カテゴリ:読書
今晩に一気に読んだ。
「ヴィルヘルム・マイステルの修業時代」の第6巻の部分にあたり、独立した短編小説として扱われるという解説。 題名のように、主人公フィリスの内面が細やかに描かれている。 一人の男性に恋をし、やがて許嫁となるが、心が深まるにつれて、彼を愛しつつも彼から離れ、信仰一筋の道を選び直す、というあらすじ。 神への純愛、まっすぐな信仰を告白しつつ物語は閉じられる。神に飛翔する魂の告白は、まるでウェスレーの言葉であるかのように感じる。ただしモデルはヘルンフート兄弟団に属していたようだ。下の引用は物語の結尾であるが、いうまでもなく、神に向かう心は戒律ではなく,一つの衝動、心の自然な姿であるという。神が自分をそうするように導いておられるというものだ。 「わたしにはほとんど戒律というものの覚えがありません。わたしを導き、いつも正道をたどらせてくれるもの、それは一つの衝動なのです。わたしは自由に心の欲するところに従います。それでもほとんどなんの拘束も悔恨もおぼえません。わたしはこの幸福が誰のお陰であるかをよく知っております。」(関泰祐訳) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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