大河ドラマ『光る君へ』第25回~「決意」
2024年NHK大河ドラマ 『光る君へ』 の感想です。この回では、藤原道長(柄本佑さん)が政務を疎かにする帝への、己の進退をかけた進言が見どころで、その内容に見入っていました。しかしインパクトでは、まひろ(吉高由里子さん)に求婚して、まひろをどうしても手に入れたい藤原宣孝(佐々木蔵之介さん)の行動が強烈でした。まひろもなんとなくその気になっていたでしょうが、宣孝の道長への牽制やまひろへの矢継ぎ早のアピールを見ていると、まひろの全てを受け入れると言う割には余裕がないように感じました。直秀と周明は、まひろを本当に思うからこそ、まひろの先々を考えて彼女を解き放ちました。道長は高い地位を得て、まひろに関わることを陰で支え、まひろが願うより良い政のために働いています。そう思うと宣孝は、確かにまひろが好きなのだろうけど、手にいれることに躍起になっているだけに見えます。まひろを妻にしたら、全てを受け入れるなんてはじめに言ってたけどそれとは反対の、まひろの心の中にどんな形であれ道長がいることを許さない人になるのでは、と想像しました。さて追加画像で、福井県越前市にある「紫式部公園」に隣接する「紫ゆかりの館」をご紹介します。 ⇒ ⇒ こちら ドラマの中でも時折りまひろが和歌をつづっていましたね。心が何かに動いた時、絵の好きな人は絵で、言葉の好きな人は言葉でその時の思いを残していくことでしょう。こちらでは様々な意見がでていて参考になります。 ⇒ ⇒ #光る君へ 長徳3年(997)冬、越前に国司として赴任した藤原為時(岸谷五朗さん)は大掾の大野国勝(徳井優さん)を伴って越前各地の視察に出ていました。(歴史ドラマを通じて日本の伝統産業が紹介されるのがいいですね。)後日、都に税として納められる越前和紙が国府に届いたとき、為時は和紙が300枚余分に届けられていることに気づきました。まひろ(吉高由里子さん)は和紙が余っているのなら自分たちが自由にできると期待しましたが、それは父・為時にたしなめられました。そして為時は寒さの厳しい冬場に冷たい水で作業をする民を哀れに思い、余った紙を民に返そうと思って呼び出しました。しかし民は、自分たちは役人に頼らなければ生活できない、為時は自分たちを守ってくれると言うが4年の任期でまた国司が変わる、余分な紙は役人へのお礼だと言って返却を固辞しました。さて、この頃の藤原道長(柄本佑さん)と嫡妻・源倫子(黒木華さん)の間には、大君・彰子、太郎君・頼道、中の君・妍子、次郎君・教通と子宝に恵まれ、内裏での仕事も家庭も、また妾の明子(別家庭)との間にも男子が3人いて、充実した日々を送っていました。(道長と共に栄華を誇る田鶴(藤原頼通)、一条天皇の中宮となる彰子、三条天皇の中宮となる妍子、次に生まれる威子は後一条天皇の中宮と、すごい一家ですね。)藤原宣孝(佐々木蔵之介さん)の妻になることにまだどこかで迷いを感じながらもまひろは乙丸(矢部太郎さん)と、越前で海女だったきぬ(蔵下穂波さん)と共に都に帰ってきました。弟・藤原惟規(高杉真宙さん)の乳母だったいとには福丸(勢登健雄さん)という“いい人”ができていました。乙丸ときぬ、いとと福丸のやり取りを見ていて、長年世話になってきた乙丸といとには幸せになってもらいたいと、まひろを心から思うのでした。そうこうしていると宣孝が「待ち遠しかった」とまひろをめがけて家に入ってきて、夜は皆で宴をすることになりました。その宣孝は宴の席で歌にこめてまひろに求愛のしぐさをし、惟規は姉と宣孝の間に何があったのかと少々驚いていました。年が明けて長徳4年(998)、陰陽師の安倍晴明(ユースケ・サンタマリアさん)は内裏で帝(一条天皇)にめでたいことを並べて新年を言祝いでいました。しかし晴明の言葉に疑問を感じた左大臣・道長は、晴明から本音を聞きだしました。晴明はこれからしばらくは凶事が続くと言うので道長が「凶事とは、地震か疫病か、火事か日食か、嵐か大水か。」と問うと、晴明はそれら全てだと答えました。さらに晴明は災いの根本を取り除かねば厄払いしても意味がないと言い、根本とは出家した最愛の中宮・定子を職御曹司に入れて定子と会うようになってから、帝がすっかり政務を怠るようになってしまったことを指していました。晴明は、帝を諫めて国が傾くことを防げるのは道長しかいない、そして道長はよい宝を持っている、と謎めいた言葉を残して去っていきました。