【予告を兼ねた前書き】「改訂新版:カクテル--その誕生にまつわる逸話」連載近日スタート/11月5日(土)
個人的な興味・関心から、長年、クラシック・カクテルの研究続けているうらんかんろは、2012年~13年にかけて、(クラシック・カクテルを含む)約150種のカクテルについて、その誕生にまつわる逸話や歴史的事実をまとめた「カクテル--その誕生にまつわる逸話」を、このブログ上で約50回に渡り連載いたしました (連載は、主にバー業界で働くプロの皆さん、これからバー業界を担う若い世代のバーテンダーの皆さん、そしてカクテルやカクテルの歴史にご興味のある方々を読者に想定した、ややプロ向けの専門的な内容でした)。 それから約3年が経ちました。引き続き、クラシック・カクテルの研究を続けていたところ、新たな文献・資料の発見、知見もあって、前回の連載内容を一部、追加・修正した方が良いと思うような状況になりました。 折しも欧米では5年ほど前から、ロンドンやニューヨーク、パリなど大都市のバーを中心にクラシック・カクテルを再評価する、「原点回帰」のようなブームが起きています。一方で、カクテルの世界ではいま、バーテンディングの技術向上はめざましく、それを支える様々な革新的機械や道具、材料の登場もあって、日々創造されるカクテルの進化には驚くべきものがあります。 しかし言うまでもありませんが、「現在」とは「過去」の積み重ねの結果です。カクテルの世界も、先人達の血のにじむような努力の積み重ねがあって「今」があります。あらゆる職業においても通じることでしょうが、うらんかんろは、「過去」を学ぶことは、必ずや「未来」の創造・発展につながると考えます。日本のバー業界で働く皆さんとっても、いまクラシック・カクテルのことをより深く知ることは極めて有益で、必要不可欠なことではないかと信じています。 そこで、新たに「改訂新版:カクテルーーその誕生にまつわる逸話」の連載を始めたいと思います。今回もABC順で紹介していく予定ですが、「改訂新版」では、以下の4点を基本方針にしつつ執筆したいと考えています(今回も基本は、プロ向けの内容となります)。 1.実際のカウンターの仕事で重要度が高いもの(バーテンダーとして最低限知っていて損はないと思われる知識・史実・データ)を優先して紹介いたします。 2.一方で、前回取り上げたカクテルのうち、バーテンダーの日々の仕事でさほど重要度がないと思われるものは、今回は収録を見送ります。 3.前回取り上げたカクテルのうち、日本国内ではさほど知名度はなくとも、昨今の欧米でのクラシック・カクテル再評価の流れで再び注目を集めているものについては、あえて残すことにしました。 4.前回取り上げなかった比較的近年に誕生したカクテルでも、その後国内での普及が進んで、知識としての必要度が高くなってきたと思われるものを、新たにいくつか加えたいと思います(本編が終わった後に、「追補」という形で掲載する予定です)。 今回初めてこの連載をご覧になるバーテンダーの方で、内容にご興味のある方は(当面は単行本になる予定はございませんので)ぜひファイリングして座右に置いて参考にして頂ければとても嬉しく思います。 なお、連載の各回をアップした直後は、(前回の連載時もそうでしたが)誤字・脱字等の修正や各方面からのご指摘等を反映させるために、随時修正・加筆をいたします。修正・加筆反映済みのものをプリントアウト(印刷)される場合は、連載アップから2週間くらい後の時期をお勧めいたします。 以上、どうぞご期待ください。最後までお読み頂ければ幸いです。この連載が、カクテルという商品でお客様を楽しませようと日々、懸命に励んでおられるバーテンダーの方々のお仕事に少しでもお役に立てば、これに勝る喜びはありません。【おことわり&御礼】この連載にあたっては、これまで定説とされてきたカクテルの逸話・伝説を鋭く分析し、その矛盾をいくつか指摘された石垣憲一氏の著書「カクテル ホントのうんちく話」(2008年、柴田書店刊)から、今回も著作権法違反にならない範囲で、その内容も引用・紹介させていただきました。この場をかりて石垣氏には敬意を表するとともに、心から感謝を申し上げたいと思います。さらにご興味のある方は、ぜひ石垣氏の原著もお読みいただければ幸いです。 また、この連載のベースとなる参考資料閲覧等では、古いカクテルブックに詳しく、貴重な文献も所蔵されている神戸のバー・サヴォイ・オマージュ(Savoy Hommage)の森﨑和哉マスターと、東京・銀座のバー・アンサム(Anthem)の浅倉淳マスターには資料提供等でとてもお世話になりました。洋酒ライターの石倉一雄氏にも様々な場面で貴重なご助言を頂きました。 