テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:ご近所物語
病院でのリハビリが終わる前日、会社でも続けられるリハビリ運動の指示を受けたので、真面目に毎日頑張っている。
そのリハビリというのは:足を縦に拡げ、足の筋を伸ばしながら大股で歩く。 すばやく動けないので、なかなかイライラする。トイレに行くたび、コーヒーを飲みに休憩コーナーに行くたびに、そうやって歩いているのだが。。。 おかげで「カメレオンちゃん」(←歩き方が酷似しているため)と最近、同僚に呼ばれるようになってしまった。涙 わたしと同じような骨折をしているどこかの大のおっさん会社員もどこかの会社の中で、こんな歩き方をしているんだろうか? 先日皆様に相談に応じてもらった通勤方法は解決しつつある。 自転車でもバイクでもない。 だって、よく考えたらここはイタリアだ!会社の時間帯は決まっているけど半分フレックスみたいなものだ。 あのサントドミンゴ共和国帰りのチロ なんて、会社から徒歩10分以内の近所に住んでいるってのに、いつも10時ごろ出社してきて定時の18時にはもういない。汗 なので、往きは最近定時より20分ほど遅れて着く始発のバスに乗ることにした。しかし、チロと違ってわたしは小心者なので、18時ちょっと過ぎまで働き、退社する方法を取っている。 帰りのバスは、我が家行きはもう終わってしまってないのだが、すでにバスの運ちゃんたちはみんな「アミーチ!(お友達)」。 今のところ、別路線の最終バスに、停留所は存在しないのだけど、ギリギリ近くで降ろしてもらっている。 ああ、これだから田舎っていいなあ。しみじみ ****** ところで先日、なぜコックさんが着の身着のままで一夜をホームレスのようにミラノ駅をさまよい、我が家に始発でやってきたかというと。 正確に言うと、始発で直接来たのではない。彼は負け惜しみが強いので、まずは終点のベルガモまで行って時間を潰し、朝10時ごろ、何食わぬ顔でやってきた。 コックさんは時々週末にうちにやってくる。 来るときはいつも、金曜の夜中とか、土曜の午前中にいきなり「そっちに行きますから!」と言ってくる。 やってくると、まずは日本語でわたしに溜まりに溜まった仕事やイタリア生活の愚痴を口を挟む隙をあたえず発散する。 そして、大好きなスーパーでの買い物を楽しみ、帰るとパスタなどの簡単な夕食をたまに作ってくれて、おっととソファの上でだらだらとTVを観て、夜通しおっととPS2で遊んで、日曜日はそんなことだから昼ごろにぼさぼさの髪で起き出すが、また昼寝をし、寝ぼけた目で夕食を食べてミラノに帰っていく。というパターン。 うちはバカンス用の田舎の家じゃないんだけども。汗 今回もそうやって土曜の午前中に連絡があったのだが、ちずMILANOさんとの約束があったので断った。だっていつものパターンを見れば、約束を変更してまでコックさんを迎えるようなたいしたものではない。 すると、また日曜の朝に「そっちに行きますから!」(←この時、すでにベルガモから我が町往きの電車の中) 昨日食べ過ぎて、飲みすぎて疲れてるのにな。。。とドアを開けたら、よれよれのシャツとぼさぼさの髪で立つコックさんがいたのだった。 そしていつもの通り、愚痴がはじまった。 今までの日記からご存知の方が多いとは思うが、このコックさん、憎らしいぐらいの幸運に恵まれて某高級ホテルのシェフのひとりとして働くことになったのだが、とにかくイタリア語が出来ない。 職場に入り込めたはいいものの、言葉の壁は仕事をちっともスムーズに進められないのだ。 コックさん「言葉が出来ないから、たった今、学校を卒業したばかりのひよっ子にまで、訳わかんないことでバカにされるしさあ。」と悔しそうに唇を噛む。 あるある、外国居住者の苦悩の基本やね。 コックさん「今回はルームメイトと喧嘩して昨夜から家を飛び出してきたんっすよ。」 コックさんは某高級ホテルの従業員用レジデンスに住んでいる。家賃がタダな上、結構いいレジデンスなので腹が立つのだが、独りなので、アパートを3人でシェアしているのだ。 一番の古株がシングルルームに住んで、新米のコックさんはひよっこの一人のスイス人とダブルルームで寝起きしている。 わたし「どうしたの?」 コックさん「昨日ね、仕事で疲れて帰ってきてすぐに寝たかったのに、スイス野朗がずっとラジカセがんがんにつけててさ、何度か音を下げてくれって頼んだんだけど聞かないし、俺が下げたらまた上げやがるから、腹が立って、ラジカセ投げつけて家を飛び出してきたんっす!」 わたし「はあ、で?」 コックさん「昨夜は夜通しミラノ中央駅をさまよってました。中央駅って夜中は警官だらけっすねえ。何人にも滞在許可証の提示を求められましたよ!」 わたし「。。。。。」 そういえば、思い出した。わたしも一度ならず母とこんな感じに大喧嘩になって、家を飛び出したことがある。結局は行くあてがないので、数時間後にしぶしぶ家に戻っていた。 が、いつも扉は固く閉ざされていたので、父が帰宅するのを待って一緒にそそくさと入っていった。 が、それって小学生の頃だ。ひよっこ相手にそんなにムキになるコックさんって。。。。。 コックさん「でももう、どうでもいいんっす。後2週間後にはあんな奴と一緒に寝ることもないんですから!」 そうなのだ、ちょっと前まではコックさん「もう、こんな大きなホテルのレストランはイヤです。何十人ものお皿をまとめて作らなきゃいけないから、数こなすのに必死で、こだわっているどころじゃないんですよ。地方の、もっと小さなこだわりのあるレストラン探します。」と常々言っていたのである。 ところが。彼が6月から見つけたのは、さらに大きいサルデーニャ島の某有名リゾートホテル内のレストランだった! おいおい、矛盾しているぞ! コックさんは得意そうに「いやね、先日スカラ座の近くの某有名レストランで働く日本人と知り合いましてね、転職したい話をしたら、このホテルを紹介してくれたんですよ。でも紹介だけはするけど、後は全部自分でやれって。。。。」 わたしは急いで言った。「もう半年以上もイタリアに住んでるし、前例があるから全部ひとりでやれるよね? ねっ!!??」 そして続けて慌てて話題をそらす。「いいなあ、サルデーニャ!蒼い海、蒼い空!!」 作戦は成功した。 コックさんはうれしそうに「そうなんっすよ、絵はがきで見たら海がめちゃめちゃキレイなんっす!それにこのホテル、海のまん前なんですって!従業員はホテルの一角に住むことになるし、休憩時間が今より多いらしいんで毎日海で泳ごうっ!!」 チッ、この野郎。仕事じゃなくて海に釣られたか。しかし夏のサルデーニャ、うらやましすぎるぞ! コックさん「でね、今のレストランを辞めて次のレストランで働くまで1週間あるんですけど、レジデンスは出て行かなくちゃならないんです。その間、ここに泊めてもらえます?」 え。。。。? おっと「いいよ~、おいでよ。」 コックさん「でね、その間、インターネットも使わさせてほしいんですけど。。。」 おっと「いいよ、好きなだけ使いなよ。」 コックさん「さすがフラテッロ(兄弟)!さんきゅ~。」 こいつら、いつから兄弟になったんだ? 。。。というわけで再来週からまたもやコックさんが我が家に来ることになった。しかしなんか、おもしろくない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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