季節が移っても帝は定子のところに入りびたりで政務から遠ざかり、道長が鴨川の堤を修繕したくても、帝は急がなくていいと勅命が得られないままでした。大水が出てかれでは遅いという道長の考えを理解している蔵人頭の藤原行成は帝に何度も勅命を願い出ていましたが、定子と過ごす時間しか頭にない帝は政のことは考えたくないようでした。一方、恩赦で都に戻ってきた藤原隆家(竜星涼さん)は飛ばされた出雲の地で政に目覚めたのか、何かと道長に接触して自分を使って欲しいと願い出ていました。(道長の呼び方も、左大臣ではなく「叔父上」とさりげなく親しみを込めてます。この人懐っこさで人心掌握をして、俺、政はイケるわと自信を持ったのかな。)早く帝に鴨川のことを進言して勅命を得なければと藤原行成(渡辺大知さん)は帝の生母である女院の詮子を頼ったのですが、あいにく女院は病に伏していてとても力添えを頼める状態ではありませんでした。帝は政務に出てこない、でも道長から一刻の猶予もないと言われた行成は仕方なく夜分に職御曹司に出向いたのですが、定子のことしか頭にない帝はこんな時分まで自分を追いかけ回すのかととらえ、行成に怒るだけでした。道長は行成の苦労を理解しつつも、行成の働きに頼むしかありませんでした。弟の隆家と共に恩赦で都に戻っていた藤原伊周(三浦翔平さん)は、妹で中宮の藤原定子(高畑充希さん)がいる職御曹司の出入りを許されていました。ききょう(清少納言;ファーストサマーウイカさん)が定子の心を癒すために書いたつれづれ話を読んだ伊周はたいそう興味深く感じました。そしてこれを書き写して宮中に広めてはどうか、皆の評判になれば職御曹司に面白い女房がいると皆が興味を持って集まるようになる、皆が集まれば中宮のいるこの場所が華やいで隆盛を取り戻せる、と思いつきました。そして伊周は早速書写の手配に移り、少納言には続きを書くよう命じました。帝が政を忘れている一方で都には大雨が続き、道長のもとに恒方(尾倉ケントさん)から、ついに鴨川の堤が大きく崩れたとの報が入りました。そして晴明の予言どおり次々と禍いが都を襲い始め、中宮が職御曹司に入ってから悪いことばかり起こる、これは左大臣・道長が帝にはっきりと進言しないからだ、と公卿たちは陰口を言うようになりました。大雨がようやく上がり、都の人々は後片付けに追われていました。職御曹司では相変わらず世間とはかけ離れた時間が流れ、自分たちのかつての隆盛を取り戻したい伊周は、藤原公任(町田啓太さん)を師としてここで歌の会を開いてはどうかといったことを帝(一条天皇;塩野瑛久さん)に進言し、帝も定子が喜ぶからと快諾していました。そこに道長が急に参上、ここでは政の話はしないと言う帝にかまわず、鴨川の堤が崩れて多くの者が命を落とし家や田畑を失った、と報告しました。道長は、堤の修繕の許可を帝に奏上していたけれど見てももらえず、帝は内裏にはいなくて、やむを得ず許可なきままに修繕にかかったけれど時すでに遅しで、一昨日の雨で大事に至ってしまった。これは早く修繕に取り掛からなかった自分の煮え切らなさゆえに民の命が失われてしまい、その罪は極めて重い。このまま左大臣を続けていられないから辞職する、と道長は帝に訴えました。帝は自分の叔父であり朝廷の重臣である道長が自分を導き支えてくれなければと道長の辞職を許しませんでしたが、道長は「帝の許可なく勝手に政を進めることはできない。その迷いが此度の失態に至った。」と訴えました。帝は政を疎かにし過ぎた自分の非を認め、道長に詫びました。道長はその後3度にわたって辞表を提出し、でも帝は受け取りませんでした。道長が災害の処理で忙しい日々を送っている時に藤原宣孝がやってきて、何事かと思ったら先の除目で山城守を拝命したことの礼を言いに来たのは口実で、実は自分がまひろと結婚することを道長に言うために来たのでした。道長は一瞬少しだけ動揺しましたが平静を取り戻し、宣孝を祝いました。宣孝はその後でまひろのところに行き、まひろを妻とすることを道長に伝えてきたと言い、まひろも一瞬動揺して苛立ち、宣孝を追い返しました。しかし後日、道長の家人の百舌彦(本多力さん)がまひろの家まで結婚祝いの品々を持ってきたのですが、そこで渡された文が道長本人の字ではないことにまひろは気がつきました。まひろの中にあった道長へのかすかな望みが消え去ったと感じたまひろは一転、宣孝の求愛を受け入れることにし、夫婦の契りを交わしました。