マイ・ベスト・ロックアルバム(上)/8月22日(日)
友人から「お前のベスト・ロックアルバムを教えてくれ」と言われました。普段はあまり考えたこともなかったのですが、いい機会なのでベスト20を選んでみることにしました。選考の基準にしたのは、アルバムの収録曲に駄作が皆無かほとんどなく、繰り返し聴いてもあきないという点です。言葉を換えれば、「アルバムトータルとしての完成度、レベルの高さ」です。 従って、例えば、エルトン・ジョンだと、僕が一番好きな曲は「Your Song」ですが、選んだアルバムには入っていません。同様に、ビリー・ジョエルで一番好きな曲「Honesty」も「下」で紹介するアルバムの収録曲ではありません。さて、うらんかんろが選んだベスト20とは--(上下2回に分けて紹介します)。1.Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Beatles) この「Sgt.Pepper's…」を1位とすることに異論のある人はそういないだろう。様々な音楽雑誌のアンケートやランキングで、何度も1位に輝いている名盤中の名盤。1967年の制作・録音なのに、今聴いても古くささがまったく感じられない。1曲、1曲のクオリティの高さ、アルバムの曲の流れ、トータルとしての完成度、どれをとっても奇跡のようなレベルに達している。ビートルズが一番輝いていた頃の最高傑作と言っていいだろう。これを聴かずして、ロックを語ることなかれ、だ。 2.Tapestry (Carole King) 2位には、僕は迷わずこれを選んだ。キャロル・キングはシンガー・ソングライターの草分け的存在。60年代初めから作曲家としてすでに名声を確立させ、70年代からは歌でも我々を魅了し続けてくれる。名曲「You Got A Friend」の入ったこの「Tapestry」(1971年発表)も、ロックアルバムのベストランキングで必ずベスト10に入る不朽の名作だ。駄作が1曲もなく、僕は今でも、年に何度も心地よく聴いている。68歳の今も現役バリバリで活躍を続けるキャロルに乾杯!3.Deja Vu(Crosby, Stills, Nash & Young) 米ウエスト・コースト系ロックが好きな僕は、今回のランキングでもその系統のアーチストを数多く選んでいる。ウッドストック・コンサートで衝撃的なデビューを果たしたこの4人組みのCSN&Yは米(Crosby, Stills)、カナダ(Young)、英国(Nash)の混成チーム。だが、多国籍だからこそ、このような複雑で素晴らしいアコースティック・サウンド&コーラスワークが生み出せたのではないかと思っている。アルバムの中でも「Our House」が大好きで、うらんかんろのBarでの愛唱歌でもある。1970年発表。 4.Rubber Soul (Beatles) 「Sgt.Pepper's…」より2作前、1965年に発表されたアルバム。収録曲では「Michelle」「Drive My Car」「Norwegian Wood」「In My Life」などが有名だが、トータルとしての完成度でも「Sgt.Pepper's…」に決して負けない。何よりも、ビートルズがその音楽的センスをどんどん発展・充実させていった軌跡が最もよくたどれるアルバムだと思う。Goergeが作った「Think For Yourself」もあまり目立たないがもっと評価されていい佳曲だ。5.Abbey Road(Beatles) 1969年発表。ベスト5にビートルズを3枚も入れるのはやり過ぎと言われるかもしれないが、発売と同時に買ったLPに初めて針を落とし、「Because」に始まるB面の9曲のメドレーを初めて聴いた時の衝撃は今でも忘れられない(「Come Together」「Something」「Oh,Darling」「Here Comes The Sun」など収録された他の名曲もかすむほど…)。偉大なグループが解散前に見せた最後の輝きがこの1枚だったのかもしれない。同時期に録音したアルバム「Let It Be」よりも、僕は好きだ。 6.Bridge Over Troubled Water (Simon & Garfunkel) サイモンとガーファンクルは現在でも音楽活動を続ける息の長いデュオ。フォークっぽい音楽でデビューしたので、ロックに含めるのに抵抗のある方もいるだろうが、彼らが音楽的な影響を与えた世界(アーチスト)を考えると、やはりロックだろう。デュオで何枚もアルバムを出している彼らだが、その存在を偉大ならしめたアルバムはこれに尽きる。全世界で数千万枚も売れた理由は説明せずとも、聴けばよく分かる。個人的には「明日に架ける橋」のピアノを一生懸命コピーした懐かしい思い出がよみがえるアルバムだ。1970年発表。7.Goodbye Yellow Brick Road (Elton John) エルトン・ジョンは僕にピアノという楽器に挑戦するきっかけを与えてくれた人だ。名曲「Your Song」と出合うことがなければ、僕はきっと一生ピアノを弾いていなかったと思う。60年代末にデビューしたエルトンも、今なおエネルギッシュに活動するアーチストの1人。多作な彼はたくさんのアルバムを出しているが、完成度の高さではやはり、これが一番(当初は2枚組LPで発表された)。エルトンというアーチストの多彩な、幅広い音楽性を感じさせてくれる。1973年発表。 8.Led Zeppelin 2 (Led Zeppelin) Zeppelinも、活動期間は短かかったけれど、ロックの音楽史では欠かせないグループだ。名曲「天国への階段(Stairway To Heaven)」のほか、素晴らしいアルバムを数多く残している(1st~4thのアルバムは特に良い!)が、トータルの完成度という点で僕は、1969年発表の、このセカンドアルバムを推す。学生時代、買ったLPを文字通り針が擦り切れるほど聴き込んだ。「Heart Breaker」のギターフレーズもよくコピーした。 9.Hotel California (Eagles) イーグルスは70年代半ばから活動を始めた米ウエスト・コースト出身のバンド。ウエストコースト・サウンドの軽快で、メロディアスという特徴をよく体現している。グループがブレイクするきっかけとなったのがこのアルバム(1976年発表)。イーグルス最大のヒット・アルバムになったが、残念ながら、彼ら自身その後、このアルバムを超える一枚は生み出せなかった。アルバムタイトルとなった1曲はもちろん、どの曲も印象的な素晴らしい曲ばかり。 10.Late For The Sky (Jackson Browne) ジャクソン・ブラウンも70年代から活動を始めたウエスト・コーストを代表するシンガー・ソングライター。イーグルスやジャクソン5にも曲を提供していた。素朴な味わいある声、アコースティックなサウンド、親しみやすいメロディーで知られる。大ヒットした曲もないし、爆発的に売れたアルバムもないけれど、コアなファンに支えられて60代に入った今も地道に音楽活動を続けている。1974年発表のこの「Late For The Sky」はそんな彼の最も評価が高いアルバムだ。【マイ・ベスト・ロックアルバム(下)】に続く ※CD写真は基本的にTower Record HPから引用しました。御礼を申し上げます。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】