|
テーマ:気になったニュース(30836)
カテゴリ:教育問題・・・
このところ公私共に忙しく、blogは「ちょっとみるだけ・・・」と思っても結局いつも時間がかかってしまうため、見るのも書くのも封印してました。
久々の日記です。 最近、いじめ、未履修など教育問題が目立つ中、11月4日にびっくりするようなニュースがありました。 それは足立区の教育委員会が区立小中学校に学力テストの成績に応じて、予算に差をつける方針を固めた、というもの。 思わず目を疑ってしまいました。 *追記 足立区の教育委員会は7日にこの方針を撤回したそうです。 各方面から批判が続出だったようです。 そんな当たり前のことも想定できない教育委員会って・・・。 とても公立の義務教育で許されることではないと思います。 足立区教育長は「がんばった学校に報い、校長と教委の意欲を高めることが、区全体の基本学力向上につながる。」と発言していますが、すでに学校選択制も始まっている足立区でこの方針が実際に実行された場合、学力上位校と下位校の固定化を進め、公立学校のなかに格差を作るだけに思えます。 学力テスト上位校には、子供を塾に通わせる学習意欲の高い家庭が集まるので、結果として成績が良い、ということももちろんあるわけで、それがイコール学校の成果でもありません。 そもそも、小中学校を評価するのは学力テストの結果でいいのでしょうか。 そして、その報奨は「予算」なのでしょうか。 未履修問題では、色々なメディアで「受験に出なくても大切なことを学んで欲しい」というようなことをいっていますが、今回の足立区の問題は「結局成績が全て」という、その根っこになりかねない重大な問題だと思います。 私は小中学校で一番学んで欲しいのは「生きる力」です。 自分で考え、対処し、自信を持って生きていける、人格の基礎を培って欲しい。 進学塾ならともかく、公立小中学校がこのような「兄弟の中で、勉強できる子だけにお小遣い」のような、安直かつ低劣な方針を打ち出したことに暗澹たる気持ちです。 いよいよ教育基本法の改正が現実のものとなりつつありますが、今本当に論議するべきなのは教育基本法だとは全く思えません。 前回の日記でもふれた本「変えよう!日本の学校システム」のサブタイトルは「教育に競争はいらない」です。 非常に同感。 競争原理は企業間では有効でも、教育の現場にはそぐわないものだと思うのです。 なぜなら教育の目的は子供に優劣をつけることではなく、それぞれの子供の適性を伸ばし、全員が幸せな人生を送るための礎を培うことだと思うからです。 非常に興味深く、かつとても読みやすい本でした。 私の古い日記で取り上げた教育委員会の問題についても、詳しく解説されています。 ■関連日記 教育委員会って何だろう(教育委員は公選にしよう!) http://plaza.rakuten.co.jp/peace4earth/diary/200508250000/ 他にも取り上げたい箇所がたくさんあるのですが、書ききれないので、目次を載せておきます。 (教育基本法の改正が言われ始めたのが執筆の動機、ということですが、愛国心云々のイデオロギー的な本ではありません。) 問題分析の角度が面白く、今テレビでおこなわれている教育論議とは一味違いました。 教育問題に関心のある方はぜひ一度読んでみてください。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 8, 2006 06:16:39 AM
[教育問題・・・] カテゴリの最新記事
|