テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:ご近所物語
今週に入って、何もしていないのに忙しくなった。
というのは、月曜日から入院していた隣町の病院で本格的なリハビリが始まったのだ。 家でも毎1時間ごとに所要時間約20分のリハビリ運動をしなければならず、なんだか気ぜわしい。 病院のリハビリは朝9時から1時間、2週間のプログラムである。 今までは月に2~3回の診察のみだったので、仕事中のおっとに無理を承知で送迎してもらっていたのだが、毎日、2週間となるとおっとが切れた。 おっと「忙しいのに毎日なんて行けないよ!バスがあるでしょう、バスが!!」 え~・・なぜ今までバスを利用しなかったかというと、歩けなかったのもそうなのだが、こんな田舎町なので1日数本しかないのだ。 しぶしぶバス停に時刻表を見に行くと、9時10分に病院前に着くバスはあるが、それでは遅い。その前のバスは7時40分だった。 は、早過ぎる。。。汗 しかしまじめ日本人のわたしは月曜日の初日は9時10分ではなく、当然のごとく7時40分に病院に着くバスに乗り込んだのだった。 ちょうどその時間帯は通学時間帯だ。松葉杖をつきながらヨロヨロとバスに乗り込む。座席は小中学生で埋まっていた。立っているのは大人ばかりだ。 一番前の座席の前に立つと今までぼ~っと窓の外を見ていたその座席の中学生の女の子が慌てて教科書を広げて読む振りをはじめた。 まったく最近の若いもんは。。。。 しかしバスの運転手も運転手で、切符を切りもしないうちから、バスは容赦なく急カーブしてわたしはこけそうになって棒をしっかり掴む。 山坂だらけの我が田舎町をバスは10分ほどガタゴト暴走して病院に着いた。 わたしはこんな状況で五体満足で目的地に着いたことに感謝せざるおえなかったのであった。 まだ人もまばらな待合室で約1時間半ほど待って9時になるが担当のリハビリ師は到着しない。9時15分頃「お待たせしました。」とやってきたので、「くっそ~、9時10分着のバスで間に合ったじゃないか!?」とまだ抜けきらない自分の日本人的まじめさを恨んだのである。もちろん昨日からは9時10分着のバスで行くようになったが、文句を言われてない。 月曜日はこのおっとりとしたリハビリ師のお姉さんにベッドの上で筋肉をほぐすマッサージと、家で出来るリハビリ運動を教えてもらって終わった。 昨日からはまるで電気イスのようなものにベルトで手足、腹を縛り付けられ、身動きの取れない状態で左足だけオートに振り子のように上下する機械に座らされている。 左ひざはまっすぐになる限界と曲がる限界の角度を機械にインプットしてその範囲内で振り子がメトロノームのようにどんどん早くなっていくというものだ。 初日は機械の組み立てにリハビリ師のお姉さんが大いに時間をかけすぎ、今日は組み立ての間違えた状態で縛り付けられたので、それをほどいてまた縛り付けられるのに時間がかかった。イラチのわたしは今日にはすっかり機械の組み立て方を覚えてしまい、お姉さんを手伝った。 そういえば手術の時、手術台の組み立ても手伝ったな。。。。イタリア人は工作がヘタなんだろうか?? それはともかくこの機械、静止した状態でひざの角度を限界にたので、振り子になると「イタタ~ッ!!」と声をあげるほど痛いのだ。痛みに身をよじろうとしてもしっかり固定されているのでジタバタも出来ない。しかし冷や汗をかきながら、その運動を900回も繰り返していると、筋肉がほぐれ、痛みがなくなってくる。 機械から開放された時には足が軽くなっていて、1時間ほどはまるで全快したような爽快感が味わえるのだ。 今日もそんな機械のハプニングのおかげで、900回で終わる振り子運動を1200回もされることになり、終わったときには更に足が軽かった。 しかし、時間をロスしたおかげで数少ないバスに乗り遅れてしまう。次のバスの時刻を見ると幸運にもたった1時間後であった。 ラッキー。 足は軽いし、今までゆっくり見たことのない隣町を松葉杖でヨロヨロと散策して楽しみ、病院のひとつ向こうのバス停の終着地まで歩いた。 ちなみにイタリアのバスはバスの中でチケットが買えない。バス停近くのキオスクや新聞屋で買わねばならない。 しかしこんな田舎町にもなるとチケットは終着地でしか売っていないので、たまたまそこを通りかかった時に買いだめする羽目になる。 どうしてこんな面倒なことをするんだろう?日本やロンドンみたいにバスの中で販売すればいいじゃないか!? と最初の頃は、思っていたのだがだんだん最近謎が解けてきた。 あくまでもわたしの想像なのだが: 1.運転手は運転に集中するものであって、切符の販売、などという複雑な仕事が増えると運転が出来なくなる。 2.バスの運転手なんかに金銭を扱う事をまかせたら、毎回乗客数が決まっていないようなバスの中で簡単に切符代をポケットに入れてごまかすから。 3.バスの運転手なんかに金銭を扱う事をまかせたら、毎回乗客の国籍が決まっていないようなバスの中でイタリア人には「切符1枚1ユーロ。」と売り、日本人には「切符1枚5ユーロ。」と平気で売りつけそうだから。 まあともかくそういうことで終着地の前のキオスクで来週の分まで切符を買って待っていたバスに乗り込んだ。 バスの中は月曜の往きほどではないが、最前列を陣取り数人の女子中学生グループが固まって座って化粧に専念したり、ガムを噛んだりして談笑している。 わたしがそのグループのすぐ後ろに座るやいなや車掌が乗りこんできた。 