時代劇『田原坂』~そして大河ドラマ『西郷どん』への期待へ
この正月にBS日テレで放送された 『田原坂』 。約30年前に時代劇スペシャルとして毎年年末に放送されていたときには『白虎隊』ほどの感動はなかったのですが、今回改めて見直してみたら『白虎隊』にはない面白さがありました。次の日曜日からNHKの大河ドラマで鈴木亮平さんが主演で 『西郷どん』 が始まります。 『田原坂』では約6時間だったドラマを、大河ドラマでは 43分×50週=2,150分、2,150分=約36時間かけて制作することになります。『田原坂』で観たあの場面を、『西郷どん』ではどう描いてくれるのか、今から楽しみです。願わくば、終盤で西南戦争が始まったら、野外ロケでガッツリと戦いをやって欲しいものです。各方面からの隊が集まり、総勢が約3万を超えたとも言われる薩摩軍と、それを討伐した政府軍との戦いが、スタジオの中でチョイチョイとやってナレーションでまとめておしまいでは、あまりにもつまらないです。西郷隆盛の生涯の終盤の、私学校建設から西南戦争にかけては、物語がどんどん盛り上がると思います。少々気が早い話ですが、11か月後には大河ドラマを観て “涙腺決壊” 状態であったら、と思ってます。鈴木亮平さんなら、やってくれるかな。ドラマの終盤、西南戦争に向けて鹿児島から出陣するシーンです。総大将である西郷隆盛(右側の馬上の人)に対し、行進しながら敬礼をこうするのか、と思って見ていました。以前は気がつかなかったのですが、馬の鞍の下につける障泥(あおり)のデザインが階級によって違っていました。総大将は赤地に金の縁取り、各隊の将は青地に銀の縁取りです。桐野利秋を演じる勝野 洋さんです。勝野さんは殺陣のシーンで迫力あるのはもちろん、このときの馬上から「かしらぁー、左!」と号令をかける姿がすごく素敵でした。『西郷どん』で桐野利秋を演じる方は、どんな感じになるのかな。西郷隆盛を演じる里見浩太朗さんです。陸軍大将の上着には金色の刺繍やボタンはないけど、白い手袋と白いズボンで格の違いを出しているようです。鹿児島の町の人々は出陣を拍手で見送ります。西郷隆盛の身内の女たちは西郷に一礼をし、西郷もそれに応えます。元・会津藩士だった佐川官兵衛は、会津戦争の折に薩摩に賊軍にされた無念を晴らすべく、西南戦争に臨みました。下着には会津戦争で命を落とした仲間たちの名前が書かれています。本田博太郎さんの佐川官兵衛は、迫力満点です。最近の本田博太郎さんは面白い役が多いですが、若い頃はこうでした。九州各地での激戦の後、鹿児島に戻ってきた西郷は、最後の戦いに連れていけない2匹の愛犬を放して自由にしました。西郷たちが鹿児島に戻ってきたと聞き、鹿児島に赴任していた政府の役人たちは恐れをなして鹿児島から出ていきます。町の人々は「帰れーっ!」と叫び、棒やほうきで役人たちを、まさに「叩き出して」います。どこかの気の強いかーちゃんは騎馬戦状態で、役人が振り上げる刀にもひるまず「帰れーっ!」と叫んで役人たちを追い払っています。[DVD] 時代劇スペシャル 田原坂最終決戦で出陣する前日、西郷と生死を共にする者たちが集まり、村田新八が奏でるアコーディオンの音楽(ラ・マルセイエーズ)を聴いて、「地の底から力が湧きあがる、よか曲じゃ。」と皆で楽しんでます。ここは私の大好きなシーンです。翌早朝、西郷たちは城山の岩崎谷に出て政府軍との最後の戦いとなり、皆帰らぬ人となりました。この西南戦争によって薩摩軍 6,745人、政府軍 6,843人、両軍合わせて計 13,608人の戦死者を出し、ここに士族の反乱は終結しました。