テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:イタリアンなお話
今朝は目覚ましをきっちり8時半に合わせて起きた。
ホームドクターの予約時間は8時半から12時まで。それまでにどうしても、今日の診察の予約をしなければならない。 不安だった。どう言いくるめたら今日の予約が出来るか?電話番号をプッシュしながら、あれこれと対策を練った。 しかし、8時半と同時に電話に飛びついたもののず~~~っと通話中である。 我が田舎町にはこんなに病人が多いのか? やっと1時間ほどして電話が繋がった。 案の定、看護婦は渋々とした声で「今日?無理ですよ。今日は予約でいっぱいです。数日後ならなんとか押しこめますけど。。。」 わたしは「足が真っ赤に腫れあがって痛いんです!それに先週金曜の時点で病院には緊急にホームドクターに行くようにって言われてるんです!」と有無を言わさぬ口調で答えた。 看護婦にはわたしの病状よりも、「病院に言われた。」というセリフが効いたらしい。「。。わかりました。今日の12時50分ってことで。でも遅れず来てくださいね。本来診察は12時半で終わりなんですから。」 やった!!言ってみるものである。というか、本当の急病人なのに、まるでへたな小細工が成功したような感に襲われるのはいったいどういうことだろう? 実際わたしの足はドンジョイをはずして以来、ケロイドのようにズル剥けだった皮膚はオロナイン軟膏を毎日塗る事によって治ってきたものの、熱を持って腫れたままだった。 そこに持ってきて、おっとが病院の医者の勧めでさっそくニーノ(わたしと同じく事故った友達)のお姉さんからジム用の自転車を借りてきたのだ。 おっと「20日も遅れを取っているんだから我慢して漕いで!」と星一徹のごとく、わたしが「痛いいたい!!」痛みを訴えても自転車から降りることが許されず、漕ぎ続けたので、ひざはますます腫れあがり、痛くて歩けないぐらいになっていた。 予約時間の10分前、わたしはおっとに支えられて医院に着く。 おっとはそのまま仕事に戻り、わたしは待った。「なんだ、もう診察時間が終わってるのにまだ待合室は満員じゃないか?」 1時間ほど待ったところでようやくわたしの番となった。 待つ患者も辛抱強いが、診察時間がとっくにすぎてもまだ診察しなければならない女医もご苦労なことである。 女医は「まあ、いったいどうしたの!?」とびっこのわたしの足を見て驚いた。 無理もない。前回わたしがここに来た時には「妊娠」というおめでたいニュースを持って出ていったのだから。 わたし「あれから数日後にいろいろな事が一度に起こったんです。。」とかいつまんでニュースを語る。 女医は目を見開き、言葉を失って「。。。まあ、大変だったのね。お気の毒だわ。」とやっとそれだけを言った。 状況を飲みこんだ女医は病院のカルテを丁寧に読んでいく。 そしてわたしは20日前からはじめなければならなかったリハビリがまだなのを語り「ガイジンにはイタリアの医療システムがわからなくって。」とこぼすと、女医は「会社の休暇はどうしてるの?労災にはもう、申請した?そういうことをするのはホームドクターの仕事なのよ。」と聞いて来た。 そういえば、これも知らなかった。救急でバタバタと入院となったときに、急患受付で仕事を聞かれ、病院側でこちらから言わなくとも書類を作成してくれたのだ。会社にもその書類を直ちに提出するように言われてその通りにし、この件に関してはとんとんと事が進んだのである。 わたしが労災の書類を見せると女医は「ああ、救急で入院したのね。」とすぐに理解して安心する。 しかしわたしが退院してから今までに診察に払った領収書を見ると「え、どうして払ったの?労災でカバーできるから無料のはずなんだけど。。。?」 なんだって!?今までレントゲンも含めてかなりの額を払ったぞ!! 女医「次から診察の時には労災でカバーできるから、って病院の医師に言うのよ。」と無料になる病院でのリハビリ申請の赤紙を書いてくれたのだった。 くっそ~。。。。これだけじゃない。 無知って事で、家のことといい、病院のことといい、相当な額を損している。 どうにもならない悔しさでいっぱいになった。 20日も遅れを取ったリハビリに関しては女医はさほど驚きを見せることなく「とにかく無理しないように毎日続けることが肝心だから。」と自宅で出来るリハビリの図のコピーをくれた。 見れば座って、足をゆっくり出来るところまで曲げたり伸ばしたり、の単純運動である。 わたし「あの~。。病院の医師に言われて自転車漕いでるんですけど?」 女医「え!あなた20日間、筋肉を動かさなかったんでしょ?自転車はまだ早すぎるわ。病院のリハビリに通うようになって、リハビリ師の指示があってから始めなさい。さっきも言ったけど無理は絶対禁物よ。痛くなったらすぐに止めなさい。それとひざは常に氷で冷やしておくように。」 わたし「は、はあ。。。」 この週末、わたしはまったく良くない事をやっていたわけだ。星一徹になりきっていたおっとに直接このセリフを聞かせたかった。 というか、あの何に付けても不親切な病院の医師をぶん殴りたかった。 皮肉にも診察室から出たと同時におっとがわたしを迎えに医院に入ってきたのであった。 その後、昼食も食べずに病院にリハビリの予約へ。 1ヶ月後にしか空きポストがない、という窓口のお姉ちゃんに、ホームドクターの予約時同様、緊急性を訴えるとやっと4月7日始まりの穴を見つけてくれた。 それでもずいぶん待たされるが、仕方が無い。妥協した。 だってここはイタリアなのだ。はああああああああ・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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