カテゴリ:私のすきなこと
良弁杉由来(ろうべんすぎゆらい) 豆知識 このシナリオは明治時代にできたもので、文楽としては新作である。 東大寺の建立に尽力した良弁僧正が幼い時にオオワシにさらわれて、東大寺の前身の寺の杉の木におとされ、そこの和尚に育てられ名僧となった。という伝説をもとにつくられたもの。 滋賀の里の段 近江の国の志賀の里の領主、水無瀬左近元治は菅原道真の家臣だったが、筑紫へ流罪になりそこで亡くなった道真の後を追って殉死する。 今日は残された妻、渚の方が忘れ形見の光丸をつれて、夫が育てた茶畑へやってきている。茶畑で夫をしのんで、舞をひとさし舞っているうちに大きな山鷲が幼い光丸を攫って飛び去ってしまう。腰元から知らせを聞いた渚の方は半狂乱で我が子の行方を追っていく。 桜の宮の段 さ迷い歩くうちに30年という年月がたった。渚の方は桜が咲き乱れる桜の宮へとたどりつく。物売りたちが口上を面白おかしく述べている。渚の方が物狂いとなった様子をみて、地元のこどもたちは、渚の方をはやし立てちょっかいをかける。渚の方の心の中では時間が止まっており、子どもたちに「光丸と遊んでやってくれ。光丸はどこへいったの。」と語りかけるが、子どもたちはわけがわからない。
地元の人たちは、哀れに思いいったいなにを思いつめているのかと尋ねるが要領をえない。人々が立ち去った後、ふと川を眺めると、老いさらばえた自分の顔が映り渚の方は正気に戻る。 このような姿になるまで一体自分は何をしていたのか、もう子どもは生きてはいるまい。故郷へ帰り尼となり、夫と子どもの菩提を弔おうと決心する。 川筋を上っていく船がやってきて、渚の方はその船に乗せてもらう。船中で奈良の東大寺の良弁という大僧正は、子どもの時ワシにさらわれて杉の木の上で食い殺されようとしているのを、お寺の人に助けられたらしいと言う話を聞き、その人はもしや我が子ではないか、せめて一目だけでもその人を見てみたいと思うのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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