さらに、前回の連載以降、古い時代のカクテルに造詣が深い岐阜のバー・バロッサ・コクテリエ(Barossa Cocktailier)の中垣繁幸マスターからは、貴重な参考資料やご意見も頂きました。また「カクテル・ラボ」の山口実氏にも貴重な参考資料や情報を頂きました。五人の皆様には改めて、心から感謝申し上げます。 連載「改訂新版:カクテル、その誕生にまつわる逸話」は近日中にスタートする予定です。ご愛読をよろしくお願いいたします(掲載は不定期となりますが、何卒ご了承ください)。また、連載中、お気づきの点がございましたら、arkwez@gmail.com までご連絡頂ければ嬉しく思います。【主な参考文献】この連載にあたっては、上記・石垣氏の著書以外にも、うらんかんろが(原本または復刻本あるいはコピー本という形で)所蔵する以下の文献を参考にさせていただきました。この場をかりて著者である先人の皆様へ心から感謝を申し上げます。また、インターネット上の酒関係のサイト(HP)からも、少なからぬ貴重な参考情報を頂きました。重ねて御礼申し上げます。連載では、出典元やURL等については可能な限り明示するつもりでおります。 <日本>・「洋酒調合法(欧米料理法全書附録)」(高野新太郎編、1907年刊)・「飲料商法・西洋酒調合法」(伊藤耕之進著、1913年刊)・「カクテル(混合酒調合法)」(秋山徳蔵著、1924年刊)・「コクテール」(前田米吉著、1924年刊)・「カクテル製法必訣」(中田政三著、1926年刊)・「コクテール 混合酒調合法」(秋山徳蔵著、1929年刊)・「カクテル」(安土禮夫著、1929年刊)・「風流な飲料 コクテル乃作り方」(佐藤紅霞著、1930年刊)・「世界コクテル百科辞典」(佐藤紅霞著、1931年刊)・「スタンダード・カクテルブック」(JBA編 村井洋著、1936年刊)・「世界コクテール飲物辞典」(佐藤紅霞著、1954年刊)・「オーソドックス・カクテルズ」(落合芳明著、1955年刊)・「壽屋カクテルブック:Enjoy Your Favorite Recipes」(壽屋編、1955年刊)・「洋酒 ストレートからコクテールまで」(佐藤紅霞著、1957年刊)・「カクテルの本」(間庭辰蔵著、1959年刊)・「カクテル・ガイド」(落合芳明著、1961年刊)・「洋酒とカクテル」(斎藤良美著、1962年刊)・「Standard Mixing Guide」(三沢三之助著、1962年刊)・「カクテール全書」(木村与三男著、1962年刊)・「洋酒とカクテル」(寿屋編、1962年刊)・「JBAカクテルブック」(JBA編、1963年刊)・「カクテル小辞典」(今井清&福西英三著、1967年刊)・「酒の百科」(石野誠著、1969年刊)・「バーテンダー教本2:スタンダード・カクテル」(福西英三ら3氏共著、1970年刊)・「図解カクテル」(浜田昌吾、1971年刊)・「たのしむカクテル」(今井清著、1976年刊)・「カクテル・マニュアル」(堀井浩一著、1977年刊)・「バー・ラジオのカクテルブック」(尾崎浩司著、1982年刊)・「カクテル入門」(福西英三著、1982年刊)※カラーブックス(文庫版)・「すてきな夜にはカクテル」(木村与三男著、1983年刊)・「ザ・サントリー・カクテルブック」(サントリー&電通編、1984年刊)・「バーテンダーズ・マニュアル」(福西英三ら3氏共著、1987年初版)・「カクテルブック」(上田和男著、1989年刊)・「新カクテール全書」(木村与三男著、1989年刊)・「カクテル・コレクション」(オキ・シロー著、1990年刊)・「NBAオフィシャル・カクテルブック」(1990年初版)・「カクテル・ハンドブック」(花崎一夫著、1990年刊)・「カクテルズ」(福西英三著、1994年刊)・「スタンダード・カクテル101」(毛利隆雄著、1996年刊)・「リキュールブック」(福西英三著、1997年刊)・「ザ・ベスト・カクテル」(花崎一夫著、1998年刊)・「毛利隆雄のカクテルブック」(毛利隆雄著、1998年刊)・「ちょっと大人のカクテルストーリー」(橋口孝司著、1999年刊)・「カクテル・テクニック」(上田和男著、2000年刊)・「バーテンダーズ・ポケット・バイブル」(なしきひろし著、2002年刊)・「マイ・スタンダード・カクテル」(田中利明、永岡正光、内田行洋共著、2003年刊)・「洋酒うんちく百科」(福西英三著、2004年刊)・「福島勇三のカクテルバイブル」(福島勇三著、2005年刊)・「カクテル・ハンドブック」(YYTプロジェクト編、2005年刊)・「HBAバーテンダーズ・オフィシャルブック」(2006年初版)・「読むカクテル百科」(福西英三著、2008年刊)・「カクテル