車掌「はい、切符を拝見しますよ~。」 へえ、こんな田舎のバスでも検札があるんだ。 わたしは切符を取りだし車掌が来るのを待った。 しかし車掌はわたしなどに目もくれず、いきなり女子中学生グループに突進する。 さっきまであんなににぎやかだった女子中学生グループは急に気まずい表情になって黙り込んだ。 車掌「切符を見せなさい。」 女子中生A「定期だよ。」 車掌「じゃ、定期を見せなさい。」 女子中生A「あれ~、どこだろ?」とバッグの中をかきまわす。 車掌は別の女子中生Bの前に立つ。前に立たれた女子中生Bはイヤイヤながら自分の定期を見せた。 車掌「これは先週の定期じゃないか、今週のは!?」 女子中生B「ああ。。えっとォ、買い忘れちゃった。」 車掌はその答えを聞いてしてやったりと叫んだのである。「オレはな、お前らがバスに乗りこむ前から怪しいと踏んだんだ!そこのそいつ(と気の弱そうなひとりを指す)がオレと目が合った瞬間、気まずそうにしたからな。今週はパスクワで2日しか学校がないこともオレは知っているぞ!定期なんか買っているはずがないじゃないか!?学校に通告されたくなければすぐに切符を買って来い!!」 女子中生C「ええ~。。。買いに行ってたら間に合わないよォ。」 車掌「それまで発車させないからさっさと買って来い!!」 女子中生Cがしぶしぶ立ちあがると残りの女子中生たちが「あたしのもついでに買って来て!」とせがむ。 どうやら全員が無賃乗車のようであった。 わたしはあっけにとられて口を開けてこのシーンを見守っていた。 この後、女子中生たちが切符を買い、バスは発車したがわたしのところには検札は廻ってこなかった。 ・・・ってことは、あの往きのバスの学生たちもほとんど無賃乗車だったのか!? 女子中生たちは車掌がいなくなったとたんにブーイングの嵐である。 最近の若いもんは何を考えとるんだっ!!?? *** 今日の日記はここで終わろうとしたのだが、さっきの目目さんからの電話の内容も語らなければならないだろう。 月曜日、目目さんは家の玄関のドアの下の鍵が壊れていることに気がついた。イタリアは盗難が多いので玄関には何重にも施錠できるシステムになっているドアが普通だ。 まあ、目目さんちは借家なので「古いから壊れたかな?」と我がおっと同様手先の器用な目目夫さまが修理した。 しかし目目さんちの向かいのおばさんが今朝「ちょっとちょっと!」と語ってくれた事に戦慄したのである。 目目さんちはアパートの最上階にある。その上には屋上にあがれる小さな階段がついているのだが、そこから屋上にあがるのはこの向かいのおばさんぐらいらしい。 土曜日におばさんが屋上にあがると2人の若いイタリア人の男の子が座りこんでたばこを吸っていた。 おばさんがびっくりして「あんたたち、何してるの!?」と聞くと「2階に住む友人が留守なのでここで待っている。」という。 おばさんは気味悪がって「待つなら外で待ってちょうだい!」と言い残して下に降り家に入るが、やっぱり不審なので玄関の覗き窓から外を見た。 すると小さな」覗き窓にはまるでつばを吐きつけられたような痕跡があって見えない。ますます気持ち悪くなってそれをぬぐってまた家の中から観察していると2人の男の子はやっと屋上から降りていてエレベーターの前でかがんでいるようである。 ちなみにエレベーターの前は目目さんちの家のドアだ。 しばらく2人はそのままいて、やがてエレベーターで立ち去った。 日曜日。 向かいのおばさんは夜更かししてTVを見ていた。 外でエレベーターがこの最上階に止まる音を聞いて「?目目さん一家はもう寝ているのに。。」とまた覗き窓からのぞいた。 すると土曜日とはまた別の若い2人組がまたもやエレベーターの前でかがんでいるではないか!? 完全に怪しい!!!!!! おばさんは慌ててもう寝ていたご主人をこっそり起こした。するといきなり起こされたご主人は「なんだ、なんだ!!」と騒ぎ始めたため、おばさんは覗き窓に慌てて駆け寄ったが、2人組は逃げた後だった。ベランダに飛び出て下を見ると、2人組が白い車で慌てて逃げていくのが見えた。 その話を聞いて目目さんがよく玄関のドアを観察すると、下に金属の棒を2本ねじ込んだような跡がある。 絶対泥棒や~~~~~~~~!!!!!! 確信して目目さんは今朝、おばさんに同行してもらって慌てて警察に届けに行った。 ずいぶん待たされた後、やっと番が来て事情を話す。 警官「で、盗られたものは?」 目目さん「ありません。」 警官「。。。それで?」 。。。それで?じゃない。 ずいぶん前にも書いたが、我が社が泥棒に入られて、いっさいがっさい盗まれた時も「サンドナートに毎日曜出ている市場でおたくの会社の盗品が見つかったら、その場でこっそり我々に通報してください。」という注意だけで終わった。 現行犯じゃないといちいち、犯人を探している暇はないってか!? おまえら働けよ!! ここで目目さんが警察に聞いた注意を書くと: アパートの最上階というのは一番泥棒に狙われやすい。なぜなら最上階なので他の住人の目につきにくく、犯行途中に住人が帰って来てもエレベーターで逃げてしまえば、住人は追いかけるにも階段を使わなければならないので遅れを取るからだ。 アパートの最上階にお住みの方、気をつけてくださいね。 しかし、目目さんところの若い泥棒といい。。。。。 まったく最近の若いもんはいったい何を考えとるんだっ!!?? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ご近所物語] カテゴリの最新記事
|
|