フィギュアスケート世界選手権~外国勢編
フィギュアスケート世界選手権をTV観戦した感想の、外国勢編です。(外国の名前は敬称をつけないほうがしっくりくると思うので、 「さん」とか「ちゃん」は無しです)まず女子シングルで中国の 李 子君 。細身で手足が長くて、動きが柔らかくて綺麗です。彼女を見ていると、体操と共通する要素を感じます。ロシアと中国の両国には、それぞれボリショイサーカスと中国雑技団があり、演技の中で驚異的な柔軟やバランスを美しく魅せてくれます。体操やフィギュアスケートの選手たちにも、このサーカスや雑技団の要素を感じます。身体の柔軟+観客へのアピール。見ていても飽きない演技です。ところで、話は少しそれますが、今大会では 李子君にとって自国開催だったので、演技の後に会場からは大歓声が起こりました。そしてその後の演技が宮原知子ちゃん。観客が大興奮していると、次の選手はやりにくいですよね。でもコーチが、「真央ちゃんの後だと思って。」と助言を。さすがコーチです。知子ちゃんに、いいことを言ってくれました。そうですよね。周囲に気をのまれないよう、まずは落ち着かなくちゃ。でもこれからは、ロシア勢だけでなく李子君も、知子ちゃんにとってコワイ存在になりそうです。知子ちゃんには新しいエースとして、頑張ってほしいです。優勝したロシアのエリザヴェータ・トゥクタミシェワ。これも体操と共通することなのですが、ロシア勢は上半身が本当によく動きます。下半身はスポーツをして、上半身は絶え間なく表現です。男子シングルで同じくロシアのマキシム・コフトゥンが、SPでラヴェルの『ボレロ』を演じていました。でも、トゥクタミシェワのほうが見ごたえがありました。彼女の優勝は、まさに納得です。カザフスタンのデニス・テン。SPのとき音が出ないアクシデントがあり、それ以降は調子が狂ってしまい、今回は本当に不運でした。でも彼は、羽生君より1つ上の21歳。先日の四大陸選手権では、圧巻の滑りを魅せてくれました。3年後の平昌オリンピックでは、羽生君の手ごわいライバルになるでしょうね。カナダのナム・グエン。東洋系の幼い顔立ちで、上位者の控室ではミーシャ・ジーと意気投合して、楽しそうにしてました。しかし彼は、日本の次のエース・宇野昌磨君より1つ下の、まだ16歳でシニアの大会に出ていました。宇野君は今回はジュニアの世界選手権で優勝したけど、来季からはシニアで同世代には負けないでほしいです。そして優勝した、スペインのハビエル・フェルナンデス。SPで使ったロック調の音楽は観客の手拍子を誘い、イケイケノリノリの演技は、悔しいけどカッコイイです。そして衣装が、金銀の飾りがないシンプルな黒です。でも半袖のシャツからマッチョな腕をさりげなくむきだしに。これはもう、上下黒の衣装で自慢の腕のラインを、むしろ強調したように思いました。このムンムンの男っぽさ。残念ながら、日本人選手には出せない世界ですね。いえ、いいです。羽生君は “爽やかな男らしさ” のほうが似合うから。この地方は桜が満開になりました。桜のやさしい色は、心が和みますね。