ホントのうんちく話」(石垣憲一著、2008年刊)・「パブ西川亭 ドリンクノート」(西川英夫著、2011年刊) <海外>・「How to Mix Drinks or The Bon-Vivant’s Companion」米(Jerry Thomas著、1862年初版、1999年再版) ※所蔵しているのは、初版の復刊本・「Bartender’s Manual」米(Harry Johnson著、1882年初版、1934年再版、2008年復刻版刊)・「The Modern Bartender's Guide」(O.H. Byron著、1884年初版、2008年復刻再刊)・「American Bartender」米(William T Boothby著、1891年初版、2009年復刻再刊)・「Modern American Drinks」米(George J Kappeler著、1895年初版、2008年復刻版刊)・「Daly’s Bartender’s Encyclopedia」米(Tim Daly著、1903年初版、2010年復刻版刊)・「World Drinks and How To Mix Them」米(William T Boothby著 1908年初版、1934年再版)・「Bartenders Guide:How To Mix Drinks」米(Wehman Brothers編、1912年初版、2008年復刻版刊)・「173 Pre-Prohibition Cocktails」米(Tom Bullock著、1917年初版、2001年再刊)・「Harry's ABC of Mixing Cocktails」英(Harry MacElhone他著、1919年初版、1986年再版)・「Cocktail, How To Mix Them」米(Robert Vermeire著、1922年刊、2015年復刻版刊)・「Barflies and Cocktails」仏(Harry MacElhone他著、1927年刊、2012年復刻版刊)・「Shaking Up In New Orleans: Authentic Vintage Cocktails from A to Z」(Olive Leonhardt & Hilda Phelps Hammond著、1929年刊、2015年復刻版刊)・「The Savoy Cocktail Book」英(Harry Craddock編 1930年刊の初版&2002年刊の日本語版)、・「Cocktails」米(“Jimmy”late of Ciro’s著、1930年初版、2008年復刻版刊)・「The Artistry Of Mixing Drinks:The Ritz Bar, Paris」(Frank Meier著、1934年刊)、・「The Official Mixer’s Manual」(Patrick Gavin Duffy著、1934年初版刊、1948年改訂版刊)、・「The Old Waldorf-Astoria Bar Book」(A.S.Crockett著、1935年刊、2003年再版)・「Mr.Boston Bartender's Guide」(1935年初版=コピー、40年版~90年版を何冊か)・「Bar la Floridita Cocktail Book」(1935年刊、2008年復刻版刊)・「Cafe Royal Cocktail Book」(W.J.Tarling著、1937年刊)・「The Stork Club Bar Book」(Lucius Beebe著 1946年刊)・「Bartender's Guide」(Trader Vic著、1947年刊)・「Esquire Drink Book」(Frederic Birmingham編、1956年刊)・「The Cocktail Bar: How To Make Exiciting Cocktails」("Charles"著、1960年刊)・「The Bartender's Guide」(Patrick Gavin Duffy著、1970年刊)・「Booth's Handbook of Cocktails & Mixed Drinks」(John Doxat著、1977年刊)・「The Bartender's Standard Manual」(Fred Powell著、1979年刊)・「Vogue Cocktail Book」(Henry McNulty著、1982年刊)・「Ritz London: Book of Drinks & Cocktails」(Jennie