テーマ:車に関するお話(10524)
カテゴリ:イタリアお役所戦記
マンロー見たぞ!あのグランデフラテッロの。
サンバビラで。昨日は裁判所に行くまで時間があったから、バービーちゃんのおうちのようなブリブリグッズばかり、しかも目の飛び出る値段で売っている店になにげに入ったら、マンローが顔の半分もあるサングラスをかけて、TVのような派手な服を着て、キテイちゃんのビニールバッグにキテイちゃんグッズをぽんぽん景気良く放り込んでいた。 ああ、この生活はTVの中だけじゃなかったのね。 ***** さて、昨日も裁判だった。あの◎◎ちゃんのでもなく、前回の我が家のでもなく、1年前のもんで男くん事件 の裁判である。 いったいいくつ裁判を抱えなきゃいけないんだ!? 今回の裁判はミラノの中心地の裁判所にて、である。 わたしはミラノの裁判所といえば政治家や資産家の汚職があるたびにニュースで映し出されるドウモの近所の白亜の大裁判所しか知らない。 わたし「あの裁判所でいいの?」 おっと「うん、あそこ。11時半始まりだから11時半に集合ね。」 わたし「。。。おい、せめて11時15分に来やがれ。」怒 わたしは半日休暇を取り、いつもと変わらぬ時間に起き出して、ミラノの銀行に行ったり、おっとの会計士のところに行ったりして忙しく奔りまわり、裁判所の前に11時15分ぴったりに着いた。 裁判所への大階段の中腹に立って、目の前を走る大道路を見ながらおっとを待つ。 ヤギなので当たり前なのだが来ない。 後ろを見ると片目のつぶれた軍隊帰りのような男の子が大きなブルドッグを連れて座り込んでいる。ちょうど寝そべったオスのブルドッグのオシリがわたしのほうをむいていて、大きな◎玉がわたしの目を釘点けにしそうになったので、慌てて目をそらした。 そこに「いようっ!兄弟。」とよれよれのポロシャツを着た目つきの怪しい男が近づく。 片目男「おう!お前も出てきたのか?何年だ?」 ポロ男「10年だった。罪状は「Phisico furto」だってさ。なんだよこれ?」 片目男「知らねえなあ。」 2人は連れ立って「あち~な、アイス買いに行こうぜ!」と消えていった。 え~っと、え~っと。。。。。。 本当にこの裁判所でいいのか?ここって、前回と同じく「刑事専門」ってやつじゃ? 11時半ぴったりにおっとが着いた。遠くから近づくおっとを見て、階段を上ろうとすると「降りて来いよ!」 おっと「ここじゃないんだ、あっち。」とわたしの手を引っ張った。 おいおい、やっぱり違ったんだ。あんたがここやって、言ったんだろうが? わたし「本当のところ、裁判は何時からなのよ?」 おっと「今はそんなことを言ってる時間がないんだ!早くしないと!!」 おっとは走り出した。 わたしは走れない。 おっと「何やってるんだよ、早く!」 わたし「うっき~、あんたがわたしに正確な住所と時間を言ってたら、そっちで待ってたよ!?」 わたしはびっこを引きながら走り、やっと着いた裁判所は、待ち合わせのところよりもずいぶん離れたところだった。怒 この裁判所は民事専門のようである。 前回と違うのは、まるで市役所のような簡素な建物で、まるでガイジン専門警察クエストウラのようにたくさんのひとが長い列を作って待っている。 おっとの携帯が鳴った。弁護士からだった。 弁護士「遅いですよ、今どこなんですか?!」 おっと「裁判所の前で列に並んでいます!」 2階の窓が開いて、弁護士が顔をのぞかせた。「もう裁判は始まっています、列に並ばないで横入りして来てください!!」と叫んだ。 その叫び声が効をなしたのか、わたしたちは横からすりぬけて裁判所内に入るが、誰も文句を言わない。大急ぎで2階に駆け上がる。 ああ、しかしミラノにはこんなにも民事で揉めている人たちがいるのか??!! 長い長い廊下の突き当たりにわたしたちの部屋があった。 弁護士がドアを開けて走ってきた。 弁護士「いいかい、君は何を聞かれても『加害者のクルマが突っ込んできたんだ。』と言うんだよ。それだけでいい。」と早口でわたしにささやいて部屋に入った。 中に入ると前回同様、やっぱり診察室みたいだった。 しかし裁判官は前回のような爺ちゃんではなく、もうちょっとしっかりした感じだ。 今回は加害者側は誰もいない。わたしとおっとと我々の弁護士だけだ。 全員であたふたと席に着く。 裁判官「あなたは座る前に左手をあげて『わたしはウソの証言をしないことを誓います。』と宣誓をしてください。」 