詩 テラス
男と女は一瞬を共有しあう共有しあうために出逢ったのか出逢ったゆえに共有するのかぼくにはわからないテラスにたつ男はぼくであり日傘をさす女はきみである椅子にすわる老人はぼくでありその隣の老婆はきみである左から右に風が吹いている船の煙も左から右に流れているならば ぼくらの時間も左から右に流れているのかもしれないテラスよ もうしばらくぼくらをここにいさせてくれまいかやがて地上を去るものゆえこの地上光を浴びさせてくれ赤い花 黄色い花 白い花三分の一の空四分の一の海ここでまた新しい恋が生まれるのだろう