Reekie著、1990年刊、2008年再版)・「American Bar(シューマン バー・ブック)」(Charles Schumann著、1991年初版刊、2002年日本語版刊)・「Cocktails」(Chancellor Press編、1993年刊)・「New York Bartender's Guide」(Sally Ann Berk著、1995年刊)・「Classic Cocktails of The Prohibition Era」(Phillip Collins著、1997年刊)・「The Classic Bar & Cocktail Book」(Jonathan Goodall著、1998年刊)・「Vintage Cocktails: Authentic Recipes and Illustrations From 1920~60」(Susan Waggoner & Robert Markel著、1999年刊)・「Cocktail」(Oona Van Den Berg著、2001年刊)・「The Craft Of The Cocktail」(Dale DeGroff著、2002年刊) ・「The Cocktails Stories of the Ritz Hotel, Paris」(Colin Peter Field著、2003年刊)・「Cocktails In New York」(Anthony Giglio著、2004年刊)・「The Book Of Cocktails」(Salamamder Books編、2006年刊)・「Imbibe!」(David Wondrich著、2007年刊)・「Cocktails」(James Butler & Vicki Liley著、2007年刊)・「Classic Cocktails, A Modern Shake」(Mark Kingwell著、2007年刊)・「The Essential Cocktail:The Art Of Mixing Perfect Drinks」(Dale DeGroff著、2008年刊)・「500 Cocktails」(Wendy Sweetser著、2008年刊)・「Complete World Bartender Guide」(Bob Sennett著、2009年刊)・「Vintage Spirits and Forgotten Cocktails:100 Rediscovered Recipes and The Stories Behind Them」(Quarry Books編、2009年刊)・「The Best Cocktails In The World」(Janni Davis著、2010年刊)・「Speakeasy: Classic Cocktails Reimagined, From New York’s Employees Only Bar」(Jason Kosmas & Dushan Zaric著、2010年刊)・「Bitters: A Spirited History of A Classic Cure~All With Cocktails, Recipes & Formulas」(Brad Thomas Parsons著、2011年刊)・「The PDT Cocktail Book: The Complete Bartender’s Guide From The Celebrated Speakeasy」(Jim Meehan著、2011年刊)・「Gatsby Cocktail: Classic Cocktail From The Jazz Age」(Ellen Pamavelas & Julia Charles著、2012年刊)・「Cocktail: A Global History」(Joseph M Carlin著、2012年刊)・「The Classic Cocktail Bible」(Octopus Publishing編、2012年刊)・「American Bar: The World Most Glamorous Cocktails」(William Yeoward著、2012年刊)・「Harry’s Bar, The Original」(Isabelle MacElhone編、2012年刊)・「Bond Cocktails」(Katherine Bebo著、2015年刊)・「Cocktails: Maxime Heorth, Le Bristol Paris」(Maxime Heorth著、2015年刊)・こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】