『真田丸』 第4回~父・昌幸が織田と徳川を相手に騙し合いで、息をのむ攻防でした
NHK大河ドラマ 『真田丸』 。ドラマの展開が面白くて、45分が短く感じます。ドラマの始まりは、信長と対面するために諏訪の法華寺に入った昌幸・信繁ら親子の様子です。父・昌幸は息子・信繁に言います。「これも一つの戦である。父の戦いぶりを、しかと目に焼き 付けておけ。」自信をもって息子に言える姿がいいですね。寺で中庭の向こうに徳川家の旗を見たとき、父・昌幸は信繁に、三方ヶ原の戦いでのことを「あのときは家康をとことん、追いつめてやった。 泣きわめきながら逃げていく家康の顔を、今でもしっかりと 目に焼き付いておる。」と武勇伝を語り、家康に対して余裕です。それから信繁は退屈しのぎで徳川勢の待機場所に知らずに入り込み、ここで家康と初対面。闊達で賢そうな信繁に、家康は興味を持った感じです。この33年後にこの二人は戦場で、互いに命を懸けた場面で会うことになるんですよねー。その後、長く待たされてやっと信長との対面・・・に入る前に、まず信忠との対面です。父・昌幸が上杉に送った書状の件で、「織田につくと言いながら、何故上杉にも良い顔をした?!」と信忠に問いただされます。「これは上杉を欺くための方便。 乱世を生き抜くには、かような知恵も欠かせません。 四方を力のある国に囲まれた、我らのようなか弱き国衆。 そこまで慎重にならねばならぬのです。」昌幸の言い分に信忠は言葉が返せずに沈黙。でも家康は「これは昌幸が織田家へ自分を高く売り込むために作った上杉への偽の書状」と見抜いていて、昌幸をしつこく追及します。昌幸は家康を甘く見ていたようで、内心焦りが。でも昌幸は最後まで白を切り通し、家康も今回はまあいいかって感じで、なんとか難を逃れます。もう、この昌幸vs家康の場面は緊張の連続で、画面から目が離せませんでした。そしてついに、吉田鋼太郎さんの信長が登場です。全身から迫力があふれ、“ザ・貫禄”って感じです。信繁はこの対面の場での出来事すべてを、息をのんでただ様子をうかがうのが精一杯でした。今までどの戦国ドラマでも、信長役は「シュッとした感じ」の方ばかりだったのですが、今回の信長は威圧感がもうハンパないです。「よき面構えじゃ。」信長は昌幸にそう言って、対面の場から出ていきました。部屋の中を1周しただけで、この迫力でした。でも二人が対面したときの真横からのアングル。織田家の黄色い幕の向こうから光があたって、シルエットになった鼻の高い草刈正雄さんの横顔がすごく素敵でした。ウレシイ演出です。真田家はなんとか織田の配下となり生き延びたものの、沼田城と岩櫃城を織田方にとられ、安土には人質を出すことになりました。「城を差し出し、人質をとられ、力がないということが これほどみじめなこととは」人質のことで家族会議をし、叔父上にも「どうかここは、ご辛抱くだされ」と詫びる当主・昌幸の姿が切ないです。でもこの家族会議で、信繁が「姉上を安土に送り届ける役を私に。天下一と言われる安土城をこの目で確かめてきとうございます。」と言い、父が「よかろう。」と許したとき。隣にいた兄の信幸は、実に面白くなさそうな表情でした。「またコイツ、こうやって安土に見聞に行くんだよな。 まったく、要領のいい。俺だって安土を見聞したいのに。」なんて信幸の心の中を想像してしまいました。そして信繁一行は安土へ。市が栄え、華やかでいろんな人がいるニギヤカな町、そしてなにより壮麗な安土城を目の当たりにして、コーフンと感動がいっぱいの信繁が可愛かったです。またこのときに流れていた、城下町の光景を邪魔しない、軽く優しい、でも気持ちが明るく開けていく感じがする音楽がよかったです。松の従者として一緒に安土に入った松の夫・小山田茂誠。市で香りのよい花を見つけてそっと買い求めて、松のために匂袋をつくる茂誠の姿にもキュンときました。(好きな女を想って針仕事に精を出す男って、どこかに・・・。 あー、朝ドラの中番頭の亀助さんだー。)今作は堺雅人さんが主役だけど、真田昌幸が活躍する間は、事実上の主役は草刈正雄さんになりそうですね。でもドラマ的にこれが自然でいいと思います。昨年のように主役・準主役だからと無理やり目立たそうとしてかえって視聴者の反感を買うよりは、ドラマ全体の中でそれぞれの登場人物が自然に存在するのがいいと思います。そして私の中で準主役は、家康役の内野聖陽さん。間の取り方、表情、セリフの言い方、ちょっとした動きなどどれも絶妙で、見ていてどんどん惹きこまれます。来週は伊賀越えがあるから、家康@内野さんがまた面白いことをやってくれそうで、楽しみです。ラストの真田丸紀行では、諏訪市の上諏訪大社が紹介されました。私が以前行ったのは下諏訪大社だったので、機会があれば今度は上諏訪に行ってみたいです。