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テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:家族
カナダで、勝手気ままな暮らしをしている私にも日本に家族がいます。
年老いた両親と同居しているのは、離婚して子連れで実家に戻った妹なのですが、やはり家族の確執はあります。 私の両親、父は一本気で気難しく、母は気性が荒く、私が日本に里帰りするわずか2週間さえ機嫌よく過ごすことが難しいような人たちなので、一旦家を出て自由を知った後出戻った妹が平安に過ごすというのは不可能です。「老人の世話」的な苦労はまだないのですが、矍鑠としているので別の意味での難しさがあります。 これまで小競り合いはありながらも、どちらも我慢し合ってここまできています。どちらもいうよりも、子供を守らなければならないという弱味があった妹が我慢の大部分を引き受けています。 春に里帰りした時に、私は母の癇癪玉が破裂するのが恐ろしくて旅行や買い物で家に寄り付かなかったのですが、母は私に「話」を聞いてもらえないのが不満なようでした。 話というのは、もちろん愚痴です。 人の愚痴は聞きたくないというのではなく、私はその愚痴を聞いてあげる立場にありません。 母が妹のことをこぼせば、私はせめて「ふんふん」と相槌を打たなければならず、あるいは「気持ちはわかるけど…」とかなんとか言わねばならず...。 本来なら、末っ子の妹が両親の世話をするのではなく、順番で言えば姉か私の役回りになるところなのです。母とよく似た、気の強い妹だからここまで踏ん張ってきたのですが、私にはとてもできません。里帰りの2週間の我慢がやっとなのです。 どちらがいい悪い以前に、世代の違う者が一つ屋根の下に棲むというだけで非常に難しいことです。生活パターンも、食も違います。嫁姑なら多少の遠慮もあるかもしれませんが、親子の諍いはとことんエスカレートします。 私は距離的にも両親から離れていて、つまり安全な場所にいて、どちらかに何かを言うどころか、相槌を打つのにも誰かを傷つけることを心配しなければなりません。 両親に優しい言葉も掛けてあげたいけれど、普段のこまごました生活の面倒を見てあげられない以上、妹との関係に一切口出しするべきではないのです。 それは両親から見ても、妹から見ても無責任とか無関心に見えるのでしょうけれど。 両親と妹と私は、もちろん血がつながっていますが、ある意味、私は小姑のような立場です。母から愚痴られた時に、もし妹が兄弟の嫁さんだったら、どんな気持ちがするか。 嫁姑なら、嫁は実家の両親に愚痴ることもできますが、妹にはその愚痴を持っていく場所もありません。それを考えると、私はウンもスンも言ってはいけない立場にいます。 女ばかりのきょうだいで、それがよかったのか悪かったのか? 妹が実家に戻らなければならなくなった時には、実家を継ぐ男きょうだいがいなかったのがよいことのようにも思えました。 両親がだんだん年をとって、介護が必要になった時のことはまだ話し合っていません。幸いにも70代の両親は健康に恵まれていますが、口も達者で妹を悩ませています。 両親をカナダに引き取るといっても、英語が話せないふたりがここに来るとも思えません。西の方角を拝みながら、妹の心の平安を祈っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.05.24 18:12:24
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