テーマ:不動産屋さんへ行く前に(521)
カテゴリ:家探し、購入から入居まで
突然だが、なんかもう日記をやめたくなってきた。
こんな日記が続くなら、もう書きたくない。 昨日の朝。 わたし「本当にわたしも仕事を休んで同席しなくて大丈夫?」 おっと「大丈夫だよ、きっと30分ほどで済むだろうから、ぼくが仕事の合間に立ち寄るだけで充分だ。」 こうしてわたしが会社でのほほんとW杯観戦のお誘い日記を書いていた間、先日予告した日 よりも早めに我が家に裁判所指定の建築士(ペリート)が家の状態をコントロールに来たのだった。 もちろん彼だけではなかった。 我々の弁護士が雇ったジオメトラ(建築鑑定士)、あの憎っくき不動産屋のアンドレアと彼の雇ったジオメトラも同席したそうだ。 コントロールと話し合いは30分どころか、延々3時間半にもおよんだそうだ。その間、おっとが何度もわたしに「あの証拠写真、どこにある!?」と聞いてきたりしていたのだが、その電話の向こうでいつも誰かが怒鳴り、言い争いになっているのが聞こえて訳のわからない不安にハラハラした。 夕方。わたしは仕事が終わり、いつものようにセバスティアンおっとにお迎えの電話をかけるとおっとは蚊の泣くような声で「今、ペリートたちが帰って行ったよ。これで午後の仕事が全部パーだ。とにかく会社に戻らないと。。」 わたしは胸が潰れそうになり「わかった、今日は歩いて帰るわ。でもその前にひとつだけ教えて。今日はうまくいったの、いかなかったの?」 おっと「。。。。今夜、帰宅したら話すよ。」 あああああああああ!!!!ど~してそういう曖昧なじらすような応え方をするかなっ!? わたしは田舎駅からの道を歩きながらあらゆる悪い状況を想像してみるが、こんな初体験のことに、さっぱり検討がつかない。 やっと汗だくになって家に帰り着き、玄関のドアを開けるなり、かばんを投げ出してシャワーの下に飛び込んだ。 こんな時間から仕事に戻ったおっと、きっと帰りは遅いだろう。夕ご飯、何にしようかな。。 シャワーが終わり、キュッと蛇口を止める。 すると浴室の向こうからTVの音が聞こえた。 え?おっと、もう帰って来たんだ?? わたし「おっと~、もう帰って来たの?」とバスタオルで身体を拭きながら叫んだ。 耳を澄ますが返事がない。なのにTVの音は確かに聞こえる。誰か、家の中にいるのか!? 着替えて浴室を出ると、やはりおっとが帰っていて、ソファの隅で黒い闇を作っていた。 わたしはかなり引いておずおずと「どうなったの?」と聞く。 おっとはしばらく黙ってTVを観ていたが自嘲的に「会社もお客もひどい怒りようだったよ。当たり前だよな、なんの連絡もなく仕事をすっぽかしちゃったんだから。こんなこと、はじめてだ。。」 うんうん。でもわたしが聞きたいのはそのことじゃなくて。 わたし「え~っと、シャワー浴びてきたら?その間に夕ご飯の支度するし。」 きっとおっとはまず頭の中で話すことを整理したほうがいいだろう。 おっとはわたしの言葉を無視し、TVを観続けた。というか、TV画面は観ているけれど、思考はどこかに行っている感じだった。 わたしは諦めて2階にあがり、片付け物をして降りてくるとおっとの視線がようやくわたしのほうを向いたので、横に座る。 おっと「ぼくら、いったい何か悪いことをした?」 は? おっと「うちのジオメトラが最初にコントロールに来て出した屋根の修理の見積もりは12,000ユーロだ。つまり屋根を全部替えなければ問題は解決しないって事さ。でも」 をを、やっと話す気になったか。 おっとは続けて言う。「やつらの雇ったジオメトラは3500ユーロだと抜かしたんだ。それに加えてアンドレアが『こんなの瓦を少し動かすだけで済むだろ、ボリ過ぎるなよ。』だと。」 わたし「今までそうやって瓦だけ動かしに来て、何も解決しないから裁判になったんじゃない!?屋根の状態、ペリートは見たんでしょ?」 おっと「全員で屋根に上がって見たさ。ところが一番最後に見たときより、きれいになっているんだよ!?」 わたし「そ、それって。。。」 おっと「うん、ルイジの奴が、ぼくたちが昼間仕事で居ないときを見計らって、また修理に来やがったんだ。」 わたし「でも。。でも、そういうことがありうるから証拠写真を撮っておいたんでしょ?!」とついついトーンが高めになる。 