カテゴリ:かやばの告白
言いたいことを言い、A子も反省したのか、元の落ち着いた日々が戻ってきた
何気に後ろを向いても、もう柱に隠れる陰はない 私は再び安心して普段の生活に戻る事ができた しばらくして、彼が今住んでいる家を買い、一人暮らしを始めるという話が出てきた 実際は一人暮らしが始まると、私も週の半分くらいを彼の家で過ごした そんなある日、彼の両親が海外出張の為家を空けるとの事なので、一週間程彼が実家に帰った事があった 当然、その間私も実家に帰っていた インターネットに接続しようと思い、だったら彼の家にあるモバイルパソコンを実家に持って帰った方がいいなと考え、彼の家に行った時、事件は起こった 彼が購入した家は新築マンションでオートロックになっていた 玄関はガラスの壁で囲まれており、1階フロアやエレベータの様子などは容易に見る事ができる 新聞を取り、エレベーターに向かおうとした時、私が目にしたものは ガラスのドアの向こうで笑いながら手を振るA子 勿論、同じマンションに住んでいる訳ではない 近所に住んでいて、偶然私を見掛けただけかも知れないが、道で声を掛けず、そこまで付いてきたのは事実だ 恐くなって、それでも笑顔で「じゃぁね」と手を振り、ドアを開ける事なくエレベータに向かった その様子を見たA子は「あれ?おーい」とだけ言っていた 私は彼の部屋のある階で降りず、別の階で降り階段を使い、彼の家に行った 部屋に入った途端、恐怖から涙が溢れだし、警察に電話していた 警察は話は聞いてくれた ただ、話を聞いて「実際は被害が出ていない訳ですよね?それだと、担当者から連絡が行くのは遅いと思いますよ?他にもねぇ、被害が出ているケースがありましてねぇ、どうしてもそちらが優先されてしまうんですよね」と言った 連絡先を告げ、担当者からの電話を待ったが、連絡は来なかった (ただ、何回か見知らぬ電話番号が着歴に残っていた事はあったものの、当時はワンギリ詐欺が横行していた時だったし留守番メッセージに何も残っていなかったので、こちらから折り返す事はしなかった) その事件から、たまに街中でA子を見掛ける事が増えていったのだ… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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