「南部の火祭り」は、山梨県の最南端、南部町でお盆に開かれるお祭りです。里帰りして、「花火が観たい!」と言った私に「穴場がある!」と、妹が連れて行ってくれました。
ひじょうにローカルなお祭りなのですが、江戸元禄期から続いている由緒あるお祭りなのだそうです。
富士川べりに屋台なども立ち並び、まことに盛況なのですが、なんとものどかな風景。
食べ物の屋台ばかりでかき氷、クレープ、焼きそば、たこ焼き、フランクフルトなど、定番の屋台フードなのですが、おむすび・手巻き寿司、冷やし胡瓜(棒に刺したキュウリの漬物?)などがありました。
川風が吹くばかりでなく、このあたりは普段から涼しいそうで、先日甲府の最高気温が40度を超えた日にも28度くらいだったとか。
雨が降りそうで、湿気が多いのは感じられるのですが、不快感はありません。 | |
大松明。
古い塔婆を積み重ねたものだそうです。これと「百八たい」は、地元の人たちが早朝から組み上げるのだそうです。
宗教行事なので、お経が流れます。
同じ頃、灯ろう流しが行われます。私も初めて灯ろう流しをしました。新盆ではないのですが、亡くなった同僚や友達の名前を書きました。同僚は一応クリスチャンなのですが、ひじょうに新しい考えの人たちだったので面白がってくれるのではないかと...。
百八たい。点火前と点火後。
人間の108の煩悩を表すのだそうです。小さなやぐらが川べりに108組まれています。
| 祭りの最後は花火です。
川原で、遮るものがまったくないので大迫力でした。
このお祭りは仏教系の行事だからか、ここ南部町の住人の人柄がいいせいかとてもほのぼのしています。
妹が数年前、このお祭りで地域の方に親切にしていただきました。
このお祭りの駐車場は中学校校庭や地元企業の駐車場が臨時駐車場として使われるのですが、駐車場が見つからずに困っていた妹に地元の方が「ウチに停めなよ」と無料で駐車場を使わせてくれたとか。
今年もまたご縁(仏縁?)がありました。
富士川土手にレジャーシートを敷いたそのお隣さんが地元の方でした。
「こっちのシート、大きいからはいってきていいよ」「お近づきのしるしに」とさっそく缶チューハイを手渡され、お互いに簡単な自己紹介をすると、以前バンクーバーに短期間住んでいたかたでした。
こんな偶然ってあるのでしょうか?
後でおおぜい合流して30人くらいのグループになると言っていたのですが、そのときは二人連れで、そのお友達もトロントに住んでいた方でした。外国かぶれしたグループというわけではなく、バリバリの地元のおじさんで、まったくの偶然でした。
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座席取りでシートを敷いたのが午後4時前で、それから祭りが終わる午後9時半頃まで、世間話などして過ごしました。
その間、自宅からおつまみを運んでくれたりもして、珍しいお料理もいただきました。
来年は席取りに早い時間に出発しなくても、シートを敷いておいてくれ駐車場も使わせてくれるそうで、連絡先までいただきました。
カナダに帰ったら、お手紙を書こう!っと。
私も妹も(たぶん他の女性も同様でしょうが)、若い頃は通り掛かりに偶然出会った人に親切にされたりもしましたが、今はもう立派なオバサン。この方も女性に声を掛けるような色めいた気持ちでなく、親切心から声を掛けてくれたのです。
人が人と触れ合える場所がまだ日本にも残っています。 | |
最高気温: 37.3度
最低気温: 24.6度