カテゴリ:人間
またざっと読み返した。
妻が描く夫マーラーの姿に、わが心を射貫かれる。 マーラーのような芸術家ではない。才能もない。 それを別にすれば、よ~く似ている。 描かれたマーラーは、エゴイスティックな人間の典型に見える。 ページごとに、そうだ、自分にも。思い当たる、と合点。 美しい妻は支配され、翻弄され、無視される。 やがて自分から妻の心が離れ去ったことを知る。 苦しみ、身もだえし、悲しみに身を床に埋めるマーラー。 それから心を入れ替えるように、妻と向き合う。 しかしマーラーの命は燃え尽きつつある。 アルマはマーラーを捨てなかった。 戻ってくる。 その最後の床に寄り添う。 死に向かう赤子のようなマーラー。 その思いのすべては交響曲の中にしたためられ、 地上ではアルマの手の中から 天上のお方の元へ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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