テーマ:今日の出来事(292794)
カテゴリ:平和=Peace news
台湾の2.28事件に寄せて
以前から台湾の友人と話しながら考えていましたが、朝鮮戦争前夜の、済州4.3事件と今日記念日の台湾での2.28事件が色んな面で類似点があると思っています。 2.28事件 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E3%83%BB%E4%BA%8C%E5%85%AB%E4%BA%8B%E4%BB%B6 --- 白色テロ --- 白色テロとは、毛沢東の共産党による「赤色テロ」に対して、蒋介石の国民党によるテロを指す。 第二次大戦後、毛沢東に追われた蒋介石軍200万人以上が台湾に流入。この、いわゆる「外省人」たちは、傍若無人な振る舞いを繰り返した。 これに対し、ついに1947年2月28日、「本省人」たちの怒りが爆発。台湾全土にまたがる衝突に発展し、蒋介石はこれを武力により鎮圧した。これが228事件と言われるもので、1万とも2万ともいわれる犠牲者が出た。 当時、「本省人」の人口は約450万人であったから、殺された人が2万人とすると、約0.5%。現在の日本で同じ比率だと約50万人。それ程大きな大弾圧事件であった。 228事件後も、「外省人」率いる国民党は徹底した政治的迫害「白色テロ」を続け、事件後に布かれた戒厳令は38年間も継続した。この「白色テロ」を通じて、特に親日の知識階級は徹底して抹殺された。台湾の人々はこのような苦難と悲しみを乗り越えて今日の繁栄を築いてきた。 また、かっての親日派の指導層は殆ど抹殺されてしまったにも拘わらず、多くの方々は親日の感情を抱かれている。この方々に日本政府は何をもって報いるというのか。 台湾の声より、 投稿【2.28事件に寄せて】 近藤 明理 先日の東京マラソンのとき、台湾選手を応援するために飯田橋の沿道に立った。 そのとき、三万人という数を実感した。幅広い道路を埋め尽くして、人々が続々と走りぬけるのに一時間二十分ほどかかった。 二二八事件のとき、それと同じだけの罪もない台湾人を蒋介石軍は情け容赦なく惨殺したのだ。その残虐さは想像を超えている。 わたしの伯父、王育霖も突然、連行されたまま帰ってこなかった。検察官として中国人の汚職を取り締まったのが殺された理由だったと推察されている。台湾の将来を担って立つべき気概と実力のある青年達の層が台湾からごっそり無くなったのだ。 二二八事件は決して忘れてはならない事件である。なぜなら、その事件の原因も結果もいまだに解決していないからだ。 六十年前、異民族の支配からの脱却を願い、自らの自治を求めた台湾人の願いは、李登輝、陳水扁という台湾出身の総統を民主的に選出したことで半分は達せられたが、いまだに当時の中華民国憲法の下にある。新しい台湾の憲法を作らなければ、台湾人の国とは言えない。 さらに、「中国と統一したい」と考えているような政治家を選ぶ民衆がいまだにいるということは、二二八事件とその後の長期間の政府によるテロや言論統制の結果が台湾にまだ残っていることを示している。 台湾はまだ中華民国の呪縛の中にある。 台湾という「国のあり方」を考えるためにも、二二八事件は決して忘れてはならないと思う。 国民新聞140962 「先住民族、本省人、外省人」 文化、民族性に優劣はない フリー記者・山田智美 「君は先住民族なのだから、本当の台湾人だね」 と、最近、台湾へ移り住んで来たオーストラリア人に尋ねられたタイヤル族の友は、少しとまどっていたが「僕達は原住民で、台湾人というのは平地人のことです」と答えた。 オーストラリア人は意外そうな表情を見せた。彼の解釈では、原住民はさしずめネイティブ・タイワニーズ、平地人はハン・タイワニーズとでも分けられるのだろうと想像していたからだ。 原住民にとって「台湾人」といったら平地に住むbinびん(門+虫)南系の本省人を指す。日本統治時代、日本人がbin南系の平地人のことを台湾人(客家人を含むこともある)、客家はっか系の平地人のことを客家人、原住民のことを高砂族と区別して呼んでいたことの名残りでもある。俗に台湾語というのはbin南語を指す。 日本で一般的に知られている事情は、本省人と外省人との政治的な対立という構図だが、こちらで生活していると、台湾における対立の構図はもっと深いことが分かる。対立という言葉が強すぎるならば、無関心から来る互いへの無理解と偏見という言葉に置き換えられる。 【Page 補足】 --- 本省人と外省人 --- 本省人とは、中華民国政府の移転以前から台湾に住んでいた人々。 台湾人口の80%~90%。外省人とは、中華民国政府が台湾に移転してから台湾に移住してきた国民党関係者や資本家などで、政治・経済などを独占してきた。台湾人口の10%から20%。原住民は平地人のことをあまり信用していない。自分達を騙しバカにしていると思っている。アミ族やブヌン族等は平地人のことを「パイラン」と呼ぶ。パイランとは台湾語で「悪い人間」という意味である。 平地人は原住民のことを台湾語で「ホワナー」(蕃人の意味)と呼び、民度の後れた人達だと思っている。原住民は酒好き、というのも良くないイメージをもたらしている。 bin南系と客家系の本省人の間にも溝がある。客家系は圧倒的多数のbin南系に良い土地をとられて山間に追われ、苦しい開墾の歴史を辿ってきた。bin南系からはその質素勤勉の生活態度を「ケチ」と蔑まれてきた。 こうした対立は残念ながら、未だに続いている。お互い面と向かって表に出すことはないが、観念やイメージの中に根強くある。果たして民族性の優劣とは存在するものだろうか。それぞれが別々の祖先の歴史を持ち、独特の文化を持っているだけである。 台東に住む原住民、プユマ族の村で地元の友人とバイクを走らせていた。友人はある小さな商店でバイクを停め、 「外省人~、買い物に来たわよ」と大声で店の中に声をかけた。面と向かって外省人なんて言うなんてと驚いたが、タブーを自然なこととして受け入れている大らかさがそこにあった。 外省人も第二世代、三世代となり、本省人との混血も進んでいる。 白色テロで肉親が犠牲になったある本省人の家では、子供は絶対に外省人とは結婚させないと決めていたが、今では外省人の嫁や婿が家族の一員になっている。 台湾の人々はタブーの中に生きている。そのタブーを、対立ではなく共存というかたちで生きていって欲しいと願う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.03.05 17:26:02
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