気の重い夜
夕方、微熱のせいでウトウト・・・としていた私。たまたまつけていたテレビで、全くとんでもないものを見てしまった。80年代に起こった、シリアル・キラー(連続殺人)のドキュメントである。犯人は2人とされ、その一人は別件で逮捕後、自殺している。実際、彼が逮捕されたときには、まさかこんな恐ろしい事件(の発覚)に発展するとは、誰も予想していなかった。男性の自宅を捜索したあげく、発見されたテープの数々。それは、誘拐した人々を陵辱しているものであった。消息不明とされていた人々。それが、なんとそのテープに写っていた・・・・結局、犯人が居住していた広大な敷地から、遺体が次々と掘り起こされることになる。その数、25人以上と言われている。男性、女性、乳児などかまわずである。いわゆる、ある小説にならっての「人間狩り」なのだが、実際にテープに写っていた「もう一人」は、その後国際手配となり、これまた別件でカナダで逮捕されるに至る。その「もう一人」とは・・・・香港からアメリカに移民した、中国系男性。カナダとアメリカという2つの異なる司法制度の下、結局アメリカに移送され、立証可能な11人の殺人罪で結局「死刑判決」が出たのが99年のこと。ちなみに、刑はまだ執行されていないらしい。実際の被害者数は40人以上、とも言われているこの事件。とにかく、テレビでテープの一部を見ているだけでも、すっかり気分が悪くなった。しかも、この男性を捜索・拘留・裁判などの諸費用でも、$14ミリオンダラー(約17億円)とされ、金額的にもアメリカ犯罪史上に残る事件だ。判決前、彼の父親が証言台に立った。彼は言う、「厳しくしつけたのが、まちがっていたのか。悪いことをしたら、なぐりつけていた」。今の世の中、いい加減な大人がいい加減な「しつけ」しかしていないように見える。躾と称して、子供を虐待死させるのは言語道断だけれども、厳しい躾が与える「精神的影響」は確かにあると思う。とはいっても、25歳過ぎたら「自分の人生」だと私は思っている。社会に沿って生活するのが、人間の道。親がどうであろうと、自分の「目」で世の中を見ることができるはずだ。許されない連続・猟奇殺人と死刑という量刑。アメリカにおける、東洋人移民の立場。欧米人から見た「東洋人の躾」への賛否。そして、親と子という別々の人権、そして人格。なんだか、気の重い夜になりそうだ・・・・興味のある方は、Wilseyville (California) Serial Killer, Charles Ngで検索してみてください。