覚えている作品は数えるほど。ヒロインの出来不出来は、脚本や監督の出来不出来に左右される。ところで、今回の「らんまん」は夫婦で夢中になっている。次回が待ち遠しい。主人公の母親役の広末さんのスキャンダルは、作品に水を差した。制作者も、こんなはずではなかった、と頭を抱えているだろう。バッシングをする世間もどうかな。相手が女性だから、バッシングはなおさら激しい。嫌な世の中、嫌な人間羨望、嫉妬の裏返し。昔から、役者や芸術家は異性関係が奔放で、それが芸や作品に深みを与えているとさえ思われている。演じている作品の中での人と、その私生活の人とは区別することが前提でごっちゃにするから、心が騒ぐのだろう。芸術家にしろ、普通の人にしろ信仰の世界をまっすぐに生き抜くことは、すごいことなのだと思う。ヨハン・セバスチャン・バッハには、そういう異性関係は無縁だった。役者や、芸術家でも、超一流に歩む人は、欲望を力に変えていけるのだ。