テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:ご近所物語
最近、毎週末 隣町の屋内市民プールに通っている。かつしちさんがおっしゃるとおり、水の中の運動というのは、馬のリハビリにも使われるぐらい筋肉の矯正にいいのだ。
昨日は諸事情があって前日夜中から家出して、着の身着のままで我が町行きの始発までミラノの駅のホームでホームレス状態で過ごしたコックさんと、諸事情があってへべれけ朝帰りのおっとと3人で昼からプールに出かけた。 いつもはガラ空きの駐車場がどういったわけか観光バスまで停まっていて満車である。見れば併設のサッカー場でセリエCだかDだかの試合をしていた。それだけではない。 市民プールの入り口は子供であふれかえっていて幼稚園のような騒ぎである。 わたしは目を丸くしながら子供たちを掻き分け、チケット売り場へと向った。「あの~、今日はプールはやってるんでしょうか?」 受付のおねーさん「やってますよ、ただ今日は屋内で子供たちのコース終了の発表会があるんで入れません。それに今日から、一般の方は屋外となります。」 屋外?確かに今日は空がどよんとして蒸し暑い。けど、まだ外で泳ぐのは寒くないか? わたしはコックさんとおっとを見た。ふたりともどよんとしていて、暑苦しい。心を決めた。「切符3枚下さい。」 着替えて屋外のプールに出る。 晴れて暑ければ、きっと居心地がいいであろう芝生の上にバスタオルを引いて、ガランとしたパラソルの下の喫茶コーナーを見渡してからプールに目を移した。 プールの中は真夏ほどの盛況さはないものの、自分の発表の番が終わった子供たちでにぎわっていて、次々はしゃぎながら水の中に飛び込んで行っている。 わたしはわくわくしながら手すりのところから水に入ろうとするが、ひとりのお母さんがずっと足首まで水に浸かった状態で留まっているのだ。 お母さん「あら、ごめんなさい。」とすばやくあがり、わたしにお先にどうぞ、と勧める。 わたしは会釈をして、一段目を降りる。 そしてこのお母さんの10秒前状態で留まってしまった。 こ、氷や。。。。この水。 ぐずぐずしていると子供たちがわたしの後ろに並んだ。 ああ~、早く水に入らないと。 心を決めてなんでもない振りをして水にぽちゃんと浸かった。子供たちは手すりからもどんどん飛び込んでいく。 若いっていいなあ! すぐそばで、ドボンッと音がしてコックさんが飛び込み台から飛び込んだ。ザッザと50mをあっという間に泳ぐ姿は漁師のおっちゃんのようである。わたしも急いで彼の後を追った。 コックさん「寒いよ、50mは長いよっ!」 わたし「がんがん泳いで温まろう!」 2人でがんがん泳いでみるが、疲労が増すだけで一向に温まらない。寒さで足がつりそうだ。 こうやってデカプリオもタイタニック号から落ちて次の日の朝になるまでに死んだんだろうか?←死んでないか? 一通り2人で泳いでおっとの姿を水の中に探すが見当たらない。。。と思ったら、まだ手すりのところで足の指先すら水につけず、固まっていたのである。汗 「こんなに冷たかったら心臓マヒを起こすよ!」と叫ぶおっとを2人で容赦なく水に引きずり込んだのであった。なにかあっても生命保険もかけてるし、大丈夫だろう。 おっとはいくじなく少し泳いでまたもや水からあがり、タオルを巻いてうずくまってしまった。 わたしもいつもは疲れても疲れても、憑かれたように泳ぐのだが、こんなに冷たい水ではもう限界だった。身体が紫色になったコックさんも上がってきた。 さすがにこの水泳の後、2人はどんよりから目が覚めたようだ。 普段の半分の時間も泳がないうちに全員であがり、震えながらパラソルの下の喫茶コーナーで「ホットチョコレート3つ!」と注文する。 店員「そんなもの、ありませんよ。」とカキ氷やアイスキャンデーの写真が、満載のメニューを差し出した。 こうしてわたしたちは3時間チケットを買ったというのに30分ほどでプールを後にしたのだった。 **** 前置きが長くなったが、週末は楽天のお友達、ちずMILANOさん に会った! 金曜日の夕方、はじめてお会いしたというのに、ちょっと外のカフェでアペルティーボをした後、なんと引っ越されたばかりのお宅にまで招待していただいたのだ。 (ちずMILANOさん、女の一人暮らし、気をつけないと、もしわたしが狼女とかだったらどうするの?) 大きなベランダを持つ、小さなアパートは、まさに独り暮らしにぴったりだ。 ベランダにテーブルを出してビールをごちそうになったのだが、彼女、飲む飲む!それが証拠に独り暮らし用の小さな冷蔵庫には各種の酒とチョーヤの梅酒の梅しか入ってない。 しかしはじめてだというのに延々とお喋りに盛り上がり、珍しくおっとが心配して「いつ帰ってくるの?」と電話をかけてくる始末。 結局は優柔不断で待ち合わせの場所が決められないおっとに彼女が業を煮やして、我が家まで送ってくれたのだった。 そしてドアを開けたおっとを見て「日記と見かけが違う!涼しいよっ!?」と第一声。←そんな見かけにだまされた被害者妻。 わたしのことも会うまでごっつい体格の大女だと思っていたらしい。←ちなみにわたしは「あんたは骨格が細くて壊れやすいんだから、もう絶対こけないように!」と訳のわからない指示をリハビリ師から出された女。 そういうちずMILANOさんにも、わたしはもっとこう、素直でおっとりしたイメージを描いていたのだが。。。。これ以上、ノーコメント。 我が家でもまた飲んだのだが、彼女はしらふでクルマを運転して帰っていった。 次の日の夜は彼女の引越し祝いの会。 某日本食レストランには何人か彼女の日本人のお友達が集まっていて、彼女のお知り合いの板前M田さんが彼女のために腕を振るった。「姐さんのためですから!」←ちずMILANOさんってもしかしてそっちの世界のひと? メニューにはない牛肉のたたき、ビーフシチュー、フィレ肉のステーキ、〆にたけのこごはんと冷やしうどんを作っていただいて、めちゃくちゃ感激したのだった。 M田さん「お客さんにね、『おいしい』って言ってもらうのはプロとして当たり前のことなんだよ。『すごくおいしい!』という言葉を聞くために板前生活を30年してるのさ。」としみじみ語る。 ビールやワインがとめどなく出てきて、ひさびさに酔っ払った上、こんな状況になんだか日本の居酒屋にでもいるような錯覚を起こすわたし。 ひさびさに「ヤギ社会」でも「イタ公社会」でもなく「ピュア日本人社会」に浸れて楽しかった。 ちずMILANOさんはこれだけでも飲み足りなかったようで、元気にこの後、2次会に消えていったのである。(あの後、大丈夫だった?) ちずMILANOさん、はじめて会ったというのに、こんなおいしい会に、お誘いしていただいて、本当にありがとう。 そして参加者のみなさん、一人日本語が喋れなかったおっとにもみんなでかまっていただいてありがとうございました。 また近いうちに会おうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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