テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:イタリアンなお話
わたしはイタリアに居ながらも、サッカーには超うとい。しかし最近、ドイツWカップを前に、TVをつけるとサーカー選手をふんだんに使ったCMが盛りだくさんなのでイヤでも選手と芸能人の区別ぐらいはついてきた程度だ。
しかしその中でトッティ選手はわたしの中では特別である。 わたしより少し前に試合中、足を骨折した彼。療養中、ドンジョイをつけて美人妻と歩いている姿がTVに映し出されると、共感を持たずにはおられなかった。 最近やたらお目にかかる、彼がドイツのあるお屋敷で家政婦さんに「1、2、1、2!」と足をリハビリされているTVCM。 わたしはこれを見てからというもの、おっとに同じことをしてもらって、ささやかにトッティと同じ境遇を噛み締め、自己満悦に浸っていたのである。 しかし昨日はびっくりした。彼は試合に復帰して、終了後、汗まみれで記者会見をしているのだ! 「骨折後72日目の試合復帰。」とニュースは言っている。 わたしも事故に遭ってから約60日。後12日でこんなに男と男がぶつかりあうハードな運動が出来るようになるのか!? わたしならこわい。また簡単に同じところを骨折しそうじゃないか? **** 同じ境遇のわたしとしては、自分の72日後の状態が想像つく。 毎日リハビリに通い、家でも1時間おきにせわしなく運動をしているおかげでまだまっすぐは立てないし、あまり左足に力は入らないけれど、だいぶ足が動くようになってきた。足を屈伸するたびに膝がポキポキ鳴る。 リハビリ師「この音はいい兆候よ。固まっていた膝がほぐれてきてるのよ。」 そうか。変な音におびえていたので、かなりうれしかった。 おとといは10日間1セットのリハビリが終えた後の診察だった。 労災の自宅療養期間は来週火曜日に切れる。なのでリハビリ科の院長がそれまでに間に合うように少々きつめのメニューを組んでくれたのだが。。。 院長「う~ん。。だいぶマシになってきたけど、まだこの状態でリハビリをやめたらダメだわ。20日間何もせず固定したままだったのが引きずってるわね。あともう1セットしましょう。」 ガク。 そう、72日後、というのはリハビリが終了したばかりのまだ心もとない状態なのだ。 ところで昨日もまた機械の振り子運動に身をまかせていると、そばにずらっと並んだうちのひとつの個室のカーテンの向こうが騒がしい。 この個室には固い治療用のベッドが並んでいて、そこで寝転んだ状態のリハビリを行なう。 この中の患者、かなり無理なリハビリをしているんだな、と思っていた。 今日もまたまた機械の振り子運動に身をまかせていると、その間、わたしの担当リハビリ師は退屈なので昨日のカーテンの向こうの騒ぎを語ってくれた。 昨日は自転車に轢かれた、というモロッコ人男性が救急車で運ばれてきたのだ。 なぜ、自転車に轢かれたぐらいで救急車かというと、すでにその男性は、石膏で足がまっすぐに固められた状態で歩いていたので2重の不幸だったらしい。 付き添ってきた兄弟の話によると彼は1ヶ月前にイタリアに着いたばかりのときに事故に遭った。 ここの病院の医師が石膏をはずしてみると、わたし同様左膝が骨折しているのに、手術もせず、しかもそんな場合は石膏は少し曲げた状態でつけなければならないものをまっすぐにつけたため、足が変形してしまっていたという。 そんな間違いだらけの処置をどこの病院でやったか問いただしてみても、怪我人本人はまったくイタリア語が皆無で、付き添いの兄弟もたどたどしいのでわからないらしい。 とにかく固めたまま、ここまで時間が経ってしまったのですぐさまリハビリ、ということになったのだが、彼は絶対に担当の女性リハビリ師に足を触らせようとしない。異様におびえ、嫌がるのだ。 なので、そんな彼を昨日は説得の為に騒がしかったわけである。 なぜ、足を触らせようとしなかったか?というと、彼らの社会ではまだ女性は気軽に男性に触れてはならないらしい。汗 今日は今日で、彼はなんの身分を証明するものを持っていないので言葉の出来ない彼の代わりにリハビリ師が書類を作り、会計の支払いまで手伝って大変だったのよ、という話だった。 この経緯を聞いて、トッティ以外に彼にもわたしは共感を覚え、深く同情した。 着いたばかりの異国の地でこんな大怪我を負って、不法滞在者だから病院に行かずになんとか隠れて治療しようとしてこんなことになっちゃったんだな。 実際は不法滞在者でも緊急の場合はパスポートのみで病院の治療が受けられる。 でも、そんなシステムなんていったいどれぐらいのイタリア在住ガイジンが知ってるだろうか? ちょっとはずれるけど、わたしはイタリアの救急車のダイヤルが118番だなんて入院してからはじめて知った。前にも書いたが病院の診察の後にホームドクターにいちいち報告してその後の指示を仰がなきゃいけない、なんてことを知らなかったために放置して足の回復が遅れた。 カトリック教会の美しいステンドグラス、フレスコ画の宗教画はむかしむかし、読み書きの出来なかった庶民の為に聖書の話をわかりやすく図解するために描かれたのが発端だという。 こういった病院などの医療システムも、公共施設の外壁などに描いたり出来ないものか? ミラノの街の建物の壁は、ピンからキリまでの落書きで埋め尽くされている、というのにこの落書きエネルギーをこういった役立つものに変換できないものだろうか? ***** こんなことをTVを見ながら書いていたら、あるCMが目にとまった。 とあるスポーツ新聞のCMだ。 こちらは、オマケつき雑誌や新聞がすごく多い。 子供雑誌にはおもちゃ、女性誌にカラフルなビニールポーチつき、とかは当たり前で、最近は新聞にヒット映画のDVDつきとか、美術書つきとか、値段も12~15ユーロ(約1500円~2000円)もして、どちらがオマケかわからないようなものが増えている。 このスポーツ新聞のオマケはなんとカーナビだった! 「たった189ユーロ(約2万6500円)でカーナビがオマケについて来ます!」 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。OH,NO. あ、ありえない。もうこんなの、オマケじゃない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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