わたしは初めてのことに目を丸くしながら手を挙げ、「ワタシハウソノ証言ヲシナイコトヲ誓イマス。」とオウム返しに言うと、弁護士がクスリと笑った。 裁判官は弁護士のほうを向き「彼女、イタリア語が話せるのかね?」 わたしが席に着きながら「たぶん。。。大丈夫だと思います。」と答えると裁判官は安心したように書類を拡げた。 実はもんで男くんの裁判はこれが初めてじゃない。事故から1年も経った今、わたしは証人として呼ばれたのである! 裁判官「7月◎日、ボローニャからミラノへの高速道路の途中、もんで男くんにルカ氏のBMWが突っ込んできたと。本当かね?」 わたし「そうです。」当たり前じゃないか? 裁判官「なんでそのことを知っているのかね?」 わたし「なんでって。。。その場にいたからに決まっているからじゃありませんか?」 裁判官「君はいったいマルちゃんのなんなんだね?」 わたし「妻です。」そんなことも事前に知らなかったのか? 裁判官「君の口からそのときの状況を語ってくれないか?」 わたしは弁護士をちらりと見た。彼はこの口頭応議を書類に書き込むので必死でこちらに目もくれない。う~ん、どうしたものか? わたし「えっとですね。。。」と口を開く。あいつがウインカーも出さずに我々の車線に入ろうとして突っ込んできたこと、おっとはよけようとしたが、スピードが出ていてよけきれなかったこと、ぶつかった衝撃は凄かったが、とにかく怪我はなかったこと。。などを語った。 本当は1年前の日記にも書いたような酔っ払いのようなフラフラ運転をしていたこととかも言いたかったのだが、先述の弁護士の「いいかい、君は何を聞かれても『加害者のクルマが突っ込んできたんだ。』と言うんだよ。」という言葉が引っかかり、それだけにとどめて置いた。 裁判官「それじゃあ、怪我はなかったんだね。」 わたし「はい。」 裁判官「彼ら2人は事故後すぐにこの書類を作成してたかね?」と示談の書類を見せる。 わたし「はい。」 裁判官「君はこの書類を見たことがある?書かれた値段も知っていたかい?」と修理工場の見積書を見せる。 わたし「はい。」 裁判官「修理工場には同行したのかい?」 わたし「いいえ。」 裁判官「じゃあ、君は見積もりの作成された時点に関しては何も知らないわけだ。」 わたし「はい。」 裁判官「OK.奥さん、もういいですよ。退室なさってください。」と最後に弁護士が必死で書いていた書類にサインをさせられ外に出たのだった。 待つこと10分ほど、やっとおっとと弁護士が出てきたのである。 弁護士「では次の裁判は7月12日です。これは、わたしだけが出席しまして結果を報告します。」と去っていった。 わたし「おっと、どうなったの?」 おっと「う~ん。。たぶん大丈夫。賠償金、支払われると思うよ。」 わたし「そう?1年経ってもどうにもならないなんて、なんかあんまり期待出来ないね。保険会社の弁護士、無能なんじゃないの?」 わたしはいい加減、腹を立てていた。だってこんな証言、事故後もっとすぐにするもんじゃないか? それに、今回裁判が長引いている一番の理由は修理工場が作成した見積書がやや高値だったということで、それを不服に加害者が支払いを拒否、裁判となったのだ。 しかし。 1年前の日記でも記述したように、彼は我々のように、明日の食費にも困っているようではなく、ぴかぴかのBMWに乗り、いかにもリッチマン風だった。 それに当然この修理代は保険会社から支払われるもので、彼にとっては痛くも痒くもないわけだ。 なのにどうしてここまでごねるのか? イタ公リッチマンだから、どこの馬の骨ともわからないガイジン夫婦に負けるのがイヤで嫌がらせをしてるんだろうか? それともお金持ちの暇人で、こんな騒ぎを起こして楽しんでいるのだろうか? あ、書いてるうちにちょっと推理が出来てきた。 自分が加害者の場合、被害者のクルマの修理代は保険でカバーされるけど、自分のはカバーされないよね? 天秤にかけて、自分のBMWの修理代のほうが高くつくから(うちのクルマより激しく壊れてたし)、あくまでも自分を被害者にして、修理費用を出来るだけ安くあげる魂胆なのか?? でもそんな差額。。。。リッチマンそうだったのだけども。 ???。。。。わからん。 とにかく、腹が立つ。さっさと勝訴で終わりたいよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[イタリアお役所戦記] カテゴリの最新記事
|
|