テーマ:仕事しごとシゴト(23740)
カテゴリ:我が社のないしょ話
あ~、こわかった。今朝は本当にちびるかと思った。
今日からいよいよ会社復帰である。 4ヶ月近くも間が空いたというのに、朝起きて、支度をはじめると、この4ヶ月間の空白がウソだったかのように思えてきた。リュックを背負い、ヘルメットをかぶってスクーターのチェーンをはずした。 1週間前、おっとが洗車センターできれいに洗ってくれたばかりなのに、シートは砂埃だらけ、あちこちにクモの巣が張っている。 慌てて家に戻って雑巾を取って来てざっと拭き、またがった。そして、ミラーが事故で割れてしまったのをおっとが知らない間に替えてくれてたことに気がつく。 はっきりいって、またもやスクーターに乗るのはこわかった。 ちょうど1週間後、保険が切れるのでわたしは保険を更新するより、そのお金でギアつきの自転車を買って乗りたいとおっとに提案したのだ。そうすれば、保険代もガソリン代もかからないし、今のわたしにはリハビリも兼ねて好都合ではないか? おっと「この季節は寒くも暑くもないからいいけど、夏とか冬はど~するの?」 うむむむむ。。。確かに。 朝はいいけど、疲れて帰って来た夏の夕方に、駅前の「心臓破りの坂」を上がるのは酷かも。 そこでとりあえず保険が有効な1週間の間、こわいがちょっと乗って考えることにしたのだった。 スクーターのエンジンをかけた。エンジンも先週おっとが全て点検してくれて問題がなかったはず。 4ヶ月近くの休息の後、彼のエンジンは最初、にぶくかかったが、何度かかけるうちに快調なモーター音となった。さあ、出発! げげげっ!!! すぐに異常に気がついた。ハンドルが右に右に向く~!!!????こんな重要な問題、おっとは一言も言わなかったよ!? ノロノロと走りながら一生懸命ハンドルを左に向ける。かろうじてまっすぐ走るが、右手の力をゆるめると、すぐに右に傾く。 あ、あかんやん! やがて駅前の「心臓破りの坂」の上に着いた。わたしはここで滑って骨折したのだ。ただでさえこわいのに、この状態、どうするよ!? バックミラーを見れば、わたしの後ろでは後続車がどんどん集まってきて、引き返すわけにも行かない。覚悟を決めて、クラクションの嵐を浴びながらノロノロと坂を下りたときには冷や汗でびっしょりになっていた。 今日、また帰りにこのスクーターに乗るのがこわい。やっぱり、自転車を買おう。 でも、週末まで買い物に行けないから、今週いったいどうしよう??? ++++++ とにかく往きは無事にたどり着けたので、いつもの場所にスクーターを停めて電車に乗った。ミラノの終点で電車を降り、地上に上がると、いつもの景色が広がったのだが、排気ガスと、いろいろなものが混ざった臭いに「う!」と顔をしかめる。 ミラノの街って、以前は慣れていたから感じなかったけど、やっぱりくさい。 先週リハビリ師に出された指示通り、びっこを引かないように注意しながらゆっくりゆっくり歩いて会社に向った。いつもはあっという間に走り渡っていた横断歩道も、なかなかクルマの切れ目の間が掴めず、渡る事ができない。 誰かが渡るのを待って、慌てて後ろから引っついて渡る。 やっと会社に着いた。今朝は初日(?)ということもあって、早めに出勤したら案の定、まだ誰もいなかった。 電気をつけて、窓を開けて、懐かしの自分のデスクに行くと、PCがないではないか!? OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!! わ、わたし。。こんなに長いこと休んでたから、もしかしてクビになった!!?? 真っ青になって、呆然と立ち尽くしていると、あのマリーナの後釜の新しいレセプションのキアーラがやってきた。 キアーラ「あら、久しぶり。やっと復活したの!?」 わたし「うん。。でも、わたしのPCがない。クビにされちゃったのかな?えへへ。苦笑&涙」 キアーラ「え~、知らない。」とさっさとレセプションに行ってしまった。 新しいキアーラは前任のマリーナに比べて優秀肌なのだが、なんだか人間味に欠けるな。もっとこう、一緒にPCを探してくれるとか、慰めの言葉をかけてくれよ! 絶望の淵に立たされ、オリの中の熊のようにウロウロしていたら、次々に社員が出勤してきてやっとプログラマーのロンギが「ごめん、ごめん。君のPC,ちょっとの間、拝借していた。」と抱えて現れたので、ふ~と息がつけたのだった。 やれやれコーヒーでも飲むか。。。と久しぶりに再会した同僚たちと休憩コーナーの自販機で今までの朝と変わりなくカプチーノを選ぶ。 一口飲んで「げ!?」と吐き出した。 コーヒー豆の賞味期限の過ぎたすっぱい味がする!! わたし「まずいよこれっ!」 同僚たち「え、いつもと変わらない味だけど?」 わたし「。。。。。」 我が家にはイタリア人はひとりもいないので(当たり前だけど)、「大阪人の一家に一台たこやき機」のような存在の「イタリア人の一家に一台エスプレッソマシーン」はない。 日本でもわたしはほとんどお茶か、たまにアメリカンコーヒーしか飲んでいなかった。 ここではイタリアンコーヒーが飲みたければ、ちょっとその辺のBARで100円程度で飲める。 そうやってここ4ヶ月、ほとんどコーヒーなしの生活を送っていたのだが。。。 自販機のコーヒーがこんなにまずかったとは。再認識してショック。 やがて昼休みになった。(仕事いつしてるんだよって?) マリーナが会社を辞めてから、というか、レセプションがキアーラに替わった後、わたしはすぐに事故を起こして出社しなくなったのだが、今までは、女性陣全員でお昼は会社の周りのBARをあちこち巡り歩いていたというのに、今はみんな適当にパニーノなんかを買ってきて、会社で食べているという。 「そんなの、つまらないよ~。」 わたしは久々に田舎町の家ではなく、会社という「監獄」の中で午前中いっぱいを過ごしたおかげで、外に出たくてたまらない。 ひとり、男性陣と公園のベンチに座ってパニーノをほうばった。 いつの間にか新しいプログラマーがひとり増えていて、なんと彼の弟が日本人と結婚して青森県に住んでいるというので、その話題で盛り上がり、なんとか退屈せずにすんだのであった。 そして今。まだ退社まであと4時間。耐えれるかな、ふう。 。。と、こんな日記が余裕で書けてしまうぐらい、会社は4ヶ月近く前とほとんど一緒の状態だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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