地方都市に住めば…/11月30日(火)
地方都市に住んだことが2回ほどある。北陸の金沢と、四国の徳島。どちらも思い出や友人をいっぱいつくり、楽しい日々を過ごした。 人口30~40万人くらいの都市は、繁華街もほぼ1カ所に集まっていて、自転車があれば買い物にもほぼ不自由しない。通勤ラッシュや終電も気にせず、人間らしい暮らしができるのがとても嬉しかった。 金沢は、鉛色の曇り空が毎日続く11月から2月さえ耐えられれば、素敵な街だ。空襲に遭わなかったおかげで、裏通りには、藩政時代の面影を伝える武家屋敷が、まだあちこちに残っていて、風情を漂わせている。海水浴にもスキーにも車で1時間ちょっとで行ける。食い物も、とくに海の幸(とくに甘エビ)の旨さは、それまで味わったことのないものだった。 一方、徳島は気候温暖で、こちらも金沢に負けないくらい美味しい食材があふれていた。物価(家賃や飲食費など)も都会に比べ、驚くほど安かった。(その分、平均賃金は都会に比べ少ないが…)。阿波踊りで知られるような、ラテンなノリが好きな県民性も魅力的だった。 都会に生まれ育ったので、基本的には都会が好きな性分だが、歳をとって時間ができたら、地方都市に別宅でも持って、1年のうち何ヶ月かはそこで暮らすのも面白いかな、と思うこの頃。「そんな財政的余裕、どこにあるの」というつれ合いの声が、後ろから聞こえてきそうであるが…。