【全面改訂版】カクテル--その誕生にまつわる逸話(41)/2月28日(木)
【おことわり】レシピやスタイルは標準的なもので、絶対的なものではありません。文献やバーテンダーによっては違う割合、材料、スタイルでつくっていることもあります/レシピの丸カッコ内の数字(単位)はmlです。 ◆カクテル ―― その誕生にまつわる逸話(2012年版:ABC順)(41) 122. スカイ・ダイビング(Sky Diving)【2016~19年改訂新版】で記述内容を更新しています。そちらをご覧ください。 ************************************ 123. スレッジ・ハンマーまたはスレッジ・ハマー(Sledgehammer)【レシピ】ウオッカ(50)、コーディアル・ライム・ジュース(または生ライム・ジュース)(10)【スタイル】シェイク 【グラス】カクテルグラス 1920~30年頃から存在する古いカクテルと言われる。「スレッジ・ハンマー」とは両手で振りおろして使う大型の槌(つち)。ウオッカ6分の5、ライム・ジュース6分の1という、ややハードなカクテル。ハンマーで殴られたようにガツンとくるドリンクというイメージからこの名が付いたと伝わる。 基本的にウオッカ・ギムレットと同じレシピだが、こちらは生ライム・ジュースではなく、甘口のコーディアル・ライム・ジュースを使うのが正式なレシピ。現在では、生ライム・ジュースを使っても構わないとされる。あらかじめ氷を1個グラスにいれておくこともある。 そこそこに知名度はあるカクテルだが、欧米のカクテルブックで紹介している例は、なぜかほとんどない。同名カクテルで、ブランデー(20)、ラム(20)、カルバドス(20)、ペルノー1dashという別レシピのものも存在する(出典:WEB専門サイト)。 【確認できる日本初出資料】カクテール全書(木村与三男著、1962年刊)。 ************************************ 124.スネーク・バイト(Snake Bite)【レシピ1】ビール(150)、シードル(リンゴ酒)(150)【スタイル】ビルド 【グラス】ビア・グラス 英国のパブで生まれたビア・カクテル。シードル(CiderまたはCyder)は発泡性または非発泡性のリンゴ酒(英国ではほとんどが発泡性)だが、アルコール度数は6~8%とビールよりもやや高い。日本で言う甘い、ノンアルコールのサイダーとよく間違われるが、れっきとしたお酒である。 口当たりはいいのだが、ビールをジンジャー・エールで割って度数が下がる「シャンディ・ガフ」などと違って、「シードル」で割れば度数は高くなり、酔っ払いやすい。カクテル名は直訳すれば「蛇のひと噛み」。飲みすぎると「毒蛇にかまれたみたいに足がもつれる」ということで、この名が付いたと伝わる(出典:Webの複数の専門サイト)。 このため英国のパブでは、早く飲みすぎて酔っ払いやすい「スネーク・バイト」の注文は受け付けない店もあるという。北ヨークシャーのパブで「スネーク・バイト」を頼んだクリントン米大統領も断られたというエピソードがある(出典:Wikipedia英語版)。 そこそこに知名度はあるカクテルで、WEB上では複数のサイトで紹介されているが、収録しているカクテルブックは現時点では、日米欧ともに見当たらない。シードルの名が日本で比較的よく知られるようになったのは、1990年代以降と思われる。 なお、ギネスのトマト・ジュース割りのカクテル「レッド・ハット」ことを「スネーク・バイト」としている専門サイトもいくつかあるが、根拠資料は不明。 【確認できる日本初出資料】現時点では見当たらない。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】