テーマ:韓国!(17284)
カテゴリ:韓国と韓国歴史&韓国語etc..
世界の街角から MYCOMより
第3回ソウルでのある会合 =河内孝 2007/2/26= ソウルの街をさっそうと歩く女性達は、訪れる度に美しくなる。もともと日本人よりスタイルが良い。加えてファッションとお化粧には惜しまずに投資する。この数年はそれに、「ブランド志向」が加わった。ただこのところのウオン高、円安でレートは1円70ウオン台。私達は長い間、1円100ウオンに慣れていたから財布が三割がた薄くなった感じだ。これは日本人旅行者にとって有難くない。 そのソウルで昨年暮れ面白い会合を持った。「一週間後に中国共産党の幹部が休暇でソウルに行く。ついては是非、韓国野党ハンナラ党の幹部を紹介して欲しい」と言う話が飛び込んできたのだ。 「野党の外交責任者」という注文に関心を引かれた。中国も支持率が10%以下に落ち込んだノムヒョン政権の状態を見て、今年暮れの大統領選挙をにらみ政権交代の可能性を感じているのだろう。そのときどのような変化が韓国外交政策に起こるのか、を瀬踏みしたいのだろう、と思った。 旧友に頼み、ハンナラ党党首のパククネさん(朴元大統領の令嬢)の側近の一人を紹介してもらった。偶然ながら、我々の会合の二日後、パククネ党首が北京を訪れる予定であることは、ソウルに入ってから知った。お互い都合の良いタイミングだったようで感謝されたのは、面映かった。 零下4度に冷え込みキムチチゲが旨くなる一夜、会合の場所は、ぐっとくだけた「全羅道郷土料理屋」を選んだ。毎日新聞が提携している朝鮮日報幹部が良く使うソウル市内の「高級居酒屋」で、上海出身の幹部は焼肉より海鮮料理を好むと思ったからだ。 こういう時にいつも思い知らされるのだが、中国人も韓国人も、「個人的な意見」と断りつつも率直に思いもたけをぶちまける。日本人は、えてして、「そちら様のご意見は?」とやってしまう。これでは相手が、「なんだ、お前は自分の考えはないのか」と馬鹿にして自分の言い分を長々と開陳するのを聞かされる羽目となる。同様に、欧米を含めて日本からの賓客に会った外国指導者がいつも漏らす不満の一つは、「役人の書いた作文を長々と読むなら役人と話した方がよい。時間の無駄になる」という点だ。 のっけから焼酎をがぶがぶやったこの席では、そんな心配は全くなかった。ハンナラ党の幹部がこう口火を切った。「中国が(北朝鮮が崩壊して)資本主義国と国境を接する事態を避けたいという気持ちは分かる。だから我々が政権を取ったら、仮に金正日体制が崩壊しても共産主義北朝鮮と平和共存する。見通しうる将来まで共産主義北朝鮮の存在を認める」。率直な発言に中国共産党幹部は、驚きを隠せないようだった。しかしこの段階では本音を見せない。「北朝鮮は独立国であり、われわれの友好国である。国の将来について内政干渉するつもりはない」。 私は意地悪くこう言った。「私から見れば今の状態は中国にとって決して悪くないのではないか。北を説得できるのは中国だけだ。6カ国協議のお座敷を提供できるのも中国だけだ。"核実験を怒っている"などと伝えられているが本当はまんざらでもないのでは」。 これには共産党幹部が本音で反発した。「我々が持っている北への影響力がさほど強くないことを認めるのは、あまり嬉しくはないのだ。状況をもて遊ぶなどとんでもないことだ」。そして興味深いエピソードを紹介してくれた。一昨年、金正日が中国政府の勧めで上海を訪れたとき、北朝鮮側は、「100%の安全保障」を求めたと言うのだ。あまりくどいので、「中国に滞在する限り120%の安全を保証する。しかし我々の領域外のことは責任を持てない」と答えたらやっと来た、と笑った。彼はその先のことは言わなかったが同席した全員が中国の帰途、特別列車が北朝鮮内に入った直後、なぞの大爆発事故があったことを知っていた。 彼は、このエピソードを紹介することで何が言いたかったのだろうか。推理(1) 金正日と軍部の関係が必ずしも良くない(あんな火薬量を調達して爆破させられるのは軍しかない)ことを示唆した。推理(2) 中国もいつでも「事故を起こすぐらいのことは出来る」ことを示唆した。本音は見えない。しかし、私はこの話を聞いた瞬間、満州事件の遠因となったとなった日本軍部による列車爆破、張作霖事件を思い出した。彼らは少なくともあの当時と同じような緊張感のなかで様々な駆け引きを続けているのだ。 ひるがえって日本。拉致問題の非人道性を訴えるのは当然だ。しかし、これが進まないと核も何も話し合わない、という安倍政権のスタンスは、こうしたしたたかな連中には通じないだろうな、と思った。ちなみに韓国の友人のアドバイスは、「三方一両損」だった。 米国は、「ならず者扱い」を控え話し合いに入る(入ったようだ)。韓国は北に過剰な期待を持たせる太陽政策を改める。そして日本は、拉致問題の解決を主張しながらも核問題などについも話しあう姿勢を見せる。これは、今の世論の雰囲気では不可能だろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.02.26 22:32:14
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