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て言うのがアタイにはあって、
それがぴあフィルムフェスティバルん時に見た橋口監督の「夕辺の秘密」て言う映画なのですよ。

これは高校生の夏の群像劇で
扇風機がずっと首ふり続けてた印象のある映画で
そこに恋愛がからんでくるんですけど、男と女の恋愛がメインでなく
男と男の恋愛が当たり前に描かれてあったとデスよ。
いや
描かれてるって言うと、作り物ぽくてまるきし違う感じになりますわ。
え~

例えば、
男で同性に恋愛感情を抱いたコトのないジブンが夢を見る。
夢の中で、ジブンが男と付き合っている状態になっていて、
で、それが当たり前だとジブンは納得してる。

そんな夢の中にジブンがいて
男と男の恋愛を当たり前に思うようになっている
「夕辺の秘密」は、そんなチカラがある映画でごあした。
なぜジブンが当事者になってるように感じられたかと言うと
この映画って、シナリオあるの?演出てしてあるの?役者じゃなくて実際に本人たちの日常をうまく拾ってるんじゃないの?
ってしか思えないくらいリアルなんですよ!
ヘタクソなドキュメンタリーやらリアリティテレビどころでない生々しさが
「夕辺の秘密」にはありました。

でも、これ脚本もある演出もしてあるフィクションなんですわ!
いったい全体どうやれば、こんな脚本が書けるのか
どう演出すれば、ここまで生々しくリアルに見せられるのか見当もつきませんでしたね!
知識やらテクニックやらスキルなんて努力して身につけられるものでない
越えられない壁つうものを
この時、アタイは感じました。
死んでもアタイはこの映画は撮れないと。

んで、
この年のぴあのグランプリに
「夕辺の秘密」は選ばれて、
その後、
橋口監督はプロ監督になって
「二十歳の微熱」「渚のシンドバット」「ハッシュ!」を撮るコトになるわけデス。
商業映画でも橋口監督は橋口監督にしか撮れない作品を撮り続けよんなさるデスなあ。
で、ちなみに橋口監督はカミングアウトしとられるゲイの方なんですが
やぱヘテロなアタイには分からない
「これはOKではない」と判断できる目があるとだろうなあと思うのであります。
監督の仕事でイチバン大事なのは
「これはOKでない」と正しく判断することなんでごあすよ。
なぜコレでOK?というシナリオに演出に芝居側重なっていくと
映画は「デビルマン」になっていくわけでごあす!

この
「監督の仕事は、OKでないモノにOKを出さないこと」とアタイに改めて教えてくれたのが
「犬猫」の井口ナミ監督であります。
この「犬猫」がまた、
アタイが死んでも絶対に撮れない映画なのでしたよ!
シナリオも演出も芝居もないように見えて、
でも「誰も知らない」とかのドキュメンタリーな演出の方法論で撮って編集で構築していくやり方では絶対なく
正しくフィクションの映画の撮り方でつくられた映画なのに、そこにきっちりリアルがうつってるつう
そんな映画なのですよねえ「犬猫」は!
いやあアタイは死ぬまで「犬猫」は撮れないなあ~。ロメールも撮れないデスよ「犬猫」は。





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最終更新日  2006年03月16日 04時06分06秒
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