老母の様子
土曜日午後に、母を訪ねるのは、お祈りをするため。「毎週訪ねてくる家族はほかにいない」と老人ホームの職員は言う。こちらは、小礼拝をするのだから欠かせないと思っているのだ。「ここにいても何もすることが無いから早く死にたい」今日は、訪ねるなりそう言われた。80歳を過ぎても病院事務をしていた母。院長から「幾つになったの?」と呼び止められて年齢を言ったら「じゃぁ、そろそろ引退するか」と言われたそうな。体を動かすことが好き。じっとしていられない。そんな母が、することがなくて辛いことは、よくわかる。そばで弟はじっと聴いている。あれこれ話していたら、母の心は上向きになった。もう間もなく死ぬことがわかるという。死ぬ時に苦しいのはいやだと言うから「大丈夫、夜眠りにつき、朝起きたら天の御国だよ」と言うと、ほっとして顔を輝かせた。かつて20人ほどの信徒の死期に立ち会ってきて、それは確信しているのだ。聖書のプリントを忘れてきたので、バッグに入っていた星野富弘トラクトの詩を読んでもらうと「この詩は読んだことがある」と心を動かした。3人で順番に祈ると、安らかに御国へ行けるようにと祈っていた。母さん、でもね、100歳を目指そうよ、あと4年半!