おっと「普通なら、証拠写真が効いたさ。でもね。。。」 わたしはごくりとツバを飲む。 おっと「アンドレアが雇ったジオメトラと裁判所のペリートはやたら親しくってね、どうも、友達らしい。」 え? えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ????????????????????????????????????????? OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! き、汚い。汚すぎる。やり方が汚すぎるっ!!!!!!!!!!!!!! このイタ公マフィアたちめっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!! おっと「残念だけどうちのジオメトラはミラノ人、ここには詳しくないんだよ。でもアンドレアの奴はこの狭い地域人だから、『蛇の道は蛇』ってやつで、どのペリートがいつ来るなんてとっくに知っていたわけさ。だからきっと、ルイジにコントロールが来るまでに修理させ、友人をジオメトラに雇った。きっとこのペリートにも金を握らせているだろうってのが、うちのジオメトラの観測ってわけ。」 そういえば、この間の裁判のときもアンドレアの弁護士は親しげにペリートに挨拶を交わしていた。このとき、イヤな予感はしたんだけれども。。。 おっと「うちのジオメトラは『奴らのジオメトラと裁判所のペリートはきっと彼らの間で裏打ち合わせをするに違いないから、事態は難しくなった。裁判が予想をはずして長引くかも。』だって。」 OOOOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO................................ おっと「でもうちら、今までにかなりお金を費やしてきたでしょ?今日のペリートだって500ユーロ。なんで奴らの友達に500ユーロも払わなきゃいけないんだよっ!?ぼくらはこんな馬鹿げたことに支払いを続けるためにあくせく働いているんだよ?」 わたし「。。。。。。。。。」 おっと「アンドレアの奴、それを見抜いていて『ぼくらはいつまででも闘う覚悟はあるよ。金はあるからね。』と抜かした。」 わたし「でも奴らの言う3500ユーロぽっちじゃ、それこそ何の問題解決にもならないよ!」 おっと「ちなみにこの3500ユーロは、今までにかかった弁護士代、裁判代込みだってさ。バカにしている!!それにあの騙し取った間取りの変更を市役所に届出なかったお金も、立派な見積書の証拠があるのにうやむやにしていた。」 い、いいいいいいいいったい奴らはどこまで悪者なんだ!!!!!!????????? おっと「。。。。。。。。。。。もうぼく疲れた。どうする、まだ裁判続ける?」 わたし「う。。。。。。。。。。。。」と言葉に詰まった。 おっとの弱気が感染しただけじゃない。悔しいけれどちょっと前、わたしたちはおっとのいつものヤギ的軽はずみ行動で経済破綻し、確かにこれ以上、裁判を続ける経済力がない。 わたし「今日のことがどういう結果として、弁護士から連絡があるか待つしかないよ。。。」と声を振り絞って言うのがやっとだった。 この後おっとは元気なく立ち上がり、シャワーを浴びに行った。 おっと、今日はすまない。独りでそんな辛い状況に立たせてしまった。しかも仕事を無断放棄までさせてしまって。。。。 わたしは取り合えず冷蔵庫に残った生ハムを取り出し、パンを切ったが、あまりのショックで立ちくらみがして座り込んでしまう。 しかしおっとが浴室から出てきたので、何もない振りを装い、食べ始めた。 いつもはかじりついて観るW杯も上の空、生ハムも2~3切れ食べて気分が悪くなったのでやめた。おっとも同様だった。 こんなおかげで昨夜は悪夢を見ては醒め、怒りを思い出しては必死で目をつぶり、の繰り返しでほとんど眠ることができなかった。 なんであの平和日本を捨てて、わたしはイタリアにいるんだ!?と、痛切に思った昨夜。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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