カテゴリ:人と生活
初夏の陽光の下に出て犬の散歩
犬は16歳を越え、歩くのもままならぬ 介護用のリードで吊り上げぎみに少しずつ進む あなたはこんなに弱くなったがボクは誇りに思う 赤子の時に連れて来られ 今日までボクたち家族の浮き沈みを見守った あなたを殺処分から救い出し ボクたちの元にエスコートした彼はもうこの世にいないけど そうだあなたはすべてを知っているように その彼の分まで静かに生きているのだ 路地を見はるかす 陽光だけが穏やかに注ぎ 人の姿はどこにもない5月の連休の午後 穏やかなのに 静かなのに 隣町ではこの日の下で少女が殺され棄てられた 初夏の日差しの下にも、暗闇を歩く人間どもが潜んでいる お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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