カテゴリ:エクアドル人のおっとを持つと
前回の日記にも書いたW杯エクアドル戦。
わたしはわたしの財布とおっとの財布、両方を握り締めて出かける支度をしているおっとをにらんでいた。 そうしないと、ヤギなおっとは来週の通勤のために取って置いたガソリン代すら飲み代に使い果たす危険性があるからである。 おっとは苦笑いしながら「大丈夫だよ、試合が済んだらすぐに帰るよ。ところで君は来ないの?」 わたしは毎正月のようにシャンパンのビンが空中を飛び交う荒れ狂ったミラノの中心のドウモを想像し身震いした。「呑んだくれのあんたの友人たちとなんて一緒に試合を観たくない。」 おっと「違うよ、今日はエクアドル大使館主催の招待客だけの観戦だよ。どこかを借り切って大きなスクリーンで観戦するんだ。」 なんだ。。。。。それを早く言えよ!! あの大使館のお姉さんとはもっともっともっともっともっともっともっともっと親しくなっておいた方がお得に違いない!と、言うわけで結局はおっとと共に「湯気の工場」という名前のコンサート会場に観戦に行ったのであった。 21時始まりの試合に19時半には到着したわたしたち。 まだ大使館関係者しか到着しておらず、みんな黄色いエクアドルのユニフォームを着て、イスを並べたり、飲み物やおつまみの屋台を準備している。 お姉さん「あら、早かったね!ところであんたたち、ユニフォームは?」 本当はお金がなくて買えなかったおっとであるが「ユニフォームでミラノに来るのは気が引けて。。」とお茶を濁す。 それからイスを一緒に並べたり、小さな子供たちの相手をしていると、だんだんとやはり黄色いユニフォーム姿の招待客が集まってきた。 ずらりと無数のイスが並び、会場の準備が整う。お姉さんは「イスが足りないから、早めにお座りなさい。」というので、いぶかしがりながら一番後ろの席に遠慮がちに座って待っていると、試合20分前には結構広いコンサート会場がユニフォーム姿やエクアドルの国旗を身にまとったひと、民族衣装のひとで埋まり、外まではみだすほどになったのである! これって招待客だけでしょ?それにしてもすごい数だな。。。と思っていると試合開始。 会場全員が立ち上がってスクリーンの選手たちと一緒に胸に手を当て国歌を合唱した。 エクアドルの国歌はなんとなく勇ましく陽気だ。これからの凄まじい試合を前にぴったりな曲だ。 これが日本の「君が代」だったら、なんだか試合前に撃沈してしまいそうな。。。。汗 試合はなかなか凄かった。責めも守りも頑張っている。 しかし選手は黒いひとばかりで、エクアドルがどこの国か知らない人が見たらアフリカかどこかの国じゃないかと勘違いされそうだ。 全然関係ないけどエクアドルが太古、インカ帝国の支配下にあったときも、戦争には黒人兵士が活躍したそうである。彼らは機敏で勇猛だからだそうである。 そんな勇猛な選手たちの活躍の結果、2対0でエクアドルが勝った! 会場の観客は声を枯らして叫びまくり、みんなで「ばんざ~い、ばんざ~い!!」と跳ね狂った。 凄かった。 ドイツまで行かなくてもなんだか生の試合に触れたようでお得感があったのだった。 実はこの後が夜通しお祭り騒ぎに発展するんじゃないかと、半分おそろしく、半分期待したわたしだったのだが、招待客たちは試合が終わるとあっさり居なくなってしまい、数えられるほどの人数と大使館員だけが取り残されたのだった。(←ああ、やっぱりおっとの友人たちとは種類が違う。) わたしたちはイスや屋台を片付けながら、おっとが持ってきたシャンパンで大使館員みんなで乾杯した。 その後、売れ残ったキト特産のホットワイン(ヨーロッパのものと良く似ている)を飲みながら辺りを見渡すと、柵にもたれてエクアドル人らしいおっさんとイチャイチャしているアジア人の2人の女性が目に留まった。 おっと「ねえねえ、あれ日本人だよね?」 うん、それっぽい。興味はそそられたがこの3人の周りの熱いハートのバリアで近づくことがためらわれた。なんで3人でイチャイチャ?(←お子様いくきーとにはミステリーな世界。) もしかしたら、この2人もどこかのブログでわたしのような日記を書いているのだろうか?と、ふっと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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