『花燃ゆ』 ~第8回は、玉木の叔父御をもっと出してほしかった
今年のNHK大河ドラマ 『花燃ゆ』 。第8回は、スミマセン、私にはほとんど無味乾燥な回でした。しかし思いがけない形で、このドラマに興味がわきました。それは、同じく日曜日の昼にBSで放送されている 『坂の上の雲』 の、ちょうどこの日の放送の中でした。乃木希典の幼少期のエピソードを紹介する場面で、乃木が玉木文之進から講義を受けていて、玉木は落ち着いた物静かな教育者として、ほんの20秒ほどのシーンで登場でした。え?、玉木文之進って『花燃ゆ』の中では、常人には思いの及ばぬところで突然キレて怒りが爆発する、沸点低過ぎの、あの叔父御ですよね?で、その方と乃木希典が、親戚だったのですか。『坂の上の雲』のおかげで『花燃ゆ』の登場人物に興味がわいて、再度録画をじっくり見てみました。が・・・、やっぱり、なんだかなあ。松下村塾を開いたのはあの叔父御なのだから、塾を開くにあたっても、「叔父上が開かれた塾を、兄上が再開してはいかがでしょうか。」で、不自然はないと思います。また塾生の勧誘のために文が、おにぎりをつけるとか、謝礼を安くするとか、13歳の女の子があちこちに言って歩いています。でも杉家の生活に関わることには、家長である父上か兄上に相談して了解をとってから、というプロセスが欲しかったです。高杉晋作が女と遊んでいるシーンなんかよりも、こちらのほうがいい場面になるのでは?と思いましたが。反対に、文が久坂玄瑞を兄に会わせたくて、久坂をわざと怒らせるシーン。野山獄のときもそうでしたが、この脚本家って、相手を動かすためにわざと怒らせるってパターンが好きですね。互いの存亡をかけた合戦なら、挑発も有りです。でも何かあると、あの手この手で相手を怒らせて動かすこのやり方は、私は好きではありません。この脚本家は、ふだんの生活でもこんな駆け引きばかりやって楽しんでいる人なのかしら。さて、今回の見せ場らしき?、久坂の杉家への殴り込み。妙な錯覚を覚えました。あれ、私が見ている番組って、大河ドラマよね?その昔あった、ドリフターズのドタバタじゃないよね?そして数人が絡んだこの大乱闘の後で、そのまま久坂玄瑞と寅次郎が対峙する、クライマックスの場面へ。んー、これに入る前に私としては、あの玉木の叔父御にご登場いただきたかったですね。よそ様の家の庭でさんざん暴れてご迷惑をかけたからには、謝罪と反省が必要です。庭の騒ぎに気がついた叔父御が来て、久坂玄瑞の激昂のはるか上を行く、これぞ激昂というもので、若い衆にこってりと説教をしてほしかったです。今回の玉木文之進の出番は、番組スタートから8分48秒後に「どこまでもの覚えが悪いんじゃ!、お前は。」と弟子に怒ったのと、あと28分過ぎに弟子に「なにを得意げに。寅次郎なら、5歳でやってのけた。」とほんの少し出て、寅次郎の優秀さを視聴者にアピールしただけでした。なんで肝心なところで、この叔父御が出てきてくれないのか。若い衆が縮み上がるほどの勢いで、玉木文之進@奥田さんに怒りまくってほしかったのに。この第8回の放送は、寅次郎の開塾を巡って若者たちが、勢いでギャーギャーバタバタって感じでした。いいことを言ってても、言葉に力も感動も感じないです。ああ、富永有隣@本田博太郎さん、早く牢から出て杉家に来て!野山獄にいた大深虎之丞を演じた品川徹さんが、『坂の上の雲』に出演されてました。あちらでは『二〇三高地』の回で、第七師団長 大迫尚